京都大学「人工レアメタル」生成に成功したことがわかりました。

画像:【人工レアメタル】
人工レアメタル
http://news.infoseek.co.jp/photo/sankein_snk20140123120

最も高価な金属である「レアメタル」のロジウムは自動車の排ガスに含まれる窒素酸化物を除去する

ため、唯一の触媒(※)としてマフラーなどに使用されています。

触媒(しょくばい)とは?
特定の化学反応の反応速度を速める物質で、自身は反応の前後で変化しないものをいう。また、反応によって消費されても、反応の完了と同時に再生し、変化していないように見えるものも指す。

主な産出国は南アフリカで世界の年間生産量は20トン。

現在の流通価格は1グラムあたり約4000円。

22日、京都大学理学研究科の北川宏教授のグループはレアメタルとほぼ同じ性質の「人工レアメタル」

の生成に成功したと発表しました。

同グループは元素周期表でロジウムの両隣にあるパラジウムとルテニウムのイオンを含む水溶液の

ガスを高温の有機溶媒に噴出させる手法で、本来は混ざりにくい2種類の金属を合金にすることに成功。

ロジウムとほぼ同じ性質を持つとのこと。

生成の材料に使われるパラジウムの流通価格は1グラム当たり約2600円、ルテニウムは約200円と

なっており、「人工レアメタル」の生成には両金属を混合する割合により、約400~1400円とこれまで

の1/10~1/3程度の低コストで済み、期待が高まっています。

北川教授は

「パラジウムとルテニウムは混ざらないと教科書に書いてあるが、混ぜ合わせることで新しい元素ともいえる物質を作り出すことができた」

と話しています。

早くも自動車や触媒メーカーと実用化に向けた交渉が始まっており、今回の成果は、近く米化学会誌に

掲載される予定です。

発想の転換で思わぬ新発見ですね。

レアメタルも一時期よりはだいぶ価格が急落しているようですが、それでも今回の「人工レアメタル」は

通常のレアメタルと比べても同等以上の性能があると期待されています。