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ただそこにいるだけでいい。何をしようがしまいがそれでいい。猫好きにとって猫は存在自体に価値があり、ややもすると人間の方が下僕となっていることすらある。
そんな猫だからこそ、何もせずして勝ち取ってしまったキャリアがある。いやほら、人間社会における会社とかでも求められる人材って、ぶっちゃけ才能うんぬんよりも、コミュニケーションとか人間関係だとか、誰からも好かれる人の方が有利だから。
ということで、ここでは世界各国に点在する素晴らしいキャリアをもつ10の猫たちを見てみることにしよう。
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10. タマ 駅長(日本)
日本の東南(和歌山県)にある貴志駅。日本のあの巨大な鉄道網の中ではとるにたらない、全く目立たないはずのちっちゃな駅なのだが、実は駅長がタマという猫であるということで有名である。2003年、駅は、存続が危ぶまれていた地元の鉄道会社と、その競争相手との間の騒乱に巻き込まれた。そして最終的にはその競争相手が地元の鉄道会社を吸収してしまった。これは貴志駅の横に小さな小屋を作ってタマを飼っていた飼い主には悪い知らせだった。新しい会社による駅周辺の改装工事により、そこから撤退するよう求められたからだ。ほかにどうしようもなく、彼女は新しい鉄道会社の社長に、この気の毒な野良猫を住まわせてくれるように頼んだ。
社長はその懇願にほだされ、そして実際にタマに会った時に、彼の心の中で何かがはじけた。彼はすぐに、そのネコを彼の、そして駅の幸運の招き猫とすることに決めた。そして、同時に、タマを駅長にすると誓ってしまったのだ。
駅長の帽子と駅長のバッジをつけた可愛いタマは、すぐに日本中で有名になった。この地域にはほかに何も見るべきものはないにも関わらず、人々はタマを一目見ようと押し寄せた。こうして、今までは弱小のとるにたらない駅だった貴志駅は、今ではドル箱にかわった。タマの「猫招き」は十億円超もの利益を生み出したことになり、貴志駅は当面、閉鎖の危険性など全くなくなったのだ。
もしもタマが彼の仕事(自席に居て昼寝をしたり、人々を眺めたり)をこなせなくなってしまった時に備えて、この鉄道会社は最近、新しく、ニイタマという若い猫を見習いとして採用している。
9.ハンク 政治家(米バージニア州)
2012年の選挙の夜、バージニア州でハンクという名前の驚くべき草の根の候補者が7000票とペットレスキュー団体への160万円の寄付という、とてつもなく巨大な支持を得た。そして「犬たちによる”猫のいない明日”実現党」というヘンな呼び名の党からの組織的な中傷を受けるほど、ハンクが彼らには脅威だったことを示すものである。
これは、ハンクが、実際は猫なのだが、ハンサムな9歳のメインクーンだったからかもしれない。彼らの飼い主、自称キャンペーン・マネージャー達がした事といえば、ハンクにネクタイをつけて何本かのキャンペーン・ビデオを撮っただけだ。
「人間は出てけ!と投票したっていいじゃないか」というスローガンで、動物主権を政綱に掲げたハンクは、すぐに人気者になった。残念ながら彼はヴァージニアの議員選挙には落選したが、彼の得票率は3番目であり、人間ではない、しかも第三の党の候補者だったにもかかわらず、得票差は僅差だったのだ。しかし、このことが、ハンクがかっこいい猫だったことを示すものなのか、民衆が普通の政治家を信用してないことを表しているのかは定かではない。
8.デューイ 読書大使 (米アイオワ州)
デューイ・リードモア・ブックス(訳すると「もっと本を読んでね」デューイ)という変わった名前をつけられた猫は、その名の通り、最初から役目が決まっていた。デューイは1988年、アイオワのスペンサーにある公立図書館の、返された本の山の中に居た。図書館職員たちはすぐにこの可愛い子猫を育てることに決め、議会はこれを祝福し、皆でこの子猫を注意深く育て、同時に、名前を決めるコンテストを開いた。
デューイは図書館の読書キャンペーンの公式な大使になった。彼は誌面、教育的ビデオ、ポスター、テレビのショーなど、あらゆる媒体に載った。人々は彼を一目見るため図書館に押し掛け、そして帰りに1冊か2冊の本を借りた。デューイをただのマスコットだと考えないでほしい。彼は本当に図書館の公式従業員だった。彼の仕事はスタッフの監督であり、それは猫にとっては最高の仕事だったのだ。
デューイは、2006年、筆頭司書の腕の中で息を引き取った。しかし彼はまだ図書館の本棚の中にいる。なぜならデューイは、図書館館長のビッキー・マイロンにより、図書館に貢献した作家の一人としてその名を記されているからだ。
7.オレンジ 映画スター
猫はトレーニングしにくい上、あんまり信用できるとは言えないので、犬ほどには映画には登場しない。しかし、中には輝かしい出演歴を持っている猫もいる。一番有名なのは、オレンジのブチの猫で、ハリウッドの黄金時代には常に映画に出ていた。彼の一番有名な出演は、オードリー・ヘプバーンの「ティファニーで朝食を」での「かわいそうな薄汚い名無しの」猫の役である。この役によって栄えある「アニマルアカデミー賞(PATTY)」を受賞したが、今日までこの賞を二回受賞した猫はオレンジーしかいない。
オレンジの持ち芸はとてもたくさんあって、一匹の猫にそこまで色々仕込むのはとても無理だと思われるのだが、もちろん、オレンジーは一匹ではなかった。オレンジーのハンドラーであるフランク・インは猫は一つか二つの技しか身に着けないことを知っていたので、たくさんの猫を用意して、それぞれに一つか二つの技を教えた。一本の映画には三十匹以上の違った「オレンジ」が出演していたが、猫たちは全員同じに見える上、常に一匹として扱われるため、多くの人は、オレンジはものすごい天才役者猫(一匹)だと考えるのだ。
6.ブラッキー 喋り猫・パフォーマー(米ジョージア州)
最近ではビデオの「喋るネコ」(ネコの鳴き声が人間の言葉に聞こえる)はググればすぐに見つかる。しかし、元祖「喋る猫」はネットが普及する前にすでに存在した。1981年、喋る猫ブラッキーは「アイラブユー(大好き)」と「アイウォントマイママ(お母さんどこ?)」の二つの言葉を「喋る」として有名になった。
ブラッキーの飼い主はこのブラッキーの特技に目をつけていろんなテレビやラジオのショーに有料で出演させることにした。しばらくしてメディアがこれに飽きると、彼らはブラッキーを故郷ジョージア州オーガスタの道にショーケースを置いて展示するようになった。
ブラッキーのこの新しい職業は大当たりし、人々がこぞって車で観に来るようになった。すると、地元の役場が営業許可証をとるべきだと主張し、彼らはしぶしぶ5000円を払った。しかし、ブラッキーはただの動物であることから納得がいかず、市を訴えることにした。彼らの行為は営業行為ではなく、これがもしも営業行為であるという見方をするならば、市はブラッキーの言論の自由を侵害している、と。しかし、この訴訟は敗訴に終わってしまった。
5.マイク 博物館の守衛
1909-29年の間、大英博物館の正面玄関には、機嫌が悪い時には有能になる守衛がいて、野良犬やほかの四足の招かれざる客を寄せ付けなかった。この守衛はマイクと呼ばれていて、マイクは四六時中何かに対して怒り狂っていた。犬は別として、マイクは激しく猫嫌いだったので常に猫どもを敷地から追い払っていた。しかし不思議なことにマイクの他の動物に対しての軽蔑は鳩には向かわなかった。彼の支配する場所を横切る迷子の鳩を優しく捕まえて門番のところへ持っていくのである。そして門番は鳩を放し、マイクにご褒美を与えた。
猫のマイクは人間に対してもほとんど懐かなかった。彼が懐いたのは、たった二人、門番(マイクの飼い主)と、博物館のエジプト学者のアーネスト・ウォリス・バッジ卿だけだった。彼ら二人だけがマイクを触ることができたし、餌もやらせてもらえるのだった。にもかかわらず、マイクは博物館職員と客にとても人気があった。マイクは、たとえば第一次大戦中のように博物館が閉鎖されている間も大事にされていた。
マイクは1929年に他界したが、彼の思い出は博物館の地面に残されている。大英博物館を再訪するつもりなら、グレートラッセル通りに面した入り口にある小さな墓石を見つけてみてほしい。
4.バブリック 市議会員(ロシア)
猫のハンクは議員になるための競争では失敗したかもしれない。が、それが明らかになるにつれ、彼の政界での冒険は若い猫世代を刺激した。ロシアのウラル地方に、政治的に野心的な別の猫が最近になって現れたのだ。この未来の政治家は二つの意味で魅力的だった。彼は猫であるばかりではなく、キャンペーンが始まった時、彼はまだたったの3か月の子猫だったのだ。
子猫のバブリックは2013年4月のエカテリンブルグ議員選挙に立候補するという触れ込みだった。彼の政治運動の要綱は、避妊手術反対と安い猫餌の提供を求める以外は明確にはなっていない。だがこれは彼を止めることにはならなかった。彼のキャッチーなスローガンは、「楽しい未来を」だった。バブリックの飼い主はさらに、海の向こうの仲間であるハンクと友情を交わしたいと述べた。
バブリックが当選したかどうかの記載はない。そして多分落選したのだろうと思われる。彼のキャンペーンはかなり曖昧だった上、選挙当時には彼はすでに成長して大人の猫になっていたため、彼の可愛さというキャラは危険にさらされていた。でも、彼は予想される最悪の候補者ではなかったに違いない。彼の飼い主が書いてるように、バブリックは支持者には完璧なまでに忠実である。なにしろ、彼は「守れない空約束をする」ことすら、文字通りできないからだ。
3.ルシク 警察官(ロシア)
警察犬やすごい活躍をする救助犬はよくニュースに出ている。が、警察猫をご存じだろうか?え?知らない?少なくとも一匹はいるのだ。ルシクはロシア警察のカスピ海でのチョウザメ密輸に対する秘密兵器だった。これは当地ではとても深刻な問題で、犯罪者たちはカスピ海のチョウザメを絶滅の危機に追い込む位に乱獲し密輸しているのだ。
野良の子猫だった頃に警察の検問地点に現れたルシクは、盗人達から没収したチョウザメの身を主食として警察官達に育てられた。その結果、彼は好物のチョウザメの身の匂いを嗅ぎ分けることができるようになった。それは偶然、検問地点に止まった車の、サーモンとキャビアの間に隠されたチョウザメの身を嗅ぎ当てたことから始まった。ルシクの嗅ぎ分け能力があまりにすごいので、警察に雇われた臭気判別犬を早期に退職させてしまったぐらいだ。
残念なことに、ルシクの密輸との戦いは突然終わりを告げた。彼は2013年の7月、勤務中に殉職した。彼が調べていた車が突然動いて彼をはね殺したのだ。彼の死後もまだ密輸は続く。しかし、死してなおルシクは勝者である。彼があまりにも優秀だったため、ロシア人たちは今、密輸業者を取り締まる「密輸探知猫」の連隊を養成すべく計画を練っているのだ。
2.チェシー 鉄道会社の広報担当(米オハイオ州)
子猫のチェシーは長いことチェサピーク&オハイオ鉄道のマスコットであり、広報担当だった。彼女の人生は1933年にフォーチュン誌から始まった。「子猫のように眠ろう」という文言とともに、寝顔の絵を会社の広告として掲載されたのだ。白黒の印刷だったが、この広告と猫の名は全く関連性がなかった。ちなみに、このエッチング(絵)はウィーンの芸術家から500円で買われたものだ。
ちぇしーの人気はすぐに高まり、彼女の絵がいたるところで目につくようになった。列車のボディや、巨大な広告キャンペーン、さらには人気の「チェシー」カレンダーまで。会社はチェシーの役をさせるため本物の子猫を入手した。そして、別のピークという名前の猫と一緒に紹介した。この2匹を合わせると、「チェサピーク」になるという可愛いゴロ合わせを狙ったのだ。
こうして50年以上、チェシーはC&O社のコーポレートブランドの顔だったが、1986年、CSX輸送社がC&O社を買収すると、その役目に終わりが来た。新しいロゴは、CSXの文字をかたどった、なめらかで幾何学的な今風なデザインではあるが、チェシーのいたいけな寝顔に比べると圧倒的にインパクトが欠けている。
1.チェイス 顔無しセラピー猫
顔無しチェイスほど悲しい人生の始まりを迎えた動物はそう多くはいないだろう。生後数週間で車に轢かれてしまい、後ろ足1本を失くしたものの、彼女は生き延びた。ただ、それ以外に、彼女の体は、悲劇的に変形してしまった。・・・文字通り「顔」を失ってしまったのだ。
その悲惨な外見にも関わらず、チェイスは素晴らしい家を見つけることができた。彼女は、自分を治療してくれた動物病院で助手を務めていたメリッサ・スミスの家の子になった。スミスの愛情深いケアのおかげで、チェイスは家族とも他のペットたちとも自由に付き合うことができ、痛みも全くないし、瞼がないため定期的に目薬を差す以外は特別な手当は何も必要ない、何一つ不自由などない幸せな動物として大きくなった。
チェイスはまた、その試練故に、ある仕事のキャリアを積んでいる。彼女は今や、事故や障碍により容姿が損なわれた人間のための人気セラピー猫として働いているのだ。飼い主は彼女を病院や学校に連れていき、自分の容姿のことで苦しんでいる人たちに、チェイスの生い立ちにまつわる素晴らしい話、とくにハッピーな結末を話して聞かせる。チェイスはまたネットでの活動もアクティブである。顔無しフェイスはなんとブログとフェイスブックのファンページまで持っているのだ。
おまけ:タルダーソース 別名:機嫌の悪いネコ
タルダーソースはモデル猫界では最も覚えられやすい顔の一つであることは間違いない。が、彼女の本名を知ってる人はあまりいない。かわりに、彼女は、ネットでは機嫌の悪い猫として崇拝されている。実際には、彼女は機嫌が悪いのではない、いや正反対だ。彼女は遊び好きの幸せな猫なのだ。しかも、外見とは裏腹にびっくりするほど若い(2012年4月4日生まれ)。タルダーの特徴的なウケ口、怒り顔、小さいサイズはネコの小人症に由来するものと思われる。また、後ろ足が極端に長いのもそのためだと思われる。その変わった外見にもかかわらず、彼女は完璧に健康である。
タルダーソースはほとんどの時間を普通の家猫として過ごすにもかかわらず、彼女は超売れっ子の成功モデル猫としてのキャリアが積み上がっていく。彼女の特徴的なしかめっ面がオンラインで大人気なのだ。彼女は毎週色んなプロジェクトのための写真撮影に参加する(本、Tシャツ、もちろん、ネットにアップするための写真も)。彼女のネット上での価値は1億円にもなると言われていて、最近では映画に出演する話もあるぐらいだ。
via:listverse.com/・原文翻訳:LK
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コメント
1.
2. 匿名処理班
いろんなケースがあるけどほとんどが人間の都合だよねえ
3. 匿名処理班
猫でさえ仕事してるのに
俺ときたら・・・(´・ω・`)
4. 匿名処理班
図書館猫デューイがいるのは、納得
1988年にアメリカ大統領選に出馬したテレビスターだったモリスはスルーなのか
5. 匿名処理班
最後の猫wwめっちゃ機嫌悪いじゃんwwwでも可愛い
6. 匿名処理班
デューイは本で読みました。
泣きましたよ…(T_T)
7. 匿名処理班
マイク 博物館の守衛が
なんかええわ(・ω・)
貫禄のある猫の人生・・・いやニャン生を
見せ付けられたわ
8. 匿名処理班
ウイスキーキャットのタウザーを忘れている!
9. 匿名処理班
日本だけじゃなくてアメでも猫ブームか。
進撃のねこだな。
10. 匿名処理班
現職タルキートナ市長のスタッブスがいないとか〜
11. 匿名処理班
英国首相官邸ネズミ対策専門職員のラリーさんはどうしたんだよ