約6年前に日本で起きた「中国毒餃子事件」で、元「天洋食品」の臨時従業員・呂月庭

(りょげつてい 39才)容疑者に無期懲役の判決が言い渡されました。

画像:【呂月庭】
呂月庭
http://news.takungpao.com.hk/paper/q/2013/0731/1797516.html

「中国毒餃子事件」
2007年末から2008年1月にかけ、ジェイティフーズ(東京都品川区)が輸入し、日本生活協同組合連合会(東京都渋谷区)が千葉県と兵庫県で販売していた「天洋食品」(中国河北省にかつて存在)製造の冷凍餃子を食べた人のうち、10人が嘔吐や下痢、意識不明などの健康被害を訴え、のち、警察の鑑定で同製品にメタミドホスなどの有機リン系殺虫剤が混入していたことが発覚した事件。

画像:【問題となった中国「天洋食品」製造の毒餃子】
問題となった中国「天洋食品」製造の毒餃子

日中での捜査の結果、2010年3月、「天洋食品」の臨時従業員・呂月庭(りょげつてい 39才)容疑者が逮捕されました。

画像:【逮捕当時の呂月庭】
逮捕当時の呂月庭


動機は給料・待遇に対する不満や同僚とのトラブルで、個人的な鬱憤を晴らすためだったとされていますが、真犯人の身代わりではないか、日中の政治上の思惑があるのではないかとのウワサもありました。

また事件当初、中国政府は「日本側の報道は憶測で事実無根であり、日中友好関係の敏感な時期に中国側を悪者にするためのねつ造である」などと完全否定をしていました
さらに2008年6月には製造元の「天洋食品」が事件後に回収した冷凍餃子を中国国内で横流しし、中国人4人が中毒を起こしたことも報じられました。

「天洋食品」は1993年に設立され、中国国内で中規模の食品メーカーでしたが、この事件を受け、2008年に事実上の倒産をしており、工場はすでに取り壊されています。

画像:【かつての「天洋食品」】
天洋食品

天洋食品(2)

なお、呂容疑者は天洋食品に550万元(約9500万円)の損害を与えたとされています。

20日、中級人民法院(地裁)は呂容疑者に

「被告は天洋食品の待遇に不満を抱き、冷凍ギョーザに注射器で殺虫剤を入れた。
不特定多数の健康に被害を与え、極めて悪質。情状酌量の余地はない」

と述べ、「危険物質混入罪」を認定し、”無期懲役”の判決を言い渡しました。

被告がこの裁判を不服として上訴するかは明らかでありませんが、上訴しても大筋で変わらないとみら

れています。

中国法規の「危険物質混入罪」は重いそうですが、死刑にならないところに甘さも感じます。

この事件がもし中国人に向けた犯行だったとしたら、判決はどうだったのでしょうね・・・