NTTドコモ、au、ソフトバンクの携帯3社から、初めてiPhone
5s/5cが同時に発売された2013年。全社が対等となったこの年、各社の勝負の行方はどのような結果となったのでしょうか。
その結果を裏付けるデータが、TCA(一般社団法人 電気通信事業者協会)の発表と聞き取り調査で明らかに。その内容をひも解いてみると、この結果は…大丈夫なの!?
2013年の契約純増数、ドコモは大きく引き離され最下位に
まずはTCAから発表された、2013年の携帯電話契約純増数はこちら。
純増数で見ると、 ソフトバンクが約344万件でトップ 、次いで auが約280万件で2位 に、そしてそこから大きく引き離されて、 ドコモが約120万件で最下位に。 グラフで見るとその差は歴然、ドコモの純増数は各社の3〜4割程度低く推移しています。
なぜドコモだけここまで低いのか…その原因のヒントは、MNPの推移にありました。
MNPはドコモが143万回線流出で最下位に…首位はau
電話番号はそのままで、携帯電話会社を変更できる携帯番号ポータビリティ、いわゆるMNPについて、2013年転入数(他の事業者から移ってきた数)と転出数(他の事業者へ写ってしまった数)の推移を電話取材した結果がこちら。
蓋を開けてみると、 auが約96万人でダントツの1位 に、次いで ソフトバンクが約46万人で2位 、対して ドコモはおよそ143万件超の転出超過 という一人負けの結果に…!
これは、他の事業者からドコモに移ってきた回線に対して、 見切りをつけて他の事業者に移った回線が143万件超も上回ったということ。 ちなみに143万という数は、 東京ドームで例えれば26回満席になったのと同じ数。 それだけの人数が他へ流出したと思うと…いやはや、とんでもない数ですね…。
流出による損失額を大雑把に計算すると、仮に全員が月額5000円のスマホユーザーとした場合、 月額5000円×143万回線×12ヶ月=年間858億円もの損失に…! もちろんフィーチャーフォンや安価な料金プランもあるでしょうからそう単純ではないでしょうが、とてつもない損失であることは想像に難くありません。
このデータを見ると、ドコモをやめようと思ったユーザーが選んだキャリアはauが圧倒的。そういえば10年以上前に、織田裕二がドコモのCMからauのCMに移るという衝撃的な出来事がありましたが、奇しくも2013年はまさにその様相が現実になってしまったかのようですね。
2014年は、次世代iPhoneと通信品質の改善がカギか
2013年9月に各社からiPhone5s/5cを発売した直後、通信品質について、多くのユーザーから不満の声が上がっていたドコモ。
プラチナバンドのLTEに対応し本領を発揮したau、ダブルLTEでさらに品質の上がったソフトバンクに対し、ドコモの通信品質はあまりにも見劣りし、多くのドコモファンを失望させる結果となってしまった事は否めません。
現状ドコモのiPhoneは1.5GHzのLTEに対応していないこともあり、通信品質は他社に比べて本領を発揮できず不利な現在、戦況の変化は今年秋に発売されるであろう次期iPhoneまでお預けになりそうです。
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