いけさんフロムエル : 「ＭＩＸ」～野球はドラマだ！ピッチングのメッセージと怒りの勝利者！！

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あだち充のゲッサン連載「ＭＩＸ」第２１回です。
今月は表紙＆センターカラーで登場しました。

ついにコミックス第４巻が発売となった「ＭＩＸ」。
それを記念して今月号では４巻の別バージョンコミックスカバーが付録についていました。
ゲッサンでしか手に入らない貴重なカバーですし、ここはファンなら是非手に入れておきたいところ。
今月号は丁度５巻の１話目に相当しますし、コミックスで読んでいる方も買うにはいいタイミングかも知れません。

さて、投馬の好調ぶりに投球イニングを延長する事を決めた大山監督。
一方で、投馬・走一郎でも打ち崩せない状況に、代打攻勢を仕掛ける為一年生の駒と南郷を起用する。
誰よりも飛ばした駒が内野フライに打ち取られる一方、大ファールからバントするなど頭を使った野球をして来た南郷。
それでも結局ヒットとはならず、徐々に完全試合の危機が迫るのだが…！？

いよいよ９回を残すだけとなった東秀との練習試合。
自分の一年生の時のピッチングと比べて立花投馬はどうかと監督に尋ねる三田だったが、そんな三田投手のデビュー戦は当時２年連続で甲子園出場中だった三光学院との練習試合なのだという。
試合は０－０のまま７回雨天コールドの引き分けだったが、一年生の三田相手に三光打線が手も足も出ず、ヒット２本に抑えられたという監督。
「未だに忘れられんよ、あの時の三光ベンチの監督の顔は――はっは」
そんな中、東秀の打者がヒットを放ったのだが…何と最終回にして２本目だった！？
しかも投馬にとって７イニング目だと聞かされ途端に青ざめる監督。
「そんな顔してましたね、三光学院の監督も…」
三田に言われて自分がショックを受ける側になった事に気がついたらしい。

「完全試合しかないな」
９回裏を残すのみとなり、目標を新たにする監督。
自分たちのナイスピッチングを忘れさせてこの試合を思い出したくないものにするには完全試合しかないのだと言う。
「最初からそのつもりです」
一方で、三田は野球に詳しくない妹を驚かせるにはそういう分かりやすい記録でなくては駄目だと考えていたらしい。
しかし、だとすると投馬たちの実力を知った上で完全試合をする自信があって試合を申し込んだのか？
相手の力に驚きながらも自信は揺るがない三田だったのだが…！？

「パ、パーフェクト？！」
スコアブックを見て最終回の攻撃になってようやく完全試合の危機だった事に気がつく大山監督。
「野球はドラマだ」
そんな音美の願いもむなしく７番打者はあえなく三振。
続く８番打者の走一郎に期待する一同だったのだが…。
何と、これまたあっけなく三振してしまった！？
「頼りにならねえ兄貴だな」
ふがいない結果に期待はずれだと言わんばかりの投馬。
だが、三振したにも関わらず走一郎が笑みを…？

そんなふがいない兄に代わって最後の打者としてバッターボックスに入った投馬。
だが、その第一球で何が起きているのか気がついたのか？
目つきを変えてバットを振る投馬。
だが、そんな投馬もあえなく三振してしまい、完全試合を達成させられてしまったのだ！！
「ドラマ…は？」
「言ったでしょ？期待したら裏切られるって」
結局何も起きなかった野球ドラマ。
投馬の高校デビュー戦は強豪校相手の完全試合での敗戦という結果になってしまいました。

ただごとではなかった三田の最終回のピッチング。
「メッセージだよ　８回までのピッチングで驚いていた、おめでたいおれ達にな」
結局三田は本当の力を最後まで残していたらしい。
「手が届かないところにいるからあきらめろってか？」
「そんなつまらないメッセージじゃなかったろ？あのピッチングは…」
どうやら「ついて来られるなら追いかけてこい」とでも解釈した様なのだが…。
それともまた別の狙いがあったのか！？

いつの間にかいなくなっていた妹が何処に行ったのか尋ねる三田投手。
何と、赤井くんのサッカーの試合が始まるからと、８回裏が終わってすぐに中等部のグラウンドの方に行ってしまったのだという。
「何ィ？！」
そんなまさかの話に顔色が変わる三田。
本気で怒っており、あるいは期待されている投馬・走一郎を完全に押さえる事で兄の凄さをアピールしたかったのか？
もともと野球の関心は低かった三田亜里沙。
音美と張り合っていましたけど、結局気になる相手は別にいたらしい。

そんな要注意のサッカー部の赤井くんだが、同じクラスの学級委員でサッカー部の主将で勉強もできて優しくて誰からも好かれるクラスの人気者なのだという。
「――とは言うものの、外面のいい世渡り上手で何事にもソツがなくて男としては面白味に欠けますなァ」
音美の赤井評にすかさずケチをつける夏野。
「あ、心配いらないですよ　赤井は妹さんの事は相手にしていないですから――」
何と、余計な事まで言い出す夏野。
「あいつは面白味には欠けますけど、女を見る目はあるんですよ」
「それはどういう意味かな？」
「だからァ、あなたの妹さんはですねェ」
「夏野！」
暴走する夏野を必死に止めようとする音美。
三田もこれには本気で怒っていたらしく、間にネットがなかったら殴られていたかもしれないと音美も感じたらしい。

そんなあわや暴力事件になりそうだった原因の赤井が家の前を通るのを見かけた音美。
試合は赤井のワンゴールワンアシストの２－０で勝ったのだが、試合で足首をひねってしまったのだという。
「大した事ない」と保健の先生に言われたと聞き、ちゃんと病院で診てもらうように言う音美。
なら様子を見て明日行くという赤井だが、それでは音美が納得出来ないらしい。

何と、赤井を無理矢理病院に連れていく事にした音美。
完全に投馬そっちのけの音美だが、あるいはこれがのちに波紋となるのか？
試合の途中でサッカーの方に行ってしまった様に赤井に気がある三田亜里抄。
その赤井が音美と一緒に病院に行ったとなると、野球の試合で兄が勝ったと聞かされても強い敗北感を感じるかも知れません。

一方で、投馬としても内心穏やかではないのか？
今のところ血のつながらない妹とどうにかなる訳でもない投馬。
もしかすると音美が他の男を気にする姿を目にした事がキッカケで投馬の心の奥で何かが動き出す事になるのかも知れませんね。

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