「金」と「おしっこ」を使ったユニークな水銀イオン検出法を開発 ―シンガポール
シンガポール Nanyang工科大学のChen准教授らは12日、金ナノ粒子と「尿」を使用した水銀イオンの新しい検出法を開発したと発表しました。本成果は「Small誌」に掲載されています。
水銀は、金属なのにも関わらず常温で流動性を持つという異質な金属で、乾電池、蛍光灯、体温計、血圧計など身近な製品に広く利用されています。しかし一方で、水銀は生体に対する毒性が非常に大きいことで有名です。
工場の廃液などに含まれていた有機水銀を原因とする「水俣病」は、日本の高度成長期の「負の遺産」と言えます。このような背景のなか、日本政府は水銀及び水銀を使用した製品の製造と輸出入を規制する国際条約「水俣条約」を提案、今年10月に採択されました。今後、環境中の水銀は厳しく規制・管理されることとなり、水銀の簡便な分析法が求められています。
これまでに、水銀イオンの分析法としてはガスクロマトグラフィーや原子吸光度計などの装置を使用する方法が知られていますが、これらの装置は非常に高価であり、現場での迅速な分析には不向きでした。最近では、物質・材料研究機構が今年2月に、赤外吸収分光装置という機器を使用した高感度分析の手法を開発・発表しています。
今回、シンガポールのChen准教授らの研究グループは、水銀の分析に金ナノ粒子と「尿」を使用するというユニークな分析方法を開発しました。
左側は金ナノ粒子のみ。右側は「尿」と水銀を添加したもの。赤色が青色に変色している。
上図左のように、金ナノ粒子を水に分散させた液体は赤色を帯びています。この液にヒトの尿を0.025%ほど添加しても色は変化しませんが、さらに水銀イオンを添加すると、上図右のように青く変色しました。
これは、尿中の尿酸とクリアチニンが金ナノ粒子上で水銀イオンと反応し、金ナノ粒子が凝集することによる発色であることが分りました。水銀でなく他の金属イオンを添加した場合には、このような変色が起こらないことから、本法は水銀の比色分析として利用できるとしています。ただ、感度がppm(百万分の1)オーダーであり、ppb(10億分の1)以上のレベルが求められる水銀の分析法としては、感度のさらなる向上が課題となりそうです。
この分析で使用する「尿」ですが、健康な人の尿であれば水銀を分析可能とのこと(実際に尿酸とクレアチニンの濃度を変えて実験しています)。著者らは「安価かつ迅速で、ポータブル(←自分の尿のこと)なため、工場排水などを調べる際に現場で分析可能である」としています。
それにしても本論文の表紙画像ですが、雑誌名と相まって絶妙でウィットに富んだものになっています。思わずニヤッとしてしまいますね。
ち・・小っちゃくないし!(涙
うわつまんね シモネタとかきしょいだけだ馬鹿
シャンパンゴールド!
クリスマスだけに。
スモォル!
スモォオオオオオル!!!