真「手乗り文鳥?」
- 1 : ◆49.TJH/nk6 2014/01/08(水) 23:07:57.95 ID:jVpOGEPKo
- このSSは
千早「アクアリウム?」
の続編的なSSです
まずは前作を読んでみる事をお勧めします - 2 : ◆49.TJH/nk6 2014/01/08(水) 23:09:59.19 ID:jVpOGEPKo
- ~765事務所~
ガチャ
真「ただいまレッスンから戻りましたー!」
P「おう、お疲れ、真」ガサガサ
真「あ、ファンレターの仕分けですか?」
小鳥「ええ、年末の一件以来、ファンが倍増してファンレターも多くなってるのよ」
真「千早のおかげですねー。
ボクにもファンレターは来てますか?」
P「ああ、もちろんだ」
真「見せてもらってもいいですか?」
小鳥「真ちゃんの分はこっちに分けてあるわよー」
- 3 : ◆49.TJH/nk6 2014/01/08(水) 23:12:00.30 ID:jVpOGEPKo
- 真「……うーん……やっぱし、女の子からばっかりですねー……」
小鳥「そんなことないわよ?
ほら、これなんか男の子からのファンレターよ」
真「えっ! どれどれ! 見せてください!」
小鳥「はい、これがそうよ」
真「少ないですね……まあいいや! どれどれ……。
『真ちゃん、僕の兄貴になってください』
『お兄様って呼んでもいいですか?』
『ウチの店で働いてみない? すぐに人気ナンバーワンになれるわよ?』
……」
P「ま、真?」
真「うがーーーーーっ!! 何だよコレぇ!!」
P「お、落ち着け、真、どうどう」
- 4 : ◆49.TJH/nk6 2014/01/08(水) 23:14:00.88 ID:jVpOGEPKo
- 真「人気が出てもこれじゃ意味がありませんよっ!
ボクはもっとキャピキャピした女の子っぽいアイドルになりたいのにーっ!」
P「そうは言ってもなぁ……女性人気が高いのは事実だしなぁ……」
真「そうだっ! プロデューサー! 新しいファン層の開拓に力を貸してくださいよっ!」
P「え、俺?」
真「千早には協力したじゃないですか!
その時、ボクにも協力してくれるって言いましたよね?」
P「あー……そういえばそんな事を言った覚えも……」
真「言・い・ま・し・た・よ・ね?」
P「……はい……」
- 5 : ◆49.TJH/nk6 2014/01/08(水) 23:16:08.21 ID:jVpOGEPKo
- P(千早の時はメンタル面を重視して熱帯魚を勧めたが、真は事情が違う)
P(真はアイドルとしてほぼ完成してると言っていい)
P(ダンスは得意分野だし、ビジュアル面では女子層を引き付けている。
実は歌唱力も何気に高い)
P(問題があるとすれば、本人の理想と現実にギャップがあるくらいのものだろう)
P(その問題をクリアする為には、本人の女性的な面をアピールできればいいのだが……。
それをやってしまうとアイドル『菊地真』のイメージを崩す結果に繋がりかねない)
P(千早では成功したが、ここは慎重にならなければ……)
- 7 : ◆49.TJH/nk6 2014/01/08(水) 23:18:22.45 ID:jVpOGEPKo
- 真「ねえ、プロデューサー、お願いしますよぅ」
P「う、うーん……そうだな、真も熱帯魚を飼ってみるか?」
真「熱帯魚ですか?」
P「うん、熱帯魚を飼い始めてから千早は母性的になったからな。
うまくすれば、今のイメージを崩さずに新しいファンを取り込めるかもしれんぞ?」
真「なるほどー、いいかもしれませんね」
P「あ、でも、水槽を置くかどうかはご家族と相談してからだな。
千早は一人暮らしだったからいいけど、ペットを飼うとなると、家族の了承がいるから
な」
真「はいっ! 家に帰ったら聞いてみます!」
- 8 : ◆49.TJH/nk6 2014/01/08(水) 23:19:57.68 ID:jVpOGEPKo
- ~翌日~
真「ダメでした!」
P「早いな、おい!」
真「母さんが、熱帯魚は電気代がかかるからダメだって……」
P「あー……まあ、それはしょうがないな……」
響「? 何の話をしてるんだ? 二人とも」
真「あ、響」
P「響か、実はかくかくしかじかで……」
- 9 : ◆49.TJH/nk6 2014/01/08(水) 23:22:07.61 ID:jVpOGEPKo
- 響「何だ、そんなことかー、別に、熱帯魚にこだわらなければいいじゃない」
P「そうは言ってもなー……」
響「お金をかけずに飼えるペットなんて、いくらでもいるさ」
P「うーん……維持費がかからなくて、可愛いペットか……」
真「なにか心当たりないですか、プロデューサー?」
P「……」ピコーン
- 10 : ◆49.TJH/nk6 2014/01/08(水) 23:24:03.41 ID:jVpOGEPKo
- P「小鳥を飼ってみるというのはどうだろう?」
小鳥「ピヨッ!? あ、あたしですか?」
P「いえ、小鳥さんじゃなくて、飛ぶほうの小鳥です」
小鳥「あたしもたまにトリップしますよ?」
P「うん、ちょっと黙ってようか」
響「小鳥かー、うん、いいんじゃない? エサ代以外に、ほとんどお金かからないぞ」
真「ほ、ホント? 小鳥っていうと、例えばどんなの?」
P「初心者でも飼いやすいのは、ジュウシマツ、文鳥、セキセイインコ、ちょっと難易度が
上がってカナリアとかだな」
真「プロデューサーも小鳥を飼ってたことあるんですか?」
P「昔な、今は飼ってない」
- 11 : ◆49.TJH/nk6 2014/01/08(水) 23:26:03.07 ID:jVpOGEPKo
- 真「小鳥を飼うかー……いいかも、お姫様みたいに思われたりして……タハハッ」
P「となると、まずはショップ探しからだなー……昔と違って少ないから」
真「? どうしてですか?」
響「……それはオウム病のせいだぞ」
真「オウム病?」
P「オウム病というのは、1850年頃アメリカで確認された病気で、日本でも1980年
代にこれに感染して、死亡する人も出てしまったんだ。
そのせいで小鳥を飼うのを止める人が多くなった」
真「ええっ! 小鳥からうつるんですか?」
P「ああ、と言っても、今は予防薬もあるし、後で説明するけど、キチンと飼ってればほと
んどうつる心配は無い」
響「それに、鳥インフルエンザの風評被害とかもあって、小鳥を扱うお店が少なくなってし
まったんだぞ」
真「そうだったんだ……」
- 12 : ◆49.TJH/nk6 2014/01/08(水) 23:28:06.32 ID:jVpOGEPKo
- P「そんなわけで、まずはショップ探しからなんだが……」
響「それなら自分に任せるさ!
いつもオウ助とコケ麿のエサを買ってる店があるんさ。
小鳥もいっぱいいるぞ」
P「じゃあ、そこにするか……」
真「あ、じゃあ仕事が終わったらそこに行きましょうよ!」
P「んー……行くのはいいが、その前に決めておいてくれ」
真「? 何をですか?」
P「繁殖させるか、させないかと、手乗りにするか、しないかを」
真「え? うーん……千早を見てると、殖やすのって大変そうだし……。
あ、あと、手乗りにできるなら、したいです!」
P「んじゃ、手乗りのヒナを買いに行こうか」
- 17 : ◆49.TJH/nk6 2014/01/09(木) 19:45:01.37 ID:0s7lq1tuo
- ~ペットショップ~
響「はいさーい! 店長、また来たぞ!」
店長「おや、響ちゃん、いらっしゃい。
この間エサを買ったばかりなのに、もう無くなったのかい?」
響「今日は職場の同僚を連れてきたんさ」
P「こんばんは、おじゃまします」
真「こ、こんばんは!」
店長「いらっしゃい、響ちゃんの同僚ということは、この子もアイドルかい?」
真「はい! 菊地真といいます! よろしくおねがいします!」
店長「うんうん、元気があっていいねぇ」
真(どこか浮世離れした人だな……)
- 18 : ◆49.TJH/nk6 2014/01/09(木) 19:47:00.10 ID:0s7lq1tuo
- P「今日はコイツが手乗りのヒナを飼うことになりました。
鳥をいろいろ見ていいですか?」
店長「ああ、構わないよ」
響「よーっし、いろいろ見て回るぞ、真!」
真「うん! ……わーっ! この鳥、すっごいカラフルですね!」
P「おお、コキンチョウがいるのか、品ぞろえ豊富なんだな」
真「この鳥も手乗りになるんですか?」
響「成鳥をいきなり手乗りにするのは無理だぞ。
ヒナから育てなきゃ」
真「そうなのか、キレイなのに……」
P「まあ、ペアを飼って、その子供を手乗りにするって方法もあるけど、高級フィンチは、
そもそも繁殖が難しいからなー」
真「高級フィンチ? フィンチって何ですか?」
P「アトリ科の総称のことだ。
例えば、このコキンチョウは、英名だとRed-headed Gouldiam Finchという」
真「へぇー……」
- 19 : ◆49.TJH/nk6 2014/01/09(木) 19:49:09.74 ID:0s7lq1tuo
- 真「高級っていうのは? 値段が高いってことですか?」
P「それもそうだが……フィンチには、並フィンチと高級フィンチがいるんだ……俺はあん
まりこの呼び方は好きじゃないんだが」
真「並と高級?」
響「要するに、自育するフィンチと、自育しないフィンチってことさ」
真「自育って?」
P「自分で子育てできるのと、できないのがいるってことだ」
真「えっ! 子育てしない鳥がいるんですか!?」
響「もちろん、野生ではちゃんと子育てしてるぞ」
P「子供を多く育てるため、ジュウシマツなどに仮母になってもらって育ててもらうのを繰
り返してるうちに、世代を重ねて、子供の育て方を忘れてしまったんだ」
- 20 : ◆49.TJH/nk6 2014/01/09(木) 19:51:06.08 ID:0s7lq1tuo
- 真「仮母?」
P「高級フィンチが卵を産むのに合わせて、同じく抱卵してるジュウシマツの卵とすり替え
て、そのままジュウシマツに子育てしてもらうんだ」
真「そんな……それじゃ、元のジュウシマツの卵はどうなるんですか?」
P「同時期に抱卵してるジュウシマツのペアがいれば、それに抱かせるんだが……いない場
合は、お察し、ってやつだな」
真「ヒドイですよ! そんなの!!」
P「まあ、そう怒るな、俺の知識は古いが、高級フィンチでも、なるべく自育させる方向に
向かってるはずだぞ……たぶん……」
響「だから、高級フィンチは、運よくヒナが手に入らない限り、手乗りにはむかないぞ」
P「繁殖させないなら、高級フィンチは、ホントに観賞用だな」
- 21 : ◆49.TJH/nk6 2014/01/09(木) 19:53:01.86 ID:0s7lq1tuo
- 真「……それじゃ、この緑色のキレイなヤツも観賞用ですか?」
P「どれどれ……おお、ヒノマルチョウか、ホントに品ぞろえ豊富だな」
真「ヒノマルチョウ? あ、ほんとだ、首回りが赤くて日の丸みたい……っていうか、バン
グラディシュの国旗みたいですね」
P「まあ、そうだな」
響「ヒノマルチョウも、残念だけど高級フィンチだぞ」
真「そっかー、残念だなー……ん?」
P「どうした?」
- 22 : ◆49.TJH/nk6 2014/01/09(木) 19:55:05.01 ID:0s7lq1tuo
- 真「この鳥、すっごくキレイです! 青くてサファイヤみたい!」
P「おー、セイキチョウかー」
真「でも、この鳥もやっぱり高級フィンチ……ですか?」
響「うん」
真「そっかー……」ガックシ
P「それに、セイキチョウは、仮に手乗りにできたとしても、餌が特殊だから……」
真「特殊? 何を食べるんですか?」
響「ほら、コレだぞ」ウニョウニョ
真「な、な、な、何コレーーーっ!!」
響「何って……ミールワームだぞ」
P「ゴミムシダマシの幼虫だコメント一覧
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- 2014年01月11日 23:51
-
千早の時より短めだったけど良かったです
こんな感じで他のメンバーの話も出る事を願ってます
それよりPの知識はパナいのぅ
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SSもそれぞれがちゃんと役割を果たしててよかった
こういう厳しいPもいいな
美希が一番の常識人なのは笑ったがw