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過去の良作の再投稿です。
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引用元
魔族娘「やめておいたほうがいい…結果はみえている」
http://takeshima.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1236500904/
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/03/08(日) 17:28:24.56 ID:ISjxAD7gO
勇者「そんなの、実際にたたかってみなくては、わからないじゃないか!」
魔族娘「この、圧倒的な戦力差の前で、そんなセリフをいえるのかい?」
勇者「………」
魔族娘「で…ですから…どうか見逃していただけませんか?」
勇者「何をいってるんだ。実際にたたかってみないとわからないじゃないか」
魔族娘「お…お願いします…後生ですから…」
勇者「見逃す?何を言ってるのかな?」
シャキンッ
魔族娘「ひっ……そ…そんな、明らかに強そうな武器…」
勇者「ああ、これね。裏ダンジョンにあったんだよ。
魔王を倒した後暇でね」
魔族娘「む…無理です。私なんて1ターンもちません…一撃で死んじゃいます」
勇者「やってみないとわからないじゃないか」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/03/08(日) 17:34:47.99 ID:ISjxAD7gO
魔族娘「だ…だいたい…魔王様を倒された貴方が、
私なんかの相手をすること自体がおかしいんですよ」
勇者「いや、でも君のデータ図鑑に無いし」
魔族娘「…ずっと隠れてたんです」
勇者「へぇ」
魔族娘「魔王様も倒されたし……やっと安心して暮らせると思ったのに……
ひっく……ぐすっ……なんで…」
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/03/08(日) 17:37:29.82 ID:ISjxAD7gO
勇者「大丈夫だって、倒されたた後に
仲間になりたそうな目でこちらを見てるなんて展開もあるし」
魔族娘「上半身と下半身がさよならした状態で起き上がるなんて無理ですよ!」
勇者「右半身と左半身かもよ」
魔族娘「ひぃいいいいいい!」
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/03/08(日) 17:42:06.51 ID:ISjxAD7gO
勇者「さて、どうしようかな?」
魔族娘「お願いします!どうか…どうか…」
勇者「でも人型の魔物ってことは、高位魔族っぽいし…」
魔族娘「そんなことないですっ!雑魚ですし、経験値も美味しくないです!」
勇者「それでも珍しい魔物だし…レアアイテム落とすかもしれないし…」
魔族娘「あ、持ち物なら何でもおいてくんで…ですから…」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/03/08(日) 17:44:50.78 ID:ISjxAD7gO
勇者「……何かいいもの持ってる?」
魔族娘「えっと…えっと…」
ゴソゴソ
魔族娘「何か…何かいいもの…」
ゴソゴソ
勇者「………まだ?」カチャッ
魔族娘「ひっ…そ……その……」
勇者「何?」
魔族娘「…薬草くらいしか」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/03/08(日) 17:48:19.70 ID:ISjxAD7gO
勇者「………」チャキンッ
魔族娘「ま…待ってください!本当にこれくらいしかないんです…」
勇者「お金は?」
魔族娘「……12Gくらいしか」
勇者「この剣、まだ試し切りしてないんだよねぇ…」
ブンッブンッ
魔族娘「…ま…巻き藁なら用意しますから」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/03/08(日) 18:02:59.24 ID:ISjxAD7gO
勇者「そういうのじゃなくてね。肉が斬りたいわけよ」
魔族娘「…干し肉なら」
勇者「生の肉ね」
魔族娘「な…なな、なま肉は痛んじゃうので…市場にでもいかない限りは…」
勇者「何を言ってるんだ。ここに良い生肉があるじゃないか」
魔族娘「ど…どこですかねぇ?こんなところには…」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/03/08(日) 18:08:02.81 ID:ISjxAD7gO
勇者「こ・こ」スッ
魔族娘「…後ろ?」キョロキョロ
勇者「………」
魔族娘「ははは…そうですよね………
ひっく…私ですよね…ぐすっ…」
勇者「作戦はガンガンいこうぜでいいかな」
魔族娘「せめて…命を大事にで…」
勇者「敵の命は関係ないからね」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/03/08(日) 18:12:02.94 ID:ISjxAD7gO
勇者「くらえっ!ギガスラッ…」
ブンッ
魔族娘(お母さん…)
ピタッ
勇者「………ん?」
魔族娘「………」
勇者「あれ?どうした?」
ツンッ……パタッ
魔族娘「………」
勇者「まだ攻撃してないのに………死んじゃったのかな?」
魔族娘「………」
勇者「とりあえず、ふくろにでも入れておくか」
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/03/08(日) 18:18:52.61 ID:ISjxAD7gO
魔族娘「ん…ここは…」
勇者「あ、生きてた」
魔族娘「えっと、ここどこですか?」
勇者「宿屋だよ」
魔族娘「え…なんで私、こんなところに…」
勇者「死んだのかなと思ってさ、ふくろに入れてきたんだ」
魔族娘「……ふくろ?あ…あの……」
勇者「いやね、このふくろ意外とけっこう入るんだよね」
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/03/08(日) 18:21:05.60 ID:ISjxAD7gO
勇者「しかし、生きてるとなると……困ったな」
魔族娘「…何が困るんですか?」
勇者「剥製にでもしようかと、珍しいし」
魔族娘「…は……はく」
勇者「あ、別に生きててもいいか」
魔族娘「だ…駄目です…」
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/03/08(日) 18:27:48.32 ID:ISjxAD7gO
勇者「あ、そうか。生きてるんだから、そのまま売ればいいんだ」
魔族娘「そうですね…そのほうが…」
勇者「でもさぁ、金持ちってのは変態が多いって聞くし」
魔族娘「かまいませんよ!」
魔族娘(この人から離れられるならなんでも…)
勇者「わかった。魔物美食会の会長に連絡いれてくるね」
魔族娘「ま、まってください!」
51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/03/08(日) 18:30:36.85 ID:ISjxAD7gO
勇者「いやぁ、魔物を食べるなんて本当に頭おかしいよね?」
魔族娘「た…食べるって…生きたまま売るんですよね?」
勇者「うん、生きたまま食べるのがいいらしいよ。ははは、気持ち悪いよねぇ」
魔族娘「お…お願いします…それだけは…」
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/03/08(日) 18:32:47.52 ID:ISjxAD7gO
勇者「わがままだな…」
魔族娘「せめて…ペットとかとして飼ってくれるところに…」
勇者「……変な趣味だね君。わざわざ自分から進んでそんなこと言うなんて」
魔族娘「…まだマシなだけです」
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/03/08(日) 18:35:15.36 ID:ISjxAD7gO
勇者「…静かに」
魔族娘「え…なんですか急に…」
勇者「黙れ」
魔族娘「………」
兵士「そうか、上にいるんだな?」
店主「へ、へぇ…」
勇者「ちっ…もうばれたのか…」
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/03/08(日) 18:37:45.14 ID:ISjxAD7gO
魔族娘「なにがですか?」
勇者「話は後だ」
ドカンッ
兵士「勇者め!ついに見つけ…」
ズバッ…バタンッ
魔族娘「きゃあああ!」
勇者「今だ!走れ!」
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/03/08(日) 18:44:25.42 ID:ISjxAD7gO
勇者「ここまでくれば…」
魔族娘「はぁ…はぁ…何なんですか…」
勇者「この国の兵だ」
魔族娘「え…何でですか?貴方は勇者様なんですよね?」
勇者「ああ…魔王を倒すまではな…」
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/03/08(日) 18:45:09.97 ID:ISjxAD7gO
魔族娘「えっと…失礼でなければ詳しく聞いても…」
勇者「ああ、いいだろう。
あれは、魔王を討伐して国に戻ったときの話だ」
王「勇者よ。よくぞ魔王を討伐してくれた」
勇者「はっ、ところで褒美のほうは?」
王「いいだろう。望むものなら何でもくれてやろう」
勇者「では、この国をもらおうか」
王「………は?」
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/03/08(日) 18:48:16.44 ID:ISjxAD7gO
勇者「その後、なんやかんやで指名手配されたんだ」
魔族娘「………」
勇者「王の野郎……少し剣で脅したくらいで指名手配なんてしやがって…」
魔族娘「…あ…あの」
勇者「なんだ?」
魔族娘「悪いの貴方のほうでは……」
勇者「………は?」
魔族娘「お、王様ケチンボですよね。
世界を救ってくれたんですから一国くらい良いですよね」
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/03/08(日) 18:54:47.85 ID:ISjxAD7gO
勇者「まぁ、王としても俺の存在は疎ましいんだろうな。
なんせ魔王を倒した存在だ」
魔族娘(一番の原因はその性格じゃあ…)
勇者「まぁいい…数だけの兵なんて、どうにでもなる。
なんせ魔王を倒した俺だからな」
魔族娘(魔王様より魔王っぽい…)
71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/03/08(日) 18:57:53.63 ID:ISjxAD7gO
勇者「だが、一々相手をするのも面倒だ…一旦逃げるか」
魔族娘「…はぁ」
勇者「とりあえずは変装だな」
魔族娘「あ…あの、私と一緒にいたら目立つと思うんで…その…」
勇者「そうだな。お前も変装しなきゃな。
大丈夫だ、元々人に似た姿なんだ。なんとかなる」
魔族娘「…そうじゃなくて」
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/03/08(日) 19:02:09.13 ID:ISjxAD7gO
勇者「いいか?俺達はごく普通のおしどり夫婦だ」
魔族娘「は…はい…」
勇者「もしばれたら…兵ごと斬ってやるからな。
きちんと演技しろよ」
魔族娘「…はい」
魔族娘「あ…あなたぁ…あれ欲しいなぁ」
勇者「はっはっは、いいだろう。買ってやるぞ」
兵士「ちっ、新婚馬鹿夫婦か……こちら異常なし!
次のポイントに行くぞ」
82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/03/08(日) 19:04:39.88 ID:ISjxAD7gO
勇者「よし、ばれずに出れたな」
魔族娘「はぁ…はぁ…」
勇者「どうした?」
魔族娘「緊張とストレスで…その…」
勇者「そこまで緊張することか?
別にお前が指名手配されてるわけじゃないんだぞ」
魔族娘(…命かかってますから)
85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/03/08(日) 19:08:06.79 ID:ISjxAD7gO
魔族娘「あの…行くあてはあるんですか?」
勇者「まぁな」
魔族娘「そうですか…なら私はもう…」
勇者「用済みだな」
魔族娘「はい、ですから…」
勇者「始末するか。追ってにばれるのも面倒だ」
魔族娘「あ…きっと役に立つんで、どうか連れていってください!」
87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/03/08(日) 19:09:52.74 ID:ISjxAD7gO
魔族娘「えっと…ここは…」
勇者「ああ、かつての魔王城だ」
魔族娘「中に入るのは初めててです」
勇者「まぁ、これからは勇者城となるわけだがな」
89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/03/08(日) 19:14:38.72 ID:ISjxAD7gO
勇者「ククク…まさか王の野郎も、魔王城にいるとは思うまい」
魔族娘(…魔王の玉座があんなに似合うなんて)
魔族娘「あ、ところで元々いた魔物さん達はどこに行ったんでしょうか?」
勇者「全部殺した」
魔族娘「…は…ははは…そうなんですか」
92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/03/08(日) 19:18:59.70 ID:ISjxAD7gO
勇者「しかし、こちらの手駒が一匹というのは辛いな。
いくら俺でも、あの国全てと相手をするとなると疲れるぞ」
魔族娘「…そうですか。
疲れるだけなんですか……あ、一つ気になることが」
勇者「なんだ?」
魔族娘「勇者様の手駒の一匹って何ですか?」
勇者「お前」
魔族娘「あ…はは…手駒ですか…少しランクアップですね…」
101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/03/08(日) 19:39:46.27 ID:ISjxAD7gO
魔族娘(…逃げよう。大丈夫。
勇者様も今忙しいから簡単に逃げれるはず…)
魔族娘「や…やった。
普通に出れそう。あれが出口だよね」
カチッ
魔族娘「あ…あれ?なんだろ?この床」
勇者「ん?何してんだそんなところで…」
ビクッ
魔族娘「………」
勇者「その辺、罠だらけだからな。うっかり発動させるなよ」
魔族娘「…え…罠?」
勇者「ああ、イロイロと鋭いものが落ちてくるからな」
魔族娘「あ…あ…あああ…」
125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/03/08(日) 20:06:54.48 ID:ISjxAD7gO
勇者「しかし…罠にはまるなんてマヌケだなお前」
魔族娘「…あうぅ…鋭いものが…鋭いものが…」
勇者「俺がいなかったら串刺しになってたところだったんだぞ」
魔族娘「あぅ…あぅ……」
勇者「これからは勝手に城をうろつかないことだな」
127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/03/08(日) 20:17:28.38 ID:ISjxAD7gO
魔族娘(…逃げるのは無理ですか…そうですか)
勇者「腹が減ったな」
魔族娘「…はぁ」
勇者「お前、何か作れたりしないのか?」
魔族娘「…簡単なものなら」
勇者「そうか、じゃあ作ってもらおうか」
魔族娘「あのぉ…キッチンは…」
勇者「今連れてくよ」
128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/03/08(日) 20:19:22.54 ID:ISjxAD7gO
勇者「あ、そこも罠だから」
カチッ
魔族娘「………」
勇者「あーあ…そこ動くなよ。罠が発動するから」
魔族娘「…も…もっとはやく言ってくださいよぅ」
175 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/03/08(日) 21:35:53.41 ID:ISjxAD7gO
勇者「ここが台所か、ふん、魔族の割になかなか…」
魔族娘「とげとげ…落ちる…挟まれる…」
勇者「お前もドジだな。何回罠にかかれば気が済むんだよ」
魔族娘「だって…だって…」
勇者「まぁいい、さっさと飯つくれよ」
魔族娘「はい………あっ」
勇者「どうした?」
魔族娘「材料……」
勇者「ああ、そこの保管庫にまだあるんじゃないか?」
魔族娘「ここですか……あの」
勇者「わかってるよ。俺が行ってきてやる」
魔族娘「…ありがとうございます」
179 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/03/08(日) 21:42:16.15 ID:ISjxAD7gO
勇者「やはりほとんど腐ってた」
魔族娘「そうですね…しばらく放置されてたみたいですから」
勇者「だけど、干し肉やジャガ芋とか日持ちするものは大丈夫だったみたいだ」
魔族娘「じゃあ、これらで簡単なものを…」
ブヒ…ブヒブヒ…
魔族娘「……ぶひ?」
勇者「おお、そうだった。こいつもいたな」
魔族娘「…ぶ…豚」
勇者「残ってたものから、腐ってたもまで、なんのそので食ってたぞ。
すごい生命力だと思わないか?」
魔族娘「…こ…これは?」
勇者「調理しとけよ」
魔族娘「えぇええ!?」
185 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/03/08(日) 21:47:18.08 ID:ISjxAD7gO
勇者「うん、なかなかうまいぞ」
魔族娘「ありがとうございます」
勇者「で、どれがあの豚なんだ?」
魔族娘「え…えっと、これです…」
勇者「これか、やっぱり干し肉とは違うな」
魔族娘「…あはは」
豚「ぶひ、ぶひぶひ」
魔族娘「干し肉をもどしたものだったんだけど……
絶対ばれると思ったんだけどなぁ……」
豚「ぶひぶひ」
魔族娘「はい、残り物だけど」
ガツガツガツガツ
194 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/03/08(日) 21:52:49.13 ID:ISjxAD7gO
魔族娘「えっと、あなたあの食物庫にいたんだよね?」
豚「ぶひぶひ」
魔族娘「じゃああそこには罠はないんだよね。
この子も普通に生活してたみたいだし。
食べものの状況も知りたいし入ってみよう」
ガチャ
魔族娘「でも…一応、罠は無いか慎重に…足元は気をつけ
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