桜田ジュンの忘年『お父様は正義』
- 913 :名無しさん:2013/12/31(火) 03:00:12 ID:ciIMjWVU0
- §薔薇屋敷の一室
翠星石「♪へ~るぷっ! ♪あにゃ~にゃ~にゃ~にゃ~っ! ♪へぇぇるぅ~ぷ~っ」パタパタ
蒼星石「…翠星石、ちゃんと綺麗に埃をはたいてる?
ビートルズのヘルプを適当に歌いながらやってるみたいだけど」
翠星石「ったりめぇですぅ。これはJASRAC対策で歌詞を濁しているだけですよ。
歌詞は適当でも、掃除はきっちりやってるです、この翠星石は」
蒼星石「ふーん」ツツー
翠星石「むっ!? 窓枠を小指でツツーっと1?」
蒼星石「まだ汚れてる。やり直し」フッ
翠星石「い、いやいやいや! そこはまだハタキでやってないところでして…」
蒼星石「あ、そう。とにかくダラダラしてないで急いでよね。部屋はここだけじゃないんだから」
翠星石「ぬぬぬっ! と、言うかですねぇ、何で翠星石達が薔薇屋敷の大掃除に駆り出されなくちゃならんのですぅ?」
蒼星石「……」
翠星石「おじじには金もあるんですから、メイドを臨時に大量に雇うなりハウスクリーニングを頼むなり…」
蒼星石「翠星石、大掃除ってのは単なる掃除じゃあない。一年間、住んだ家に対して
誠意を込めて感謝することであり、また来年からもヨロシクと伝える崇高な儀式でもある」
翠星石「わわわ、分かってるです! ただ、ちょっと面倒くさくなって…つい!」
蒼星石「面倒くさくぅ~っ!?」
翠星石「いやいやいやいやいや、今のは何と言うか、言葉の綾と言うですか…」
蒼星石「まあ、そういうことにしておこうか。じゃ、僕は真紅と雛苺の様子を見てくるから」ガチャッ
翠星石「ご、ごゆっくりですぅ~」
- 917 :名無しさん:2013/12/31(火) 03:04:00 ID:ciIMjWVU0
- 翠星石「ふぅ~、これでまた蒼星石が見回りに来るまでダラダラできるですぅ。
こんなクソ広い屋敷の掃除を数人でやっちまおうってのは正気の沙汰じゃあねーですよ」ゴロン
蒼星石「…サボるのは勝手だけど、終わらなかったら来年に突入してでもやるからね」ガチャッ
翠星石「うひゃあっ!? 蒼星石!? 見回りに行ったはずじゃあ…?」ガバッ
蒼星石「言い忘れていたことがあったから戻ってきたんだけど…君って人は本当に…」
翠星石「いやいやいやいや、今のはアレですよ! ほら、床をこうしてキュッキュッと」
蒼星石「……」
翠星石「ふぅ~、こうして四つん這いで力を入れないと汚れは取れないですからね~」キュッキュ
蒼星石「ちゃんと大掃除が終わったら、楽しい忘年会に行けるんだから頑張ってよ?」
翠星石「はいですぅ~…」
- 918 :名無しさん:2013/12/31(火) 03:05:30 ID:ciIMjWVU0
- §薔薇屋敷の別の一室
蒼星石「…真紅~? ちゃんと掃除しているかい~」ガチャッ
真紅「ふぅっ! はぁ…!」シュッシュッ
蒼星石「感心、感心。きっちりブラインドを一枚一枚ずつ拭いてくれているね」
真紅「このブラインド拭き、とんでもない苦行だわ。続けている内に悟りが啓けそう」シュッシュッ
蒼星石「僕もそれをやっている内に、翠星石とアリスゲームでの方針を訣別することに決めたんだ」
ジュン「マジかよ」サッサッ
蒼星石「あ、ジュン君も悪いね。桜田家の三馬鹿(翠星石と真紅と雛苺)だけ
貸してもらえればそれでよかったんだけど、ジュン君まで率先して掃除の手伝いに来てくれて」
ジュン「僕も結菱さんにはお世話になってるしな。それに監視役がいないとこいつらも2秒でサボりだす。
今、蒼星石が翠星石の様子を見に行っていたけど、やっぱりサボってただろ?」
蒼星石「うん。入念に釘を刺してきた。ところで雛苺は…?」
ジュン「雛苺なら、ほらあっちの隅で」
蒼星石「?」
雛苺「……」ゴシゴシゴシゴシ
蒼星石「あ、随分と熱心かつ真面目に掃除してくれてる」
ジュン「それはいいんだけど…」
- 919 :名無しさん:2013/12/31(火) 03:06:52 ID:ciIMjWVU0
- 雛苺「……」ゴシゴシゴシゴシ
蒼星石「頑張ってるね雛苺。そこまでしてくれるなんて、このお家も喜んで…」
雛苺「話しかけないでなのよ蒼星石! 手元が狂うの!」ゴシゴシ
蒼星石「え、あ…ゴメン」
ジュン「見てのとおりだ。完全に雛苺はメラミンスポンジの虜になってしまっている」
蒼星石「そ、そうだったんだ」
雛苺「うにゅにゅ、まだ微妙に汚れが残っているの!」ゴシゴシ
ジュン「そしてさっきからず~っと同じところばかり擦っている」
蒼星石「うーん…」
ジュン「本人は至極真面目なだけに、なかなか注意しづらくてな」
蒼星石「翠星石のようにサボられるのも困るけど、雛苺は雛苺でコレもちょっと困るね」
真紅「いいのです。掃除とは自らの魂も磨き清める行為。限界を越えてこそ見つかる真理があるのです」
蒼星石「し、真紅!?」
真紅「受け入れるのです。全ては掃除の神様、仏様、お父様が私達に課した修行…」ペカー
蒼星石「な、何だか真紅が後光を背負って、すごい面倒くさそうなキャラに変わっている?」
ジュン「ブラインド拭きで精神が崩壊したようだな」
真紅「いいえ、これは崩壊ではありません。崩壊という名の再生なのです」
ジュン「意味が全然分からん」
- 920 :名無しさん:2013/12/31(火) 03:08:07 ID:ciIMjWVU0
- §そんなこんなで数時間後
翠星石「くっあー! 本当にもう、ザケんなですよ。体中、バッキバキに疲れたですぅ」
真紅「良いのです。この苦痛こそが生あることの証。未来への糧」
雛苺「ヒナはまだ、ちゃんと、あの床を綺麗にできていないのよー!!」
オディール「なんだかんだで皆さん大掃除を完遂してくれてメルシーです!」
一葉「うむ。フォッセー君もありがとう。いつもいつも助かっているよ」
オディール「とんでもないでス。私こそ住み込みメイドとして
雇っていただいているお陰で路頭にワンダリングしなくて済んでいます」
二葉「幽霊の僕的にはあんまり綺麗にされると落ち着かないんだけどなー。蜘蛛の巣はってるぐらいが丁度いい」
ジュン「そこは我慢しましょうよ二葉さん」
蒼星石「それはそうと翠星石、真紅、雛苺。ちゃんと屋敷への感謝も終えたかい?」
翠星石「は? 感謝…ですか? そりゃまあ、それなりに」
蒼星石「それなりにぃ~? 君達はもっと真摯に掃除しなければならなかったはず…!」
翠星石「ちょちょちょ、ちょっと蒼星石! そんなに怒ってばかりはやめてくれですよ!」
雛苺「うぃ! ヒナ達が何をしたって言うの~?」
- 921 :名無しさん:2013/12/31(火) 03:12:52 ID:ciIMjWVU0
- 蒼星石「チクチク言うのも意地が悪いから止めておこうかと思っていたが…仕方ない。
今年は年の初めからして、お年玉とお年寄りの玉を勘違いして屋敷に押し掛けたよね(※1)」
翠星石「え~、そうだったっけですぅ?」
蒼星石「バレンタインに薔薇屋敷の庭でやっていた
チョコフォンデュのパーティーにも明確な悪意を持って乱入してきた(※2)」
雛苺「よく覚えてないの」
蒼星石「挙句の果てにはハロウィンには閉じた門を破壊してまで敷地内になだれ込んだ(※3)」
真紅「良いのです。それもこれも全て、闘争の果てに得る物にこそダイヤモンドの輝きが…」
※1 狙われた結菱一葉
※2 バレンタインは薔薇乙女の敵
※3 金糸雀と薔薇屋敷のハロウィン攻防戦
- 922 :名無しさん:2013/12/31(火) 03:14:08 ID:ciIMjWVU0
- 蒼星石「他にも細かいことをあげ始めればキリがない」
翠星石「まぁまぁ、そう過ぎたことを気にするなですぅ。それより忘年会の用意ができてるんですよねぇ?
楽しく皆で飲んで食べて、嫌なことは全部忘れちまおうぜ、です!」
一葉「それもそうだな。あまり細かいことを気にしすぎると体に毒だぞ、蒼星石」
蒼星石「マ、マスターまで…」
二葉「ところで忘年会ってどこでやるのさ? 居酒屋に予約でも入れてるの?」
蒼星石「nのフィールドの深海居酒屋『竜宮城』です」
- 923 :名無しさん:2013/12/31(火) 03:17:51 ID:ciIMjWVU0
- §nフィー記憶の深海居酒屋『竜宮城』
店員「いらっしゃいませー」
蒼星石「結菱四葉(※)の名前で予約していたんですが…」
※蒼星石が特に理由なく使う偽名
店員「伺っております。どうぞどうぞ、奥のお座敷席へ~」
蒼星石「どうも。僕達より先に、同じ予約で来た人はいますか?」
店員「いえ、まだお座敷には誰も」
蒼星石「そうですか、ありがとうございます」
- 924 :名無しさん:2013/12/31(火) 03:20:25 ID:ciIMjWVU0
- §竜宮城・奥座敷
二葉「僕達だけじゃあないのかい? 忘年会の参加者は?」
一葉「ああ、薔薇乙女関係者に対しては全て連絡をしている」
翠星石「待っているだけってのも退屈ですし、適当に始めちゃおうぜですぅ」
真紅「そうね。既に予定していた開始時間にはなっている。遅れる方が悪いのよ」
雛苺「あ、真紅のキャラが元に戻っているの」
ジュン「短かったな、悟りの期間」
オディール「のりさん、どうぞどうぞ! 奥の席へ」
のり「あらあら、ありがとうございます。オディールさん」
蒼星石「このお店も他の部屋は忘年会だらけで一杯だし、注文は早めにしておいた方がいいだろう。
とりあえず生(ナマ)頼む人~?(※)」
全員『は~い』
※ここで言う生とは生茶のこと
- 925 :名無しさん:2013/12/31(火) 03:22:04 ID:ciIMjWVU0
- ジュン「nフィーの居酒屋だって言うから、ちょっと警戒していたが意外と普通だな。料理も美味しい」
翠星石「軟骨が美味ぇんですぅ! 軟骨がーっ!」バクバク
二葉「なんで居酒屋の鳥の軟骨の唐揚げってこんなに美味しいんだろうねえ」ムシャムシャ
オディール「素晴らしいグゥでーす! 和食が世界遺産になるのも納得でス!」
のり「いや、これって和食って言っていいのかしら?」
ジュン「間違ってはないと思うけどな…」
真紅「マグロ丼も居酒屋にしてはなかなか美味しいわ」パクパク
雛苺「あーっ! 真紅ずるいのー! 一人だけご飯ものを食べてるのよ!」
ジュン「お前、いつの間に勝手に注文を…」
真紅「いいじゃない。とりあえずお米を食べないと調子でないのよ、私」
ジュン「お前なぁ、忘年会ってのは、こう、みんなで少しずつ摘まめる物を…」
蒼星石「あ、ごめん。僕もさっきお茶漬け頼んじゃった」
ジュン「そ、蒼星石? お前まで…」
- 926 :名無しさん:2013/12/31(火) 03:24:57 ID:ciIMjWVU0
- みつ「ごめーん! 遅れちゃったー!」ガラッ
金糸雀「うっかり大掃除中に見つけた古い漫画を読みふけってしまったかしら」
一葉「いや、こちらも先に始めさせてもらっているので問題ない、草笛君」
蒼星石「そうそう、まだ来てない人も多いし」モグモグ
みつ「あ、あれ? 始まったばかりなのに、もう蒼星石君はお茶漬け食べてるの?」
のり「みんな好きなもの頼もうって流れになってしまったので…」
金糸雀「そ、そう」
雛苺「うぃ! ヒナもパフェのタワーをさっき頼んだのよ! カナ
- :-:2013/12/31(火) 17:51:33
- 竜宮城って前に金糸雀が連れていかれたぼったくり店じゃなかったか?
唐揚げにレモンは前にもやらかしたろうに…
ローゼンはローゼンでグルグルネタだしどうしようもなさすぎる
- :-:2013/12/31(火) 19:04:52
- お父様と オットセイが 掛け詞なら ジョジョネタ カイジネタは 本歌取りだな。
雅なことよ
- :-:2013/12/31(火) 20:15:23
- ごぼうのロココ調の右はアバッキオ、スマフォじゃなくてスマホ、忘年会のloveマシーン…
今回も小ネタが多いな!いい年末を過ごせたぜ!
- :-:2013/12/31(火) 21:20:03
- メンバー全員揃ったか?のところのジュン・・・寂しそう?
この世界線では鳥海しれっと復活しても構わんのよ?(涙
- :-:2013/12/31(火) 21:34:00
- お父様はガンマ団の総帥だったのか
あと、もんじゃはやめろw
- :-:2013/12/31(火) 22:35:36
- ゲロキャラ筆頭は真紅ちゃんじゃなかったのか