マー君「寄付」は協定違反…ＭＬＢが“ごまかし”警戒 
http://www.sanspo.com/baseball/news/20131229/mlb13122905050001-n1.html 
２７日の日本プロスポーツ大賞表彰式で、並んで席についた田中（右）と立花球団社長（左）。田中の「恩返し」の願いはかなえられるのか 



　マー君から楽天への寄付は認めない！　新ポスティングシステムでの移籍を目指している楽天・田中将大投手（２５）が球団に申し入れた「寄付」を、米大リーグ機構（ＭＬＢ）が問題視していることが分かった。複数の米メディアが報じた。新制度に定められた上限２０００万ドル（約２１億円）の譲渡金以外の金銭などを、楽天が手にすることは協定違反との指摘で、ＭＬＢは米球団と田中との交渉の行方を警戒している。 

　田中が楽天に申し入れた「寄付」が、波紋を広げつつある。ＦＯＸスポーツ（電子版）はこの日、「ＭＬＢは田中のポスティングプロセスの“ごまかし”を警戒している」と題した記事を掲載した。 

　ＭＬＢの次期コミッショナー、ロブ・マンフレッド最高執行責任者は「譲渡金以外のいかなるものも、直接または間接的に、日本の球団に流れることは禁じられている。誰もが合意に従うことを確信している」とコメント。ＭＬＢは寄付が違反だと認識しており、各球団と田中との交渉を警戒していると伝えた。 

　またロサンゼルス・タイムズ紙（電子版）も、楽天・立花陽三球団社長（４２）が日本時間２５日の会見で、「できるかぎりの協力や寄付をしたい」と田中から申し入れがあった、と説明したことを「アンフェア」とした。 

　田中が「寄付」を申し出たのは、プロ入りから７年間育ててくれた古巣に恩返ししたいという純粋な意思表示だ。しかし高給を手にする大リーガーの多くが率先して行っている社会貢献は、あくまで弱者救済が目的。「旧所属球団への寄付」は前例がないという。 

　ＭＬＢは球団と選手との契約交渉で、何より公正さを重視する。立花氏の会見に疑念を抱き、各球団と田中との交渉の行方を警戒するのは、楽天が２０００万ドルの譲渡金の上限額に対して不満を表明し続けてきたことが背景にあるとみられる。 

（>>2以降に続く）