竹取の翁「ほう、光る竹か・・・面白い・・・ッッ!」
- 2013年12月30日 19:10
- SS、神話・民話・不思議な話
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- 1 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/12/08(土) 16:15:31 ID:P.R83WQM
- 今は昔、ある村に竹取の翁という者がいました
その翁は山に入っては竹を切り、その竹でいろいろな物を造り、生計をたてていました
そんなある日のこと・・・
翁「ふんッッ!!」ミキョッ
翁「ちぇりゃあッッ!!」ボヒュッ
翁「ふう。どうやら今日中にはこの山の竹も刈り尽くせそうじゃのぅ」
翁「じゃが、帝様に頼まれておった1/1スケールの竹編みの東京タワーを造るにはまだ足りんわい」
ピカーッ
翁「ん?」
竹取の翁は光る竹を見つけました
翁「ほう、光る竹か・・・面白い・・・ッッ!」 - 3 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/12/08(土) 16:25:14 ID:P.R83WQM
- 翁「じゃが所詮光る竹でも竹は竹。ただ珍しいだけじゃ」
翁「今は一本でも多く竹が欲しいのでなッッ!」
翁「このわしの『斧』に切れぬ竹など無いわ!!」サッ
竹取の翁はそう言い、おもむろに手刀を掲げると
翁「邪ッッ!!」ヒンッ
光る竹に振り下ろしました
ガッ
翁「!?!?」
しかし、竹取の翁の手刀は、竹に僅かなる切れ目をつけただけでした
翁「どういうことじゃ・・・?確かに竹は切れている」
翁「しかし、何かわしの斧を通さないものがあるようじゃ・・・」 - 4 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/12/08(土) 16:34:52 ID:P.R83WQM
- 不思議に思った竹取の翁は竹をわしづかむと
ミシミシッ
翁「ぬはッッ!」メキャァァ
光るところを残し、引きちぎってしまいました
すると、そこには三寸ほどの可愛らしい少女が座っていたのです
少女「・・・」コオォォォ・・・
翁「よもや・・・この少女がわしの斧を止めたのか・・・?」
竹取の翁は驚愕しました
少女「もしかして、その斧とは先程の?」
翁「あ、ああ。そうじゃ」
少女「そうですか・・・言われなければ気づきませんでした」
翁「~~~~ッッ!?」 - 6 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/12/08(土) 16:49:46 ID:P.R83WQM
- 翁(なんじゃこやつは・・・!!ノーガードでわしの斧を受けてあっけらかんとしておるッッ・・・!!)
少女「それはそうと、丁度竹から出ようと思っていたのです。出していただいてありがとうございます」
あれ程強く斧を打ち込んだにも関わらず、礼を言う少女にはキズ一つついていません
翁「ッ!・・・なるほど。それでお主、これからどうするつもりじゃ?」
少女「竹の中での瞑想も飽きましたので、熊でも狩って稽古しようかと」
翁「その背丈でかの!?」
少女「何か問題でもあるのでしょうか?」
翁も驚くのもそのはず
この辺りには体調5m程の熊などザラだからです
翁「お主、余程の強者じゃな・・・」
翁「ここであったも何かの縁。もてなしてさしあげよう」
少女「そうですか。ではお言葉に甘えて・・・」 - 7 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/12/08(土) 17:02:43 ID:P.R83WQM
- それからというもの、少女に身寄りが無いということで竹取の翁は大事に少女を育てました
少女はすくすくと育ち、3ヶ月程で一人前の大きさに成長しました
少女はかぐや姫と名付けられ、清らかで美しく、また、誰よりも強くなりました
皆はそんなかぐや姫を見て
農民「なんと強く美しいお方だろう・・・後光もさしてらっしゃる・・・ありがたや・・・」
商人「目を合わせるとなぜか土下座しちゃうんだ。何だろうねあの感覚」
貴族「是非とも娶りたいものだ・・・」
と、その強さと美しさに惚れる者は後を絶ちません
そしておばあさんが1/1スケールの竹編みの東京タワー・・・いえ、スカイツリーを建造したころ
帝がかぐや姫の噂を聞き付け、竹取の翁の住まいに訪れました - 8 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/12/08(土) 17:14:00 ID:P.R83WQM
- 訪れた帝は竹取の翁の住まいに入り、奥を見ると
かぐや姫「・・・」コオォォォ・・・
全身からオーラを迸らせ、美しく座っているかぐや姫を見つけました
かぐや姫「・・・!」
かぐや姫は帝に気づくや否や奥に逃げて入ろうとしましたが
ガシッ
かぐや姫「なっ・・・!」
帝「おや・・・何処へいきなさるのでしょうか?」
100mはあろうかという距離を一瞬で詰め、帝はかぐや姫の袖を掴みました - 11 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/12/08(土) 18:02:35 ID:P.R83WQM
- かぐや姫「・・・放してくださいまし」グググ
帝「貴女がかぐや姫というお方ですね」
かぐや姫は振りほどこうとしましたが、帝はびくともしません
かぐや姫「どうか・・・」グググ
帝「聞きしに勝る美貌をお持ちですね・・・」
帝「宜しければ私の元に来ていただけませんか?」ニコッ
かぐや姫「~~~~ッッ!?」
唐突に縁談を持ち込む帝に、かぐや姫は生まれて初めて恐怖を抱きました
かぐや姫「ッ!できません・・・!」
帝「おや、どうしてでしょう」ニコニコ
バッ
かぐや姫「・・・」
帝「・・・」ニコニコ - 12 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/12/08(土) 18:11:21 ID:P.R83WQM
- かぐや姫「仮に私がこの国に生まれていたらそうしていたかもしれませんが・・・」
かぐや姫「何と言われようと出来ないものは出来ないのでございます」
かぐや姫「ご理解くださいませ・・・」
サッ
そういうと、かぐや姫は奥に行ってしまいました
それを見た帝は大いに落胆し
帝「・・・そうですか」
帝「まだ私に至らない所があるのやもしれません」
帝「今日のところは引き下がりますが」
帝「次は貴女様を・・・貰い受けて見せましょう・・・」ニタァ
不敵な笑みを残すと
竹編みのスカイツリーを担いで帰って行きました
巨大な金塊を残して・・・ - 14 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/12/08(土) 18:31:58 ID:P.R83WQM
- その後、帝の他にも、どうしてもかぐや姫を娶りたいという屈強な漢が5人現れました
彼等は名前を、石作皇子・車持皇子・阿部御主人・大伴御行・石上麻呂と言いました
彼等は金も権力もありましたし、かぐや姫にしつこく迫ってきます
しかし、帝の強さを目の当たりにしたかぐや姫には、最早ゴミにしか見えません
決闘のお誘いも断ったかぐや姫は、5人に無理難題を押し付けました
かぐや姫「どうしても私と決闘したければ・・・まずは石作皇子様」
石作皇子「なんでございましょうか」
かぐや姫「あなたは天竺まで出向き、仏から『仏の御石の鉢』を勝ち取ってきてください」
石作皇子「ッッ!?ばかなッッ!?」
かぐや姫「車持皇子様・・・あなたは、蓬莱山まで出向き、『蓬莱の玉の枝』をいただいて来てください」
かぐや姫「ただし・・・あの山には番をする大蜂がいますから、気をつけてくださいまし」
車持皇子「~~~~ッッ!?」 - 15 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/12/08(土) 18:45:44 ID:P.R83WQM
- かぐや姫「阿部御主人様・・・」
かぐや姫「あなたは火山エリアまで出向き、アカムトルムを回復縛りで討伐し、皮を剥いできてくださいまし」
阿部御主人「廃人のぼくなら当たり前だのクラッカー」
かぐや姫「大伴御行様は、龍を召喚できる幻の宝玉を」
大伴御行「なんだそりゃ!?オラわくわくすっぞ!!」
かぐや姫「石上麻呂様はラ・ギアスへおもむき、グランゾンを破壊してくださいまし」
石上麻呂「子安・・・ふむ、なるほど・・・」
こうして5人はかぐや姫を言われた通りの依頼を果たすべく、出立しました - 24 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/12/08(土) 23:11:49 ID:P.R83WQM
- <石作皇子編>
石作皇子「天竺に着いた、だが・・・」
石作皇子「仏に勝てるわけがないだろう・・・ッ!」
石作皇子は仏を見る前に既に戦意喪失していました
軍師「兵の配置が済んだようです」
石作皇子「そうか・・・では、いよいよ呼んでみるか」
石作皇子「これだけの兵が居ればいくら仏とて・・・!」
石作皇子「射手、構えぃ!」
ギリリリッ・・・
石作皇子「さぁ、来るなら来てみろッッ!仏ッッ!」
石作皇子がそう吠えたその時です
ピッシャアアァァァン!
バタバタバタ
石作皇子「~~~~ッッ!?」 - 25 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/12/08(土) 23:20:34 ID:P.R83WQM
- 目も眩むような稲光が石作皇子の陣営に落ちました
どうやら立てる兵士は一人もいないようです
石作皇子「そ、そんな・・・ばかなッッ・・・!!」ガクガク
?「天誅です」サァッ
石作皇子「!?」
焼け野原に何者かが降り立ちます
?「貴殿は私と決闘なさりに来たのでございましょう?」
?「この、『仏の御石の鉢』を手に入れなさるために」
石作皇子「それはまことの・・・ということは・・・ッッ!」
仏「ええ。私は皆に仏と呼ばれております」
石作皇子「・・・」 - 27 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/12/08(土) 23:31:47 ID:P.R83WQM
- 仏「それにしても、この方達はどうしたのでございましょう。矢など番えて」
仏「まるで私と貴殿の決闘に水を差そうとしているかの様でございました」
石作皇子「・・・皆殺しにしたのか?」
仏「いえいえ、滅相もございません」
仏「一日足腰を立たなくしてあげただけでございます」
仏「この方々に業はございませんから・・・」
仏「・・・さて、そろそろどうですか?」
石作皇子「・・・ッッ!」
仏「お先によろしいですよ?」
仏「これが私の、最後の情けでございます」ニコッ
石作皇子「くっ・・・こんな、天変地異を味方につけるような奴に、俺は・・・」
石作皇子「俺は・・・挑まなければならないのかああああッッ!!!」ダッ
ドゴオッ - 28 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/12/08(土) 23:44:19 ID:P.R83WQM
- <車持皇子編>
一方、車持皇子は蓬莱山にたどり着いていました
車持皇子「大蜂か・・・」
車持皇子「昔はスズメバチを捕まえては羽をもぎ取り、捕まえては羽をもぎ取りしてよく遊んだものだ」
車持皇子「その時の蜂は大きくて精々我の親指ほど」
車持皇子「しかしここは神聖なる山。どんな化け物蜂が出てくるのだろうなァ・・・」ニタァ-
車持皇子はずんずん奥へ進んで行きました
するとそこには・・・
車持皇子「ほう、これが『蓬莱の玉の枝』か」
ボキッ
車持皇子は難無く蓬莱の玉の枝を手に入れることができました
しかし
ガサッ
車持皇子「ん?」 - 29 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/12/08(土) 23:55:44 ID:P.R83WQM
- 大蜂「ギギギ」ガサッ
大蜂「ゲゲゲ」ギロッ
なんと、蓬莱の玉の木周辺は、蜂の子一匹もらさぬ大蜂共の壁に囲まれていました
車持皇子「囲まれたか・・・」ギロッ
大蜂「・・・」ジリッ
車持皇子「・・・カッカッカ!実に愉快だ!」
ジャキンッ
車持皇子「虫けらの分際で大した知恵ではないか!」
車持皇子「そこまで本気で来られては致し方あるまい」
車持皇子「我が刀にその身切り裂かれるまで、本気でかかってくるがいい・・・」
ブゥーン
車持皇子「!!」 - 30 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/12/09(日) 00:00:35 ID:yVBuvwVc
- 女王大蜂「・・・」ブゥーン
車持皇子「・・・なるほど」
車持皇子「貴様はそこで高見の見物を決め込むか」
女王大蜂「・・・」ブゥーン
車持皇子「そこで見ているがいい。貴様の子供が叩き切られる様を・コメント一覧
-
- 2013年12月30日 19:21
- スレタイせいで翁CVが池田秀一になってしまった
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- 2013年12月30日 19:23
- 懐かしいな
-
- 2013年12月30日 19:34
- なんだこれwwwwwwwwww
なんだこれ(驚愕)
-
- 2013年12月30日 19:34
- 唐突すぎるグランゾンwwwwwww
-
- 2013年12月30日 19:40
- なんともマッシヴな昔話じゃのおw
-
- 2013年12月30日 19:59
- ハッピーエンドだし、いいんだろう
多分
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- 2013年12月30日 20:13
- 女神様かわいい
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- 2013年12月30日 20:23
- 安定の神話カテゴリー
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- 2013年12月30日 20:23
- 思い付きを繋げただけって感じだな…
面白くなくはないんだが
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- 2013年12月30日 21:01
- センター試験も近いし勉強になるなぁ
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- 2013年12月30日 21:07
- 完全に刃牙だこれ
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- 2013年12月30日 21:19
- なんと武闘派なかぐや姫なんだ…
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- 2013年12月30日 21:43
- 他の昔話もバトル脳だらけバージョンで読んでみたいな
と思ったが、元はバトル要素が無くてかつ登場人物が多い有名な昔話って案外少ないかも知れん
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- 2013年12月30日 21:48
- 女神ぽんこつ可愛い
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- 2013年12月30日 21:54
- 唐突のグランゾンに草不可避wwww
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- 2013年12月30日 21:58
- この女神どっかで見たような…?
なんとなくシンデレラのやつを思い出した
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- 2013年12月30日 22:05
- >>44
この盗賊はこの後調子に乗って爆死した後宇宙人に彼女NTRされるんだろうなwww
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- 2013年12月30日 22:16
- すげー面白かった
-
- 2013年12月30日 22:47
- これが教科書には載らない原文ママなのか…
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- 2013年12月30日 22:57
- かぐや姫「石上麻呂様はラ・ギアスへおもむき、グランゾンを破壊してくださいまし」
石上麻呂「子安・・・ふむ、なるほど・・・」
唐突過ぎて見た瞬間ふいたわw
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- 2013年12月30日 22:59
- これ月光条例執行されるレベルだなw
まああっちはもっとひどいかぐや姫になってるが
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- 2013年12月30日 23:01
- こういうの大好きwww
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- 2013年12月30日 23:34
- 日本最古のライトノベルだな
-
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