令嬢「私の執事は格闘家」
- 1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/29(水) 22:30:28.95 ID:N8mooQMx0
~ トレーニングルーム ~
執事「ふっ、はっ、せやっ!」ブオンッ
執事「はっ、とうっ、でやあっ!」ババッ
執事「ハァ……ハァ……」
執事(今日はこのぐらいにしておくか)
ギィィ……
令嬢「執事、お疲れ」
執事「お嬢様、お疲れ様です!」バッ
令嬢「かしこまらなくていいわよ。すぐにシャワー浴びてらっしゃい」
令嬢「汗臭くてかなわないから」
執事「は、はいっ!」ダダダッ
令嬢(フフフ、飛び散った執事の汗をなめるチャンスだわ!)
- 3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/29(水) 22:35:40.21 ID:N8mooQMx0
令嬢「ここね……」クンクン
令嬢「…………」ペロッ…
令嬢「…………」ペロペロ…
令嬢(しょっぱくて、おいし~い!)
令嬢(執事ったら、こんなに塩分を放出して大丈夫かしら?)
令嬢(ああもう、ご飯が欲しくなってきちゃった!)
ガチャッ……
執事「お嬢様、シャワーから戻りました!」
令嬢「!」ハッ
- 4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/29(水) 22:39:26.29 ID:N8mooQMx0
執事「お嬢様……?」
執事「床に這いつくばって、いったいどうされたのですか?」
令嬢「え、あ、あの……こ、これは──」
令嬢「床掃除! そう、床掃除よ!」
令嬢「執事がシャワー浴びてる間に、少しでも床をキレイにしとこうと思ってね……」
執事「そうだったのですか! ありがとうございます、お嬢様……!」
令嬢「いいのよ、これくらい」
- 5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/29(水) 22:43:32.02 ID:N8mooQMx0
執事「しかし……床をキレイにするのならば、あっちにモップがありますが」
令嬢「あら!」
令嬢「全然気づかなかったわぁ~、もっと早くいってよね!」サッ
令嬢「ル~ルル~」キュッキュッ
令嬢「ルル~ル~」キュッキュッ
執事「…………」
執事「──って、掃除なら私がやりますよ!」
- 7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/29(水) 22:47:18.52 ID:N8mooQMx0
令嬢「いえ、私がやるわ!」シュッ
ドズッ!
執事「ぐほっ……!」
執事(ミゾオチにモップの柄をクリーンヒットさせるとは……)
執事「さすがです、お嬢様……」ガクッ
令嬢「…………」
令嬢(しまった、たまに私も執事に護身術を習ってるからつい……)
令嬢(あ~ん、執事の汗をなめたかっただけなのに、どうしてこうなっちゃうの!?)
- 9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/29(水) 22:52:12.89 ID:N8mooQMx0
またある時──
~ トレーニングルーム ~
執事「シッ、シッ、シィッ!」
バシッ! バシッ! バシィッ!
ギシギシ……
執事「ハァ……ハァ……」
令嬢「すっごぉ~い、サンドバッグがあんなに揺れてる!」パチパチ…
執事「ありがとうございます」ニコッ
令嬢(歯が光った!)
令嬢(執事の前歯は一本差し歯だけど、それがまたス、テ、キ)
- 10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/29(水) 22:55:30.20 ID:N8mooQMx0
執事「では次のトレーニングの準備をしてきますので」スタスタ…
令嬢「ええ」
令嬢「…………」
ギシ……
令嬢(サンドバッグ……)
令嬢(執事が蹴ったサンドバッグ……)
令嬢(執事の足が触れたサンドバッグ!)
令嬢(抱きつくしかないじゃない!)ピョンッ
- 11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/29(水) 22:59:23.01 ID:N8mooQMx0
令嬢「サンドバッグゥ~!」ギュッ…
令嬢(サンドバッグを介して、私の全身と執事の体が触れ合ってる!)
令嬢(いいのかしら、こんなことして!)
令嬢(ああもう、サンドバッグ最高!)
令嬢(サンドバッグ最高! サンドバッグ最高! サンドバッグ最高!)ギュウ…
ガチャッ……
執事「お嬢様……」
令嬢「!」ハッ
- 12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/29(水) 23:03:04.16 ID:N8mooQMx0
執事「サンドバッグに抱きつかれて……いったいどうされたのですか?」
令嬢「え、と、これは……」
令嬢「そう、抱き枕! 抱き枕よ!」
令嬢「前々から私、サンドバッグを抱き枕にしたいと思ってたのよ!」
執事「そうだったんですか……全く気づかなかったです」
令嬢「というわけで、あとでこれ、私の寝室に運んでおいてちょうだい!」
令嬢「よろしくね!」
執事「かしこまりました!」
- 15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/29(水) 23:06:15.28 ID:N8mooQMx0
~ 令嬢の寝室 ~
令嬢(サンドバッグを抱き枕にしたのはいいけれど……)
令嬢(重いし硬い……)ゴロ…
令嬢(もう執事の匂いも消えちゃったし……)ゴロ…
令嬢(こんなものがベッドの上にあったってジャマよ、ジャマ!)
令嬢「えいっ!」ゲシッ
令嬢「いだだ……」
令嬢(サンドバッグって結構硬いのね、でかい風船みたいなもんだと思ってたわ……)
- 17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/29(水) 23:11:56.77 ID:N8mooQMx0
またある日のこと──
~ トレーニングルーム ~
令嬢「そんなに瓦を積み上げてどうするの?」
執事「自分のパンチ力がどのぐらいのレベルにあるか試すために、これを割るんです」
令嬢「へぇ~」
執事「ではいきますよ……」
執事「破片が飛び散るかもしれませんので、離れてて下さい」
令嬢「うん」ススッ…
執事「でやぁっ!」
バキィッ!
- 18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/29(水) 23:15:25.29 ID:N8mooQMx0
執事(よかった……全部割れた)
令嬢「わぁ~、すっごぉ~い!」パチパチ…
執事「ありがとうございます」
執事「しかし、これはあくまで動いていない物に対してのパンチ力ですので」
執事「実際の試合ではなかなかこうはいかないのですがね」
令嬢「ふうん」
執事「おっと、瓦を片付けなくては」
執事「ホウキとチリトリを持ってきます」スタスタ…
令嬢「…………」
- 20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/29(水) 23:20:09.32 ID:N8mooQMx0
令嬢(粉々の瓦……)
令嬢(執事の拳が割った瓦……)ゴクッ…
令嬢(寝転がって、私の体にまぶしてみよう!)
ゴロゴロ……
令嬢(ああ……いい気持ちだわ……)
令嬢(執事ったら瓦ばかり割ってないで、私の股も割ってくれないかしら)
令嬢(な~んちゃっ──)
ガチャッ……
執事「!」ハッ
令嬢「!」ギクッ
- 22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/29(水) 23:24:19.90 ID:N8mooQMx0
執事「お嬢様……瓦を体にまぶして、どうされたのですか?」
令嬢「……し、知らないの!?」
令嬢「これは瓦浴ってやつよ!」
執事「瓦浴!?」
令嬢「岩盤浴や森林浴みたいなもので、とっても体にいいの!」
令嬢「こうしてると背も伸びるし、胸も大きくなるし、病気も治るのよ!」
執事(し、知らなかった……)
令嬢「あとでこの瓦の破片を、私のベッドにまぶしておきなさい! いいわね!」
執事「は、はいっ!」
- 24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/29(水) 23:28:12.03 ID:N8mooQMx0
~ 令嬢の寝室 ~
令嬢「寝られない……」
令嬢(なにしろ私のベッドには、でかいサンドバッグが横たわって)
令嬢(シーツには瓦の破片がまき散らされている……)
令嬢(寝返りなんてうとうものなら──)ゴロッ
チクッ!
令嬢「いったぁ! 破片が脇腹に当たった!」
令嬢「どうしてこうなっちゃうのよ~~~~~!」
- 25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/29(水) 23:33:30.70 ID:N8mooQMx0
~ リビングルーム ~
父「ずいぶんと眠たそうだが、大丈夫か?」
令嬢「大丈夫よ、パパ……」ムニャ…
母「あなたは大切な一人娘なんですから……体は大事にしないといけませんよ」
令嬢「ママまで……。大丈夫だって……」ムニャ…
執事「お嬢様、ご無理はなさらない方が──」
令嬢「!」シャキーン
令嬢(執事ったら……私が寝不足になってる理由も知らないで……)
令嬢(鈍感なんだから……!)
令嬢(体を鍛えすぎて、脳みそまで筋肉になってるんじゃないかしら!)
- 26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/29(水) 23:36:43.91 ID:N8mooQMx0
父「ところで執事君、今度試合があるそうだね」
執事「はい」
父「今度の試合で勝てば、君の夢である道場設立にグッと近づく」
父「頑張ってくれたまえよ」
母「でもムチャはしないで下さいね。焦らず一歩ずつ、ですよ」
執事「ありがとうございます!」
令嬢(あ~……眠い)ファ…
- 27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/29(水) 23:40:21.08 ID:N8mooQMx0
~ トレーニングルーム ~
執事「はっ、でや、せやっ!」シュッシュシュッ
令嬢「いつにもまして、気合入ってるわね~、執事」
令嬢「ねえ、なにか私に手伝えること、ない?」
執事「…………」
執事「あ、そうだ!」
執事「お嬢様、私の腕につかまってくれませんか?」
令嬢「え、つかまる!?」
令嬢(ま、まさか……抱き締めてくれるというの!? うひょ~!)
- 29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/29(水) 23:45:05.54 ID:N8mooQMx0
執事「ふっ、ふっ」グッ…グッ…
令嬢「…………」
令嬢「なにこれ」
執事「お嬢様が私の腕にしがみつき、そのお嬢様を私が上下させることで」グッ…グッ…
執事「上腕筋を鍛えているのです」グッ…グッ…
令嬢「……ふうん」
執事「ありがとうございました!」ハァハァ…
執事「では続いて、私の下半身を押さえていただけるでしょうか?」
令嬢(下半身ですって!?)パァァ…
令嬢「やるわ、やる!」
- 32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/29(水) 23:48:32.76 ID:N8mooQMx0
執事「くっ、くっ」グッ…グッ…
令嬢「…………」
令嬢「なにこれ」
執事「腹筋運動です」グッ…グッ…
執事「これによって、私の腹部の耐久力がさらに高められるのです」グッ…グッ…
令嬢「……あっそ」
執事「ありがとうございました!」ハァハァ…
執事「では続いて、お嬢様を肩車してもよろしいでしょうか?」
令嬢(えっ、どんなプレイ!?)
- 34:
コメント一覧
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- 2014年01月30日 18:03
- 綺麗なオチだな
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- 2014年01月30日 18:05
- メインが父親以外全力でダメすぎる
いや、理解がある時点で、父親もダメなんでしょうが
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- 2014年01月30日 18:06
- そう、それはきっと
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- 2014年01月30日 18:31
- オチがなんとも
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- 2014年01月30日 19:10
- 母のキャラが面白かったです
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- 2014年01月30日 20:40
- これ母やない
カーチャンや
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- 2014年01月30日 21:11
- 母が範馬勇次郎なんだよなぁ
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- 2014年01月30日 22:28
- これ、実は父母の馴れ初めが同じ感じとかなんだろ?母がメイドとかで。
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- 2014年01月30日 23:54
- タイトルでデモンベイン思い浮かんだわ