真紅、サンタになれない。
- 883 :名無しさん:2013/12/24(火) 19:58:41 ID:mrmmo0YU0
- 翠星石「♪じんぐるべー ♪じんぐるべー ♪すっずがぁなるぅ~」シャランラー
雛苺「うにゅにゅ? 翠星石がやけにハイテンションなのよ」
翠星石「ふっ、それにはワケがあるのです」
雛苺「わけ?」
翠星石「そうです。ほれ、翠星石のドレスを近くでよく見ろですチビ苺、そうすれば分かるです」
雛苺「ドレス? いつもと同じじゃないの」
翠星石「ふっふっふー、分からないですか? もっと近くによって、感覚の目でよ~く見てみろですぅ」
雛苺「ふにゅ?」
翠星石「今です! くらえ、可視光線照射装置ィィ!」ピカァ
雛苺「うにゃー!? 眩しいのォーーー!? 翠星石のドレスが急に光りだしたの~!!」
翠星石「がーはっはっはっはっは! チビ人間に鞭打って翠星石のドレスに極小電飾を仕込ませたのですぅ!」
雛苺「す、すごいのよー! カッコいいのー! まるでクリスマスツリーみたいなのよね翠星石!」
翠星石「がーはっはっはっは! もっと褒めろです! 崇めろです! 今日という日を国民の祝日にしろですぅ!」
- 884 :名無しさん:2013/12/24(火) 19:59:43 ID:mrmmo0YU0
- 翠星石「…よいしょと」ポチッ
雛苺「あるぇ? どうしてドレスの電球をもう消しちゃうの? 綺麗だったのにぃ」
翠星石「いや、これって意外と…熱がこもるんですよ。調子に乗って電球を沢山つけすぎたですね。
限界時間を超えて電飾を稼動させると…やがては人体発火を起こすのです!」
雛苺「ほわぁあああ! お、恐ろしすぎるのーーっ!」
ジュン「ンなわけねーだろ。そんな致命的なミスを僕がするわけない」
翠星石「むむ、チビ人間」
雛苺「ええっ? 翠星石ったら、またヒナをだましたのね」
翠星石「へっへーん、だまされる方が悪いのですー!」
- 885 :名無しさん:2013/12/24(火) 20:01:36 ID:mrmmo0YU0
- 真紅「ふう…」ガチャッ
翠星石「お! 真紅おかえりです。どこへ行ってたんですか?」
雛苺「何か元気ないみたいなのよ真紅」
翠星石「今日は楽しいクリスマスですよ? もっとテンションあげあげでイこうぜですぅ!
ただでさえ、真紅は見ためがサンタに似ているんですから」
真紅「そうしたいのはやまやまだけど」
ジュン「どうした? 何か悩み事でもあるのか?」
真紅「いえ、ね。今年は私も、真紅⇒アリス⇒超真紅へとハイパー進化したじゃない」
ジュン「そうなの?」
真紅「そうよ。そして私はアリスゲームでチンタラ争うようなその辺のボンクラメイデンではなく
誰かの願いを受け止め、それを叶えるお父様、あるいはサンタクロースと同じ次元に立った」
翠星石「何かイチイチ癇に障る言い方をするですね」
雛苺「ヒナ達ボンクラじゃないのー!」
- 886 :名無しさん:2013/12/24(火) 20:03:06 ID:mrmmo0YU0
- 真紅「だから今年こそは、この真紅ちゃんも本格的にサンタ活動をするべく
グリーンランド国際サンタ協会に申請し、公認サンタの資格を取ろうと考えた」
ジュン「それで?」
真紅「公認サンタになるためには条件が四つある」
雛苺「四つ?」
真紅「一つ、結婚していること。二つ、子供がいること。
三つ、これまでにサンタとしての活動経験があること。四つ、体重120kg以上」
翠星石「なんですか、それは? ふざけてるんですか」
真紅「いえ、大マジよ。これらの条件は全て『サンタらしさ』を備えるためのもの。
そして真紅ちゃんはこれらの厳しい課題をクリアするために努力した」
ジュン「努力してどうにかなる項目か? その四条件は」
真紅「とりあえず一つ目の条件はジュンと結婚していることにして
二つ目の条件は雛苺を私とジュンの愛の結晶ということにして申請した」
ジュン「ッ!?」
翠星石「なんですとー!?」
雛苺「ヒナ、いつのまにジュンと真紅の赤ちゃんになっちゃったのよ!?」
ジュン「何を勝手なことしてやがる、この馬鹿! 結婚て!」
真紅「グダグダうるさいわね。ぶっちゃけ契約の指輪って、そういうことよ」
ジュン「だ、だったら翠星石との契約は!? 二人以上と契約したら重婚罪じゃあねーか!」
真紅「翠星石はいわゆる内縁の妻、愛人って扱いだから。重婚罪にはならないわ」
翠星石「いやいやいやいや、何を言い出すですか真紅」
ジュン「重婚罪でなくとも道徳的にアウトだろ」
真紅「そういうわけで二つ目までの条件はクリアできた」
ジュン「『そういうわけで』で片付けないで」
- 887 :名無しさん:2013/12/24(火) 20:06:07 ID:mrmmo0YU0
- 真紅「三つ目の条件、サンタ活動の実績。これは既にある(※)」
※ 真紅、サンタになる。 参照
翠星石「あれを実績にしちゃうんですか」
ジュン「参考書買っただけで受験勉強の実績にするようなもんだぞ」
雛苺「うぃ! しかも、確か二人目の鳥海皆人にインモウを渡したのよーっ!」
ジュン「いんもう?」
真紅「それを言うなら引導よ、雛苺。確かに、あれが遠因となって二人目の鳥海皆人は自滅した(※)
それは覆しようのない私の罪。その十字架を背負って私はこれからサンタロードを歩み続けねばならない」
※ 桜田ジュンの革新『愚者は二度死ぬ』 参照
ジュン「真紅…」
真紅「けれども、この心の痛みこそが私が生きている証。鳥海皆人の魂とともに私はサンタを目指す!」
翠星石「真紅、そこまであのトリモチ人間もとい、トリモチ人形のことを…」
ジュン「ちょっと待て。何か凄い悲劇を背負ったヒロインみたいな
雰囲気を出してるけど、勝手に真紅の野望に鳥海の遺志を組み込むなよ」
真紅「まあ、それはさておき」
ジュン「さておかないで」
- 888 :名無しさん:2013/12/24(火) 20:08:55 ID:mrmmo0YU0
- 真紅「ラスト四つめの条件、体重120kg以上が私にとっては最難関だったわ」
翠星石「ですよねぇ、翠星石達の体重はゼロ一個足りない12kgだって、あるかないかですもん」
真紅「そのため私は冬眠前の熊や内稽古の力士のようにひたすらご飯を食べては眠った」
雛苺「そう言えば、最近の真紅はいつ見ても食べてるか眠ってるかのどっちかだったの」
ジュン「ただ怠けて自堕落な生活を送っていただけじゃあねーか」
翠星石「馬鹿みたいに食事の時にお代わりを繰り返していたのも、そういう理由だったですか」
真紅「ええ、つめ込められるだけの食べ物を胃袋に放り込んで、必死に体重を増やそうとした。
けれども無理がたたって、食べ過ぎた分は毎日、深夜にこっそり便所で吐いたわ」
ジュン「朝、妙にトイレが酸っぱ臭かったのはテメェのせいか」
真紅「しかし、この四番目の条件、体重120kgというのは『衣装込み』での計算だということが
判明したので、特製サンタドレスに鉄板を縫いこむ手法によって解消できる」
ジュン「条件は最初からちゃんと細かいところまで確認しておけよ…」
真紅「こうして満を持して国際サンタ協会に書類審査申請をしたの!
そして、その書類審査の返事が届いたのが、つい今しがたというわけ」
雛苺「じゃあ、さっきまで郵便物を受け取りに出てたのよね真紅は」
翠星石「ガラにもなく緊張していたから元気がなかったのですか」
- 889 :名無しさん:2013/12/24(火) 20:10:15 ID:mrmmo0YU0
- 真紅「今から封を切って、中身を読むところよ。ジュン、はさみを頂戴」
ジュン「あいよ」ヒョイ
真紅「この真紅様ともあろう者が封筒を切る手が感動と期待で震えるわ」チョキチョキ
ジュン(あっ! よく見たら真紅の持つ封筒がやけに薄い!)
翠星石(封筒の厚さだけで不合格が分かるパターンですね)
真紅「どれどれ…? デンマークでの実地技能試験の日程でも書かれて…?」ゴソゴソ
雛苺「早く早くぅ! サンタ協会からのお返事には何て書いてあるの? 真紅ぅ」
真紅「ふふふ、そんなにガっつかないでよ…て、あ!」ピタッ
翠星石「お、真紅の動きが止まったですよ」
ジュン「サクラチルってか」
真紅「……」ぷるぷる
雛苺「ねぇねぇ、どうなの? 何て書いてあったの~?」
真紅「……」パサッ
雛苺「あ、お返事落としちゃったらダメなのよ真紅。ヒナが拾ってあげる」ササッ
- 890 :名無しさん:2013/12/24(火) 20:12:16 ID:mrmmo0YU0
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/ 寝言は寝て言え / / /
/ by サンタ協会 / / /
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雛苺「…こ、これは!?」
真紅「……」
翠星石「おおぅ、言うですねぇ奴らも」
ジュン「しかし、これが正しい反応だろうな。ナイス、サンタ協会」
真紅「……」ガックリ
翠星石「真紅もスッゲー落ちこんでいるみたいですぅ」
ジュン「真紅にはいい薬だ。これを機に、自分の振る舞いが第三者の目にどう映っているかってのを…」
真紅「…けない」ムクリ
ジュン「?」
雛苺「にゅ? 今、何て言ったのよ真紅?」
真紅「負けない! 真紅ちゃん負けない! たとえ協会に認められなくても
孤独のサンタクロースとして…! サンタ界のブラックジャックとして君臨してやるのだわだわ!」
翠星石「ぬうっ! タフなヤローです! 心が折れるどころか、逆境に燃えている感すらあるです!」
雛苺「真紅らしいの」
- 891 :名無しさん:2013/12/24(火) 20:14:03 ID:mrmmo0YU0
- 真紅「ふ、苦境と困難まみれだったアリスゲームを制覇した真紅様にとってサンタゲームごとき、屁でもないわ。
そうよ、協会相手に何の負い目があるだろう! サンタは皆のものよ、夢よ! 組織で独占していいわけがない」
ジュン「サンタ協会はサンタクロースを独占しているわけでは…」
真紅「今この時より、私はサンタ! 協会が認めずとも私がそれを認める! 我が信念と行動に一切の曇り無し!」
雛苺「何だかよく分からないけど真紅かっこいいのよ!」
ジュン「いや、よく分かると、かなりかっこ悪いぞ」
真紅「…というわけでジュン、今すぐトナカイとソリを用意して頂戴」
ジュン「は?」
真紅「トナカイとソリよ。サンタにはそれが必要だわ。二度は言わせないでね」
ジュン「んなもん用意できるわけないだろ」
真紅「なんですって!? それでもこの真紅の下僕なの? ジュン!?」
翠星石「日本じゃ動物園ぐらいにしかいねーですよ、トナカイは」
真紅「…以前に、動物園から逃げ出したトラを私が捕まえたことがあるじゃない。
そのツテで、あの動物園からトナカイの一頭や二頭、貸してくれないかしら?」
雛苺「それは流石にヒナでも無理だと思うの」
ジュン「そもそも真紅がトラを捕まえたんじゃなくて、トラに真紅が捕まったんだろ。それもマウントポジションで」
真紅「どっちでもいいわ、そんなこと」
ジュン「よくねぇよ」
- 892 :名無しさん
- :-:2013/12/25(水) 19:03:06
- SNKがいつも通りひどすぎた
お父様とアリス枠掻っ攫われた銀様泣いてんぞ
- :-:2013/12/25(水) 19:34:21
- タイトルで「知ってる」って思ったのは久しぶりだ
- :-:2013/12/25(水) 20:15:35
- なんて醜い真紅と雪だ・・・
- :-:2013/12/25(水) 21:02:50
- なにげに雛苺がジョゼフ、花京院ばりのハイスペック
- :-:2013/12/25(水) 21:16:50
- ここの真紅はアリスにもサンタにもなる資格ないなwwまあ本編もアリスになったの棚ぼだったけど・・・
- : :2013/12/25(水) 21:17:19
- 金糸雀の歌はアカハナかな?と思ったらいつものキンタマだった
- :-:2013/12/25(水) 22:07:02
- 暖色系の合体魔法が雪になるのが解せないが
ここの真紅は末妹と合体したのか思うくらい雪との親和性が高いよーな
- :-:2013/12/25(水) 23:08:19
- 最近雛苺調子いいね
てか真紅さん「ゲロったらクズ乙女」って…あなたもう何回ゲロってると思うんですか…(呆れ)
- :-:2013/12/25(水) 23:32:56
- だけどいつか気づくでしょう その背中には
ホワイトメリークリスマスの袋があること
もしも二人逢えたことに意味があるなら
聖夜はそう苦渋を知るためのドライヴ
人形はゲロをつむぎながら 雪景色をつくる
サンタなんてなれないまま 私は粋る
残念なサンタの底辺 川辺からやがて飛び堕つ
ほとばしる熱いゲロスで 固いデコ裏切るなら
この台車(ソリ)を抱いて川行く しょうもねぇ~よ沈没なれ