NTTドコモは、同社が主導的に進める
Tizen OSについて、2013年度内の導入を「
当面見送る」と発表しました。製品中止の噂が出るなど、鳴り物入りで登場したものの、鳴り物以外の実物が未だ見えてこないTizenですが、少なくとも当面、鳴り物も鳴らないことになりそうです。
ドコモでは、「
モバイル市場を取り巻く環境の変化に鑑み、導入を当面見送る」とコメント。同社はTizen推進団体 Tizen Associationのメンバーとして、引き続き新モバイルOSに取り組むとしています。
Tizen OSについては、
賞金総額400万ドルのアプリ開発コンテストが開催される一方で、製品投入中止の噂が絶えません。Tizenをドコモらと進めるサムスンも端末投入計画を明らかにしていましたが、昨年後半には幹部が当初よりも消極的な姿勢を示すなど、順調とは言いがたい空気が漂っていました。
NTTドコモが理由とする、モバイル市場の環境変化について、もう少し詳しくその内容を聞いてみると、「
ドコモのスマートフォンは昨年度(2011年4月〜2012年3月)の販売数と同等の水準で推移しています。こうした状況の中、このタイミングで第3のOSを立ち上げるのは適切ではないと判断しました」とコメントしています。
これをもう少しかみ砕いて説明すると、昨年度の時点では、スマートフォンの販売数がもう少し伸びると予想していたドコモ。しかし、販売数は今年度も同じような水準で推移しており、ドコモの販売数が伸びているならまだしも、ここで第3のOSを投入するのは時期尚早といった判断があったようです。
なお、ドコモが投入を見送ったのは、あくまでもTizen搭載スマートフォンです。Tizenはモバイル機器向けプラットフォームで、スマートフォン以外の選択肢も当初から想定しているプラットフォームとなります。