・このSSは「静・ジョースタの奇妙な日常」の続き・第五話です。
この話から読むと非常にツマラナイです。ご注意を。
・静・ジョースターが成長したら、というIFストーリーですが、ほぼオリジナルです。苦手な方は閉じてください。
・投下スピードが前以上に遅くなりそうです。ごめんなさい。
・長くなりましたが、書かせていただいます。
【ジョジョSS】第1話 静・ジョースターの奇妙な日常
【ジョジョSS】第2話 仗助「静のやばい物を拾ったっス」
【ジョジョSS】第3話 静「ジャンケン教師がやって来た」
【ジョジョSS】第4話 静「引きこもりのうちへ遊びに行こう」
- 2 : ◆eUwxvhsdPM :2013/06/02(日) 22:00:19.55 ID:wxjGXI3y0
- 東方家――
康一『本当に『石仮面』があったんだよッ!本当の話なんだってばァッ!』
仗助「わかった!わかったよ康一……信じるっつってんだろ!」
東方仗助は携帯に向かって、なだめるように言った。
仗助「おめーが『骨董品屋』?――そこの写真で見たっつーんなら見たんっだろーよ……だがな康一……もしそうだとしても何も問題はねぇだろう?」
康一『えっ?』 - 3 : ◆eUwxvhsdPM :2013/06/02(日) 22:06:42.25 ID:wxjGXI3y0
- 仗助「要は、『石仮面』と『弓と矢』が同じ店にあったんだから、『ヤツ』が買って『同じ状況』にしたんじゃあねえか?ってことだろ?」
康一『い、いや……それはたぶん……そうだと思う……』
仗助「じゃあ~~一般人に『弓と矢』は使えねーってことだなァ!『アレ』の警備はおめーが思っている以上に厳重だぜえ?」
康一『厳重?』
仗助「手伝ってくれるやつが増えたんだよ。最近は間田の野郎も助けてくれてる。……昨日は賢と玉美が徹夜で見張ったし、その前はおれと億泰で警備したんだぜ?『アレ』をどーこーするなんて、タダの一般人には到底無理な話だろうよ~~」 - 4 : ◆eUwxvhsdPM :2013/06/02(日) 22:10:53.98 ID:wxjGXI3y0
- 康一『ゆっ!『弓と矢』が世間に出まわっているんだよッ!』
仗助「わかってるぜ……だから『弓と矢』が『同じ状況』だとしたら、その方が逆にありがたいってことを言ってんだよッ!」
康一『……』
仗助「今あせってもしょうがねーってことだなァ。『弓と矢』の行方については、あわてねーでじっくりと調べていこうぜ。一応すぐにでも、『アレ』の警備をもっと厳重なものにしておくぜ。裕也とかにも頼んでみよう」 - 5 : ◆eUwxvhsdPM :2013/06/02(日) 22:14:22.20 ID:wxjGXI3y0
- 康一『…………』
仗助「それで由花子の野郎は何つってんだ?」
康一『仗助くんと同じ事を言ってた……』
仗助「……オメーおれじゃあなくってよー、もっと由花子に電話してやれよッ?今回の出張かなり長いんで、アイツ心配してたぜーッ?」
康一『ウン……わかった、また電話してみる……』
仗助「まっ!……こっちはこっちで何とかやってっからよ~、おめーも気負いすぎずに仕事頑張れよなっ。また帰ったら一緒に呑もうぜーッ。それじゃあなっ!」
プツッ! - 6 : ◆eUwxvhsdPM :2013/06/02(日) 22:18:10.62 ID:wxjGXI3y0
- 仗助「……はァ~ッ……」ボスッ!……
仗助は、ソファの上に勢い良く腰を下ろして、携帯電話を放り投げた。
仗助「康一にはああ言ったが……実際結構気になっちまうよな~……今日の晩からさっそく警備体勢を改めるとすっか……」
チラリ……
仗助「……6月、か……一年のうちでイチバン気が滅入る時期だよなーッ……」
ゴロゴロ……ゴロ……
仗助「外は曇りで……なんだか一雨来そうだぜ。……静のやつ、傘ちゃんと持ってったのかァ……?」
………… - 11 : ◆eUwxvhsdPM :2013/06/04(火) 21:25:30.91 ID:J4Zqoi/+0
- …………
ぶどうヶ丘高校、教室――
朋子「――今返却した『小テスト』だけど、さすがに簡単すぎたみたいで平均点は80点あったわ。大間君をはじめ、余裕で満点の子もいっぱいいました。…… 今回のテストで『30点以下』の子は、あたしプッツンしちゃうわよっ。もうすぐ『中間テスト』なんだから、しっかり勉強すること。いいわねッ?」
ハーイ!
ワイワイ、ガヤガヤ……
広瀬川「虻村君は何点だった?」
虻村「32点……ギリギリセーフッ!ってやつだな~~こりゃあ!」
委員長「いや、アウトじゃあないかな……?」
静「…………」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ - 12 : ◆eUwxvhsdPM :2013/06/04(火) 21:30:29.49 ID:J4Zqoi/+0
- 静「……『満点』だったあたしの成績がァ!!」ハァハァハァハァ~
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
広瀬川「……」チラリ
委員長「……」チラリ
虻村「あ~ん?」クルリッ
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
『しづカ・じょお☆…………12点』
静「12点ンあああ~~~んああああああ~~~~ッ……」
広瀬川「……し、静さん……それは、あのォ~~……」
委員長「そっとしておこう。広瀬川君……」
静「考えがアマかった!!漢字書けないけど日本語しゃべれるからいいかなあ~~とか、英語ペラペラだから国語くらいなんとかなるかなあ~~なんて思ったりして、あたしの勉強に対する態度がマヒしちゃったのよッ!」ガバッ - 13 : ◆eUwxvhsdPM :2013/06/04(火) 21:35:40.59 ID:J4Zqoi/+0
- 朋子「……静ちゃん?」ポンッ
静「うぐッ!」ドキーン!
朋子「あんた……そんな『言い訳』通用すると思ってる?」ニコリ
静「……と、朋子さ…………先生……」ダラダラ…… - 14 : ◆eUwxvhsdPM :2013/06/04(火) 21:40:34.24 ID:J4Zqoi/+0
- 朋子「あたしは、静ちゃんが国語苦手なのはよーくわかってるつもりだけど……今回の点数はヤバイと思うわ。……ホントにマジでいつまでたっても点数上がらないんだったら、あたしが『個人授業』するからね?」
静「朋子さん……その、『個人授業』って……?」
朋子「仗助ん家に押しかけて、寝る間もメシ食う時間も削って、死ぬ気で勉強させるって事」
静「……」ゴクリ……
朋子「大丈夫、死なせはしないわよ~~……その一歩手前までは行くかもしれないけどッ。あたしが付きっきりですっげー本気出させて、次のテスト満点にしてあげるわよッ」ニコッ
静「……」ゾゾゾーッ
朋子「じゃ!そういうワケだから……中間テスト、頑張りなさいよね~」ヒラヒラッ - 15 : ◆eUwxvhsdPM :2013/06/04(火) 21:45:39.92 ID:J4Zqoi/+0
- 静「……ヤバイ。すっげェーヤバイわマジでッ。朋子さん絶対あたしの事殺す気だって……」ガクッ
委員長「まぁ、この点数はねェ……君日本語書けないのかい?」
静「こんなイラストみて~な字を使ってる日本人がオカしいのよッ!そのくせ名前に『☆マーク』入れたら怒るしよ~ッ!」
広瀬川「わっ、静さん『国語』のテストに『英語』で答え書いてるよォ~~……」
静「日本語はカタッ苦しいのよッ!『この時のAの気持ちを二十文字以内で書きなさい』イ~~ッ?『二十文字』なんて英単語2、3個書いたら埋まるじゃあないのよックソッ!クソッ!ナメやがってェ~~イラつくわ~~日本語ってェェ~~……」
虻村「オメー見た目日本人なのに何言ってんだァ?」アアン? - 16 : ◆eUwxvhsdPM :2013/06/04(火) 21:49:36.33 ID:J4Zqoi/+0
- 静「虻村はあたしと『メクソハナクソ』でしょうがッ!あたしにエラッソーにもの言うんじゃあないわよッ!アンタ生粋の日本人のくせにさあ~~ッ!」
虻村「う、ウギギ……康司と委員長だって『ウンコ』かもしんねーだろうがよ~~ッ!」
委員長「失礼だなあ、品がないし!……僕は、まあ、少し『鼻持ちならない』言い方かもしれないけれど、『余裕の満点』だったよ、ウン。……東方先生がさっきそう言ってただろう?」
静「こ、康司はッ!?」クルリッ
康司「ボク?84点だったよ……ギリギリ平均点。もう少し点数欲しかったけど、ボク漢字ニガテだからさ~~……」
静「……虻村、どういう事よこれは」
虻村「……おめーが『メクソ』で俺が『ハナクソ』って事だよッ!」
静「なるへそォ~ッ!」ポムッ!
静・虻村「「ぎゃははははははは……」」 - 17 : ◆eUwxvhsdPM :2013/06/04(火) 21:52:26.94 ID:J4Zqoi/+0
- 静「……いや、全然笑えないわよッ」ピタッ
虻村「お、おう……そうだよなあ、コレは……」ムスッ
委員長「……ともかくこれは勉強が必要だろうねえ……君たち二人共」
広瀬川「うん……中間テスト近いしね……」 - 18 : ◆eUwxvhsdPM :2013/06/04(火) 21:55:29.13 ID:J4Zqoi/+0
- 虻村「……勉強だとォ~~?」
委員長「やらないと駄目だよ」
静「もしかして、おもいっきしハードなやつ?」
広瀬川「ま、まあ……時間がないし……」
静・虻村「「オー!ノーッ」」
静「あたしの嫌いな言葉は一番が『努力』で二番目が『ガンバル』なのよーッ!?」
委員長「君らの成績だろうがッこの野郎!」 - 19 : ◆eUwxvhsdPM :2013/06/04(火) 21:57:39.23 ID:J4Zqoi/+0
- 委員長「さっそく今日の帰りにでも勉強会をするよッ」
静「ウヘエ~……朋子さんよりもキビチーッんだったら本末転倒じゃあないのーッ……優しく教えてよ?あたしホメられて伸びるタイプよ?」
委員長「知らないよそんな事……で、どこで勉強する?」
広瀬川「うーん、ボクの家でもいいけど……虻村君すぐにボクのゲームを引っ張りだすからなァ」
虻村「面白ェーゲームを置いてる康司が悪いぜーッ!」
広瀬川「……集中出来る所がいいよ、うん」 -
- 21 : ◆eUwxvhsdPM :2013/06/04(火) 22:00:26.34 ID:J4Zqoi/+0
- 委員長「ううん、じゃあ、あそこがいいかな?ホラ……」
広瀬川「?……ああ!あそこの事?いいと思うよッすごく!」
静「何処よ?遠いの?」
委員長「すぐ近くだよ。商店街を抜けた所……行ったことないかい?静さんは」
静「あたしそっちの方あまり行かないのよねーッ。帰る道全くの真逆だしィ~~」
虻村「……俺は行ったことあるけどよ~~……あそこは行くと頭痛がすんだよなーッ」 - 22 : ◆eUwxvhsdPM :2013/06/04(火) 22:03:53.47 ID:J4Zqoi/+0
- 静「で、結局何処なの?」
広瀬川「『図書館』だよ。……『杜王町立図書館』」
静「『図書館』ン~~?あーっジンマシンがするわーッ!古い本のニオイとかあんまし好きじゃあないのよッ。マンガは別だけど~~」
委員長「そりゃあいい。その分集中出来るだろう?」
静「うげげ……やる気が起きないってのーッ……」ハァ……
虻村「俺もだぜ~~静ァ~」ハァ……
広瀬川「もう、君たち二人は本当に……」
委員長「ともかく決まりだ。やる気があろうが無かろうが、今日の放課後『茨の館』に……『杜王町立図書館』に集合ッ」
………… - 59 : ◆eUwxvhsdPM :2013/06/10(月) 22:13:16.08 ID:Kz5dl0O90
- …………
放課後、杜王町立図書館(通称『茨の館』)――
静「ん、妙な形をしている建物だけど、なかなかきれいじゃないの……ベリィキュートなあたしは、建物のきたないのだけはガマンならないタチだからね」
委員長「明治時代からある建物を改装して、図書館にしたんだそうだ。そこら中に茨が絡まっているから『茨の館』って言われてる。蔵書数はなかなかのものでね、興味深い書物も多いから僕はよく利用するんだ」
広瀬川「……」 - 60 : ◆eUwxvhsdPM :2013/06/10(月) 22:21:26.74 ID:Kz5dl0O90
- 虻村「ショーキかよ~~委員長ッ。俺はマンガの置いてねー本棚なんか見たくねーぜッ。ここの図書館『ピンクダークの少年』あるのか?」
委員長「……確かに『ピンクダークの少年』は芸術作品のように素晴らしいし、僕も大好きだけど、置いてないよ。……君、僕がこの前マンガを貸してハマッたからって、ウワついた事言うなよなァー。熱心なファンって『ニワカ』に厳しいよ?」
虻村「面白えもんホメて何が悪いんだあ~ッ?」
静「虻村、この前委員長のマンガ馬鹿にしてなかった?手の平クルリと裏返しちゃってるわねー……」
虻村「おお、確かに前までマンガはあんまし好きじゃあなかったけどよー、『ピンクダークの少年』は段違いで面白かったんだよなーッ!偏見でモノ言っちゃあ いけねーッて事に気付いてハッ!っとしたぜ~。お返しに、委員長には今度『チャンプ』のDVD貸してやるよォー」
委員長「いや……それは遠慮しておこうかな……」
虻村「何でだよッコラッ!」
広瀬川「……」 - 61 : ◆eUwxvhsdPM :2013/06/10(月) 22:31:25.31 ID:Kz5dl0O90
- 静「?……康司、なんかさっきから静かじゃあないの……どうかしたの?」
広瀬川「えッ?あ、何でもないよ……ウン」
虻村「あーン?康司ィ~~おめーもしかしてよォォ~、勉強する気が起きてねーんじゃあねえのかァ~ッ?」
委員長「それは君だろう……」ボソッ
虻村「ああん?何か言ったかよーッ委員長ッ?」
委員長「いや、何も?独り言だよ……ただのねェー」
広瀬川「……」 - 62 : ◆eUwxvhsdPM :2013/06/10(月) 22:40:41.39 ID:Kz5dl0O90
- 静「……本当にどうかしたの?康司……具合悪いんだったら、早めに言いなさいよねッ?」
広瀬川「いやッ!そういうのじゃあないんだよ。ただ、そのォ~……静さんは覚えてる?『杜王町の七不思議』の話……」
静「?……覚えてるけど、それが?」
広瀬川「話したことがあると思うんだけど、七不思議の一つ……『ペーパーマン』……『紙で出来た大男に連れ去られる』っていう話……」
委員長「……聞いたことがあるね。有名な話だ」
広瀬川「そのお話に出てくる『図書館』って……ここの事なんだよねーェ……」
静「……フーン……」
チラッ……
静「……」 - 63 : ◆eUwxvhsdPM :2013/06/10(月) 22:50:37.85 ID:Kz5dl0O90
- 虻村「おい、もしかしてよォ~康司ッ、おめーコワがってんのかよーッ?ウププッ!」
広瀬川「そッ!そんなんじゃあないよッ!ただ、その……もしも本当に、ペーパーマンに出会ったらどうしようッ!って思って……」
虻村「やっぱり怖がってんじゃあねーかッ!高校生にもなってよ~~ッ!」
広瀬川「違うって!だからその、幽霊話が好きだからこそ、本当に幽霊に出会ったらどう対処すればいいのかなっていう……家にある聖水とか持ってくれば良かったかなって、今スゴク思い悩んでいたんだよッ!」
静「康司、アンタ家に『聖水』あるのォ~ォ?……」 - 64 : ◆eUwxvhsdPM :2013/06/10(月) 23:00:24.34 ID:Kz5dl0O90
- 委員長「心配しなくてもそう簡単に、都市伝説にバッタリ出くわすことなんて、恐らくきっとないと思うよ。……『ペーパーマン』なんて下らないウワサ、誰かが作ったホラ話に尾ヒレが付いて広まっただけだよ」
広瀬川「ううん、そうかなあ……?確かにボクも、その可能性が高いかなってちょっぴり思っていたけれど……」
虻村「カッカッカーッ!んなモンあるワケねェーだろうがッ!なァ~~ッ?」
静「……ええ、そうね……」チラリッ - 65 : ◆eUwxvhsdPM :2013/06/10(月) 23:11:45.17 ID:Kz5dl0O90
- 紙人間『……』ペラッ
静「……」
『茨の館』の入口にある、黒い鉄製の門に『ペーパー・バック・ライター』はもたれ掛かっていた。
手には一枚のペラペラの紙を持ち、それを見つめた後、静の方を見やり、
顔の部分にあたる紙を歪ませて、愉快そうに『ニヤリ』と笑った。
紙人間『……ペラリ』
静「…………」
虻村「?どうしたんだァ~静ッ?猫でもいたのかァァ~?」
静「……いえ、なんでもないわ。カッピョイイーッ門だと思っただけ……」 - 66 : ◆eUwxvhsdPM :2013/06/10(月) 23:21:38.81 ID:Kz5dl0O90
- 委員長「ボーッとするのは勝手だけどさァ~、僕達はここに勉強をしに来たって事、忘れないでくれよな?静さん、そこでずっと門眺めてたら置いてくよ?」スタスタ……
静「あーっと、委員長、ちょっと待って……勉強の前にさァ~~、ちょっぴり『お花摘みに』行ってきてもいいかしらーッ?」
委員長「……『花』?……ああ、はいはい……」
虻村「『お花』だァ~~ッ?テメーとうとう頭ン中まで『お花畑』になったのかよおォーッ?」ウププッ
広瀬川「もうッ!虻村君は本当に『デリカシー』ってものが無いなあッ!」
虻村「?」
委員長「虻村君の事はほっといて、さっさと『摘みに』行ってくればいいよ。……一階の奥で席取って待っておくよ」
虻村「?……??」
静「悪いわねーッ、すぐ戻るわよ~~」ヒラヒラッ
………… - 67 : ◆eUwxvhsdPM :2013/06/10(月) 23:30:56.15 ID:Kz5dl0O90
- …………
図書館内、女子トイレ――
バタンッ……
静「……なんかさァァ~~、あたしスタンド絡みでトイレにこもる事多くないかしら?……可憐な乙女であるあたしが、トイレが似合うキャラだと思われたりしたら嫌だわねーッ……」
クルリッ
静「……そう思わない?『ペーパー・バック・ライター』……」
紙人間『……ペラペラ……』 - 68 : ◆eUwxvhsdPM :2013/06/10(月) 23:36:17.98 ID:Kz5dl0O90
- 静「……やっぱりそうよね、『あたし』よね……『他の三人』でも『赤の他人』でもなく、『あたし』……『あたし』に用があったのね?トイレに付いてきたって事は、そうよねえ?」
紙人間『……ここ2、3日の、君の行動を読んだ』
紙人間は、手に持った一枚の紙切れを振った。
薄い紙の表面は、よく見ると『静の教室の黒板の色』に似ていた。
どうやら2、3日ほどの最近の記録ならば、『本』ではなく『紙』にして読むことも出来るらしい……。
紙人間『君のテストの成績と会話内容から、ここに来ると思って先回りさせてもらったよ。君と少しだけ、話がしたいと思ってね……前は突っぱねるような事を言ってしまったけれど』
静「……その前に、アンタにさ……聞きたい事があるんだけど」 - 69 : ◆eUwxvhsdPM :2013/06/10(月) 23:41:49.94 ID:Kz5dl0O90
- 紙人間『……何だ?』
静「……アンタの『本体』って、『女』なの?」
紙人間『?……何だって?……?』
静「やけに堂々と『女子トイレ』に入るもんだからさ~~違ったかしら?『女』じゃあないの?……あたしの方から女子トイレに誘っておいて何だけどォォ~~、アンタ『男』だったら『犯罪』だわよッ!確実に『死刑』ねッ『死刑』ィィーッ!キャーッ!」
紙人間『……下らないな。……だが、僕に興味があるって事はよくわかった……ペラペラ』 - 70 : ◆eUwxvhsdPM :2013/06/10(月) 23:45:08.12 ID:Kz5dl0O90
- 静「……それで?この前あたしの申し出を突っぱねた『性犯罪者』が何の用?……今さらあたしに協力してほしいとでも言うのッ?笑っちまうわね~~~ッ、フンッ!」
紙人間『まあそうなるな』
静「…………何ィ?何て言った?今ッ!?」
紙人間『君が言った通りだよ。……まぁもう少し正確に言うなら、『駒として使ってやるから、ありがたく思え』……だ』
静「……何なのよ、その上から目線は……」 - 71 : ◆eUwxvhsdPM :2013/06/10(月) 23:52:20.83 ID:Kz5dl0O90
- 紙人間『君の能力は『物を透明にする』という、非常に単純なものだが、奥が深い。……君自身の柔軟な思考と相まって、強力な武器となっている。……それを見込んで、駒として使ってやると言っている』
静「……その口調についてはとりあえず置いといて……ともかく、『アンタに認められた』……と、考えてもいいのかしらね?これは……」
紙人間『そうだな。少しくらいならば、頭を下げてやってもいい。……僕の駒として、キリキリ働いてくれないか?』
静「……内容によるわよ。何をさせる気なの?……前は突っぱねたくせに、今度は頼みに来るなんて……絶対『面倒事』よねェ~~?」 - 72 : ◆eUwxvhsdPM :2013/06/11(火) 00:00:40.14 ID:++Vqml0c0
- 紙人間『ああ……僕の能力で色々調べたんだが、どうやら僕一人では難しいみたいでね。君に頼みたいんだよ……』
静「……何を?」
紙人間『……この図書館にある、一冊の『本』……それを『盗みだして』ほしい……!!』
静「――なッ!? - 73 : ◆eUwxvhsdPM :2013/06/11(火) 00:06:03.37 ID:++Vqml0c0
- 紙人間『どうしても、という訳ではないが……必要なんだ、その『本』が。……僕が『幸せ』になるためにはね。君の『透明にする能力』は、盗みをするのに丁度いい……!』
静「バ~~カッ!ここは『図書館』よッ!?『本』が読みたけりゃあ『貸出カウンター』に『本』を持って行けッ!どうして盗む必要があるのよーッ!?」
紙人間『厳重に警備されてるからだ……ただの『本』のように見えて、な。……そこらの金庫なんかよりもよっぽど厳重に警備されてる。借りる事など不可能なんだよ』
静「だからって盗むってェーのはあたしは無理よッ!そんな『悪い子』に育ったあたしを見たら、天国のおじいちゃんが悲しむじゃあないのよ~~ッ!絶ェェ~~ッ対ッ!あたしはやんないかんなーッ!」
紙人間『ふむ、そうか……人を使うには、それなりの『報酬』が必要なんだったな?』 - 74 : ◆eUwxvhsdPM :2013/06/11(火) 00:09:52.29 ID:++Vqml0c0
- 静「言っとくけどな~~あたしはたとえ100億つまれよーが絶対動かないからなッ!アンタが盗みなんか考える最低ヤローだとは思わなかったわよッチクショウッ!」
紙人間『カネ?……そんなものは無い。……だか静「……アンタ『TIGER&BUNNY』知らないの?『TIGER&BUNNY』知らないやつがさー、この日本にいたのかよォー。グ レート!本当に信じられねーやつだわ……こんなやつと会話したくねーって感じね!深夜に何見て生きてきたの?育った文化がちがうっていうか……ドクター ペッパー飲んだことある?放課後ティータイム知ってんの?おめーっ」
紙人間『……だまって聞いてる場合か。さっさと攻撃するか逃げるかしろっ!』
静「ええ……わかって……」スッ……
偽静香「ククク……」バッ!!
静「!!え!?」ビンンーン
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ - 144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/06/21(金) 20:59:19.12 ID:oWCb0AReo
- まさかのタイバニネタwwww
-
- 146 : ◆eUwxvhsdPM :2013/06/21(金) 21:04:41.27 ID:TOCTfQgH0
- 紙人間『静?』
静「う……腕が……!?身体が動かないッ……?……!?」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
偽静「あたしの方は、いなきゃいいなって思う能力よ……コピーされた者は、必ずこの人形と同じポーズを取ってしまう……つまり!『あやつる人形』ってことよっ!」
静「なにィ~~っ……」
偽静「応援が来るまであと10分!って、ところかしら……」ガギッ
静「……!」ゴギギ…… - 147 : ◆eUwxvhsdPM :2013/06/21(金) 21:15:24.21 ID:TOCTfQgH0
- 偽静「そんだけあれば充分ね~~……アンタはここで『再起不能』のボロゾーキンになってもらうわ……とりあえず、目玉の一個でも……」グググ……
静「!……」ブルブルブル……
偽静「いただこうかしらね――ッ!!!」グジュルウッッ!!!
静「うおおおおおおおおおおお」ブシュブシュブシュ
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
紙人間『静ッ!『スタンド』だッ!潰してしまえッ!!』
静「おおおおお!『ワイルド・ハニィィィ』ッッ!!!」
ドン!
偽静「グレート。いひっ!」 - 148 : ◆eUwxvhsdPM :2013/06/21(金) 21:24:49.31 ID:TOCTfQgH0
- ワイルド・ハニー『ドラアッ!』
ブンン!
偽静「……」スッ……
ブン
静「!!」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
偽静「とどかないわねーっ『スタンドの射程距離外』よ~~。本体がそれ以上動けなければ……『スタンド』もそこまでしか来れないんでしょ――っ」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
偽静「つまり……この距離を保っていれば、静……アンタはあたしに絶対かなわないということよ――っ」
紙人間『静っ……』
静「わかってるわよッ!『ワイルド・ハニー』!!」
ズギャンッ!! - 149 : ◆eUwxvhsdPM :2013/06/21(金) 21:29:45.91 ID:TOCTfQgH0
- ワイルド・ハニー『ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラァァァァァアア!!!!』
バゴ!バギ!バガアアッッ!!
偽静「ちょっと、おいおい……何してんのよーッ?やたらめったら攻撃しても当たらないってのッこのボケーッ。『本棚』に攻撃してんじゃあないわよッ……」スッ!!
静「!?……手がっ……」グググッ……
偽静「おりゃあっ!」ブォン!
バギィッ!!
静「うぐっ!!」ミシッ!
偽静「自分の右手が操られてさ~~自分の頬を殴る痛みはどう?このままハチに刺されたみてーにボコボコにしてやってもいいのよ~~……こんなふうにッ!!」バギィッ!!
静「ふぐぅっ!!」メシャアッ! - 150 : ◆eUwxvhsdPM :2013/06/21(金) 21:34:56.44 ID:TOCTfQgH0
- 偽静「さ~~て、あと何発いっとく?ン?100発くらい?……自分で自分を殴るなんて、貴重な体験だと思わない?」
静「……い~や!アンタはもう殴れないわ。操ることも不可能よ……」
偽静「!……」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
静「あたしの攻撃はさ~~……もう終わってるのよ」
偽静「……違うわ、1000発よッ!1000発自分をブン殴って『再起不能』になんのよッアンタは――ッッッ!!」ブォンッ!!……
静「……注意しなさい、右斜め前よ」チラリッ - 151 : ◆eUwxvhsdPM :2013/06/21(金) 21:39:59.72 ID:TOCTfQgH0
- グラッ……
偽静「!?何ッ……『本棚』がッ!倒れて……」
静「このために『本棚』を攻撃したのよッ!下敷きになっちまいなさいッ!!」
グオオオオッッ…… - 153 : ◆eUwxvhsdPM :2013/06/21(金) 21:43:46.37 ID:TOCTfQgH0
- 偽静「――しかし、バカかてめーはァァ~ッ!!こんなにゆっくり倒れてくる『本棚』なんざ、避けるのなんて楽勝でしょうがーッ!目をつぶってでも避けれるわーッ!!」スッ……
静「いーや!アンタはかなり『目』に頼ってる……『本当にあたしのコピーなの?』って問いただしたいくらいにねーッ!」
偽静「……はあ~ッ?頼っていようがいまいがさ~~……倒れてくる『本棚』一つ、避けられないとでも思ってんのかっマヌケーッ!!」
静「ええ思ってるわ……『二つ』だからね……」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
偽静「……何ッ?」
静「あたしは言ったわよ……『注意しなさい、右斜め前よ』……あたしから見てねッ!!」 - 154 : ◆eUwxvhsdPM :2013/06/21(金) 21:46:32.09 ID:TOCTfQgH0
- メシャッ!!
偽静「うがッッ!?」
グワッシャアアアーンンン!!!
偽静「うぐわバァ――ッッ!!?」
ガタガタァァ――ンンン……
静「……フーッ……」
静のコピーは突然、『透明ななにか』に押しつぶされて、倒れた。
相当な重量のある『なにか』によって、コピーの手足はおかしな方向に曲がって、折れた。
偽静「こ……これは……うぐぐ……何ィ~~ッ……」プルプル……
静「『ワイルド・ハニー』……『本棚』を一つ、透明にして倒してたのよ。時間差で先に倒れるようにねーッ」
ド――z__ン!! - 155 : ◆eUwxvhsdPM :2013/06/21(金) 21:49:59.26 ID:TOCTfQgH0
- 静「どう?圧迫されてる気分は。今のアンタはまさに圧迫祭りってヤツね。……『ペーパー・バック・ライター』の言う通り、『潰して』やったわよッ」
偽静「静……ジョースター……クソッ、『透明』にする能力……か……『完敗』……だわっ」ガクッ
ボシュウウ……
サーフィス『…………』
静「……『木の人形』に……戻ったわ……」
紙人間『……ペラペラ』 - 156 : ◆eUwxvhsdPM :2013/06/21(金) 21:51:43.66 ID:TOCTfQgH0
- 紙人間『怪我はないか?静……右手の髪の毛はどうだ?』
静「ずっとあたしを引っ張ってるけど……今のさわぎで少し千切れたみたいで、力が弱くなってるわ。痛みはあるけど大丈夫……けど……」
紙人間『『けど』……何だ?』
静「これって……このスタンドって……!」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ - 157 : ◆eUwxvhsdPM :2013/06/21(金) 21:53:49.21 ID:TOCTfQgH0
- 紙人間『髪の毛のほうは山岸……いや!広瀬由花子の『スタンド』だな。そしてさっきの人形は間田敏和の『サーフィス(うわっ面)』だ……』
静「……『広瀬由花子』……『間田敏和』……」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
紙人間『見張りがたった二人とは考えづらいな。それに、応援が来ると『サーフィス』は言っていた。怪我がないならそろそろ行こう……』
静「……どういう事よ……これって……!どうして、あたしがッ……!」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
紙人間『?……何がだ?』
静「どうしてあたしが兄さんの『友達』に『攻撃』されてんのよ――ッッッ!!!」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
紙人間『……フン、なにかと思えば……』 - 158 : ◆eUwxvhsdPM :2013/06/21(金) 21:55:42.19 ID:TOCTfQgH0
- 静「ふざけるんじゃあないわよ、バック・ライターッ!あたしはこんな事聞いてないッ!!兄さんの友達が守ってるなんてッッ……」
紙人間『……言えば、君は尻込みするだろう?無駄に士気を下げたくなかったという、僕の『優しさ』なんだがなあ……』
静「『優しさ』だあ~~ッ!?あたしを利用するためにウソついてただけじゃあないのよッこのドグサレがッ!!アンタ今の状況わかってるの?あたし達は今ッ!『杜王町全て』を敵に回してるッッ!!」
紙人間『……それがどうした?ペラペラペラ……』
静「何ッ……!?」
紙人間『メイプルシロップで薄めたような、甘ヌルい考えやめろよなァ……リスクを負わないで何かを手に入れるなんて、不可能なんだよ。絶対ね……』
静「……テメーっ……」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ - 159 : ◆eUwxvhsdPM :2013/06/21(金) 21:59:34.48 ID:TOCTfQgH0
- 紙人間『それに!もうどっちにしろ……君はやるしかないんだよ、ペラペラ……逃げ切るという選択肢しか、君が幸せになる未来はない』
静「……チクしょお~~……」
紙人間『わかったなら、逃亡再開だ……その部屋の窓は、頑丈に作りなおされてるから外に出れない。一度廊下に出るぞ……わかったか?』
静「……ええ、ええ!