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モモタロス「時を超え…」杏子「アタシら…参上!!」【後半】|エレファント速報:SSまとめブログ

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モモタロス「時を超え…」杏子「アタシら…参上!!」【後半】

関連記事:モモタロス「時を超え…」杏子「アタシら…参上!!」【前半】






モモタロス「時を超え…」杏子「アタシら…参上!!」【後半】






495: ◆jPpg5.obl6:2013/11/24(日) 13:54:03.80 ID:+65Fd9S00

第5話 織莉子「何でここで5話?」キリカ「過去編だからさ!」
??「さぁ、お前の罪を数えろ!」デネブ「見知らぬ人、お茶でもどうぞ。」


<美国邸>

杏子たちがほむらを追って沢芽市に行っていた頃、魔法少女の契約を果たしたばかりの美国織莉子はある事で悩んでいた。

織莉子「救済の魔女…私たち魔法少女が束になっても敵わない相手とどう戦えば…」

QBと契約した彼女は未来の出来事を知る事が出来る予知能力を得た。

初めて魔法少女となった彼女が見た予知は、絶望の光景に包まれていた…

荒廃する見滝原の地、そこに現れるワルプルギスの夜。
そして桃色の魔法少女が現れワルプルギスの夜を颯爽と退治するが…
ワルプルギスの夜を退治すると同時に、その魔法少女は力を使い果たしソウルジェムはあっという間に濁り出現する
救済の魔女:クリームヒルトグレートヒェン。
そこで予知は終わっていた、その後の光景なんて想像するだけで鬱になるだろう。



496: ◆jPpg5.obl6:2013/11/24(日) 13:55:13.19 ID:+65Fd9S00

織莉子は考える、もしこの救済の魔女を倒せる可能性があるとしたらそれは…

織莉子「救済の魔女と化す前の魔法少女を殺しさえすればいい。
彼女はまだ魔法少女の契約すらしていないはず、殺すのは容易い…けど…」

織莉子は迷っていた、確かに大勢の人間を助けるためならたった一人の人間の命を
犠牲にするのは仕方の無い事ではないか…しかしそれが本当に正しいのか、それに…


ガッシャーン


そんな物思いに耽っていた彼女の家に石が投げ込まれた、その石には紙が包まれていてその内容は…


『この悪徳政治家の娘め!お前も地獄に堕ちろ!!』


…という内容であった、今彼女は迷っていた。
果たして自分をこんな目に合わせる人間たちを救う価値などあるのかと…

――――――



497: ◆jPpg5.obl6:2013/11/28(木) 00:46:18.88 ID:0Ojw111C0

そんな事を思い悩んでいた時、誰かが織莉子のそばに近付いてきた。

QB「やぁ美国織莉子、キミはまだ魔法少女としての活動を始めていないね。
キミが全然動かないからこうしてキミの動向を見に来たよ。」

織莉子「QB…」

織莉子が魔法少女としての活動をしない理由はある。
それは予知で未来を見た時に、救済の魔女の出現と同時に
魔法少女が魔女になるという重大なカラクリに気付いてしまったからだ。
もしこの先魔法少女としての使命を果たすのであれば…それは間違いなく…
同族殺し、そして…やがては自分も魔女となる運命になるはずだから…

QB「キミが何を考えているのかは僕にはわからない。
だが与えられた使命だけはしっかりと果してもらいたいな、それが契約なんだから。」

織莉子「えぇ、わかっているわ。この嘘吐き…」

立ち去るQBに皮肉を漏らす織莉子、その時であった。



498: ◆jPpg5.obl6:2013/11/28(木) 00:47:50.38 ID:0Ojw111C0

ピンポ~ン


その時、玄関のチャイムが鳴り響いた。
自分を訪ねる人間なんているはずがない、そう思い恐る恐るインターホンを見るとそこにいたのは
自分と同い年くらいの黒いショートヘアの一人の少女であった。

織莉子「誰…かしら?白女にあんな子はいなかったはずだけど?」

玄関までやって来るとそこに立つ少女は何やら緊張しているようで焦りながらもこう話した。

キリカ「あ…あの…私は呉キリカという者です、そ…その美国織莉子さんですよね?
わ…私は呉キリカという者で…あの…その…」

織莉子「え~と何を仰りたいのかしら?」

キリカ「だから…その…つまり…」

キリカが何か言おうとした、だが…



499: ◆jPpg5.obl6:2013/11/28(木) 00:48:31.30 ID:0Ojw111C0

ドッカーン



美国邸の庭にやたらと響く音がした、二人は気になってその場に行ってみるとそこにあったのは…

デネブ(ここはどこだ?助けてくれ~!)

テディ(すまない、我々は動けないのだ!?)

そこにあったのはデネビックバスター、それにマチューテディの状態のまま動けないでいるデネブとテディの姿があった。

織莉子はテディを、キリカがデネブを持つと彼らはここぞとばかり礼を言ってきた。

デネブ(ありがとう!二人のおかげで助かった、礼を言う!)

テディ(すまない、我々は本来の姿に戻れないのだ…どうか元の世界に還れる手段を
見つけ出すまで傍に居させてくれ!)

突然の申し出に対して織莉子とキリカは驚くがそんな事を気にしている場合ではなかった。



500: ◆jPpg5.obl6:2013/11/28(木) 00:49:34.91 ID:0Ojw111C0

住人A「おい、今の衝撃は何だったんだ?」

住人B「あの美国の家からだぞ!」

なんと先ほどのデネブたちの轟音を聞きつけて美国邸に近所の住民たちが押し掛けてきたのだ。

キリカ「何だこいつら?」

織莉子「彼らは…近所の人たちよ…あなたたち早く逃げなさい!」

織莉子はそう言うとキリカにデネブたちを押し付けて家から出そうとする。
そこへ近所の住人達が織莉子の下へと押し掛けてきた。

住人A「今の音だがアンタのところから聞こえてきたぞ!どういう事だ!?」

住人B「この悪徳政治家の娘が!やはり悪人の子は悪人だな!」

住人C「まったく…いい加減にしてくれ!
アンタら美国の家の所為で近隣の我々まで悪人扱いされるかもしれないんだぞ!?」



501: ◆jPpg5.obl6:2013/11/28(木) 00:50:36.72 ID:0Ojw111C0

そこへある二人の男の影があった。
一人は帽子を被りまるで探偵のような風貌の青年。
もう一人は長袖のボーダーにノースリロングパーカーの少年が美国邸へと近付いていた。

??「ここが美国さんの屋敷か。」

??「あぁ、それにしても酷い有様だね。壁のいたるところに落書きの跡がある。」

二人の男たちが美国邸の状況を嘆いている間に手前勝手な理由で織莉子を責め立てる近隣の住人達、
その光景を見たキリカがキレた!

キリカ「ねえアンタたち、さっきから子供相手に大人気ないな!
その子が何か悪い事をしたわけじゃないだろ?」

確かに織莉子自身に非がある訳ではなかった、だが…



502: ◆jPpg5.obl6:2013/11/28(木) 00:53:22.49 ID:0Ojw111C0

住人D「何も知らないガキは引っ込んでろ!
こいつはな…この前首吊り自殺をした汚職議員美国久臣の娘なんだよ!!」

織莉子「…」

美国久臣、彼は織莉子の父親であり幼い頃に母親を亡くした織莉子にとっては唯一の肉親であった。
そんなたった二人の親子に何があったのかというと…
遡る事数週間前、織莉子が自宅に帰宅すると父親が首を吊っている光景を目撃してしまった。
それからすぐに蘇生措置が施されたがその甲斐虚しく、父親は死亡。
その後どこからかの情報で明るみとなった父親が行ったとされる様々な不正疑惑、その行いが世の人々の反感を買い…
彼女は悲劇の娘ではなく悪徳政治家の娘として扱われていた。
これまで親しく付き合ってきた学校の友人、それに知り合い等の関係者すべてが掌を返したが如く彼女を煙たがった。

織莉子「だから私には関わらないで、あなたまで巻き込まれるわよ…」

キリカに忠告を促す織莉子、しかしそんな忠告を聞き入れるようなキリカではなかった。



503: ◆jPpg5.obl6:2013/11/28(木) 00:54:09.37 ID:0Ojw111C0

キリカ「それってつまり織莉子の父親が悪い訳で…織莉子自身が悪い訳じゃないよね?
それなのにキミたちはこんな幼気で可憐な彼女を寄って集ってイジメているわけかい?
それってみっともないよね?」

住人E「この…余所者のガキが黙っていろ!」

織莉子「危ない!?」

デネブ(くぅっ!こんな状態でなければ…)

テディ(守ってあげられるのに!)

キリカは住人達の反発を買ってしまい殴られそうになってしまう。

??「こいつは放っておけねえな、待ちな!」

そこへ先ほどの探偵の風貌をした青年がキリカを助けようと近付くが…



504: ◆jPpg5.obl6:2013/11/28(木) 00:55:02.19 ID:0Ojw111C0

ガシッ


???「いい加減にしなさい、あなたたち!」

織莉子「え?」

キリカ「だ…誰?」

殴られそうになるキリカをある男が守ったのだ、だが守ったのは先ほどの青年ではなかった。

凰蓮「ワテクシは凰蓮・ピエール・アルフォンゾ、どんな理由かは存じませんが…
大の男が寄って集ってレディに暴力を振るうのは…許しませんわ!!」


ドカッ バキッ ボカッ


住人’s「チクショウ!覚えてやがれ!!」


凰蓮「adieu、ダサ男くんたち♪」

先ほどまで集まっていた住人たちはいっせいにいなくなってしまい、
その場に残ったのは織莉子とキリカ、それに凰蓮と青年たちだけだった。



505: ◆jPpg5.obl6:2013/11/28(木) 00:56:43.27 ID:0Ojw111C0

凰蓮「織莉子大丈夫だった?怪我は無い?」

織莉子「えぇ、どうもありがとうございますパティシエ。」

キリカ「パティシエ?このおじさんケーキ屋の店長なの?」

キリカを助けたのは洋菓子店「シャルモン」の店長凰蓮・ピエール・アルフォンゾ(本名は凰蓮厳之介)
スキンヘッドの頭に厳つい肉体で一見パティシエには見えないのだがそれもそのはず。
彼は以前傭兵部隊に所属していたのだから。
ちなみに織莉子はシャルモンの常連で個人的に彼と付き合いがあった。

凰蓮「ちょっと…小娘?アンタさっきワテクシの事を何と呼びましたの?」

キリカ「何って…店長って…」

凰蓮「店長ではない、パティシエよ!!」

キリカ「ハ…ハイ…パティシエ…」

デネブ(うぅ…キャラの濃そうな人だ…)

テディ(我々の影がドンドン薄くなる…)

??「なんじゃこりゃー!?ここは普通俺が活躍する場面だろ!!」

??「キミは相変わらずハーフボイルドだからね。」



506: ◆jPpg5.obl6:2013/11/28(木) 00:58:19.12 ID:0Ojw111C0

そんなやり取りの最中、織莉子の事を心配してくれる人間がやってきた。

町内会長「織莉子ちゃん大丈夫だったかい?」

織莉子「町内会長さん!」

織莉子の事を心配して駆けつけた近所の町内会長が織莉子の事を労わった。
彼は昔から美国の家と深い関係があり、織莉子の父の自殺後もこの近隣で唯一織莉子と関わりを持ってくれていた人物でもある。

町内会長「まったくあいつらめ、加減というものを知らんのか!」

織莉子「仕方ありません…父はそれだけの事をしてしまったのだから…」



507: ◆jPpg5.obl6:2013/11/28(木) 01:00:51.78 ID:0Ojw111C0

そんな織莉子の前にようやく二人の男たちが自己紹介をしようと歩み寄ってきた。

??「え~とあんたが美国織莉子さんかい?
さっきは俺が颯爽と助けに行きたかったんだがそこのオカマのおっさんに邪魔されてな。」

凰蓮「誰がオカマのおっさんよ!パティシエ、もしくはレディとお呼び!このダサ男!」

??「いやどう見てもおっさんだろ!ていうか誰がダサ男だ!?こんなに活かした格好してるだろうが!?」

凰蓮「フン、どう見てもアンタ形から入るタイプでしょ!アンタから半人前臭がプンプン臭って不快なのよ!!」

フィリップ「当たらずも遠からず、意外と的を得た意見だ。
さてそんな事はさて置いて織莉子さん、僕はフィリップ、それとこっちは左翔太郎、二人とも風都という街の探偵だ。
僕た