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9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/04(金) 21:15:23.43 ID:A8aahBVK0
風歴738年。
風の谷の族長ジルが病没し、娘のナウシカが跡を継ぐこととなる。
周辺諸国の貴族達はこの若く美しい族長と風の谷を求めてこぞって求婚したが
ナウシカはそれを悉く固辞。周辺諸国との関係は微妙に気まずいものとなっていた。
そんな中、酸の海の彼方から暴帝ハウル率いる魔の軍団が押し寄せる。
各国は連合を組みこれと戦うも、未知の力を使うハウル帝の前では全くの無力。
開戦半年後にはトルメキアの首都トラスまでもが陥落、連合は無条件降服を宣言した。
集めた各国貴族の前でハウル帝は『僕の僕による僕のための大ハーレム造営計画』を打ち出す。
内容は明快で『男は皆殺し』『女は綺麗どころだけ残して皆殺し』というものだった。
抗議の声をあげるものは誰もいない。
貴族達はどうすれば自分達だけでも助かるか、必死に考えていた。
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10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/04(金) 21:18:10.60 ID:A8aahBVK0 その時、ひとりの姫が席から立ち上がり、ずかずかとハウル帝に近づくといきなりほっぺたぱぁーん! 「あなたは人の命をなんだと思っているの! 恥を知りなさい!」 もちろんそれはナウシカばばーん! 慌てて兵士がナウシカを取り押さえようとするが、ハウル帝が一喝して兵をさがらせる。 彼はナウシカの手を取り、ひざまずいてキスをした。 「素晴らしい。君こそ我が妃にふさわしい」「・・・えっ?」 「諸君聞きたまえ。ハーレム造営はとりやめる。私は今妃を得た。・・・えっと君、名前は?」 「ナ、ナウシカ」 「綺麗な名前だね。君によく似合っている。 諸君、ナウシカだ。来週には式を挙げるから各領地に戻り、私とナウシカを祝福する準備をしてきてくれ。以上」 11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/04(金) 21:19:00.69 ID:A8aahBVK0 ざわわざわざわ 「皇帝・・・何を考えているの」 「こわがらないでナウシカ。僕は本気だ。君のことが気に入った。それだけだよ」 「そっ、そんなこと急にいわれても」 「だいじょうぶ。僕はいい夫になるよ。欲しいものならなんだってあげるし、浮気だって・・・まぁなるべくしない。 君がやめてほしいなら戦争だってやめるよ」 「戦争を・・・やめる? 人々には手を出さないと誓うの?」 12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/04(金) 21:19:36.06 ID:A8aahBVK0 「誓うよ。別に殺しまわったってあんまり得することなんてないしね。さっきのハーレムは僕なりのジョークさ。 思ったよりウケが悪くて焦ったよ。君がつっこんでくれて助かった。 まぁ・・・貴族達が貢物を持って自分達の助命を願い出てきたときは・・・色々考えたかもしれない」 「色々?」 「色々さ。わかるね、ナウシカ。君が僕と結婚してくれない時は・・・その時は、やっぱり僕なりに色々考えることになる」 「・・・・・・」 「一週間待つから君は君で考えてきてほしい。いい返事を前提に準備するよ。ははは楽しみだな。 返事の手紙には君の好みとかも教えてくれると助かるよ。君と僕の式なんだ。こういうのはふたりで考えないとね」 老婆がそれを遠くから見て溜め息。 「まったくハウルったら。本当に節操がないんだから」 18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/04(金) 21:28:15.89 ID:A8aahBVK0 風の谷の城。 ハウル帝に求婚されてから5日。明日には使者がやってくる。 ナウシカの心はハウルから求婚された時には決まっていた。 自分の身ひとつで多くの人の命を救えるのなら、悩むことはなにもない。 ナウシカはその場で返事をするつもりだったのだが、ハウル帝は時間をくれた。 ハウル帝は妙な男だ。 残酷な征服者の顔と、無邪気な子供のような顔、それに相手を思いやる成熟した紳士の顔。 どちらが彼の本当の顔なのだろうか。ナウシカにはわからない。 ただ時間をくれたのはありがたかった。 おかげでナウシカは最後にもう一度風の谷に帰ってくることができたのだから。 自分に手をあげた者を、無事に故郷に帰してやるなどというマネはそうそうできたものではない。 並みの権力者では無理だ。周囲の反発がある。かのトルメキアのヴ王でも同じことをするのは骨だろう。 それだけハウル帝の支配力は絶大ということだろう。それは彼がどれだけ恐れられているかも意味している。 23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/04(金) 21:31:48.43 ID:A8aahBVK0 ナウシカが風の谷に帰り着くと、一斉に周辺諸国の貴族達から手紙と使者が寄せられた。 内容は全て「成婚の祝辞」。 まだ正式に婚姻が決まってはいないことを彼らは皆知っているはずだった。 にもかかわらず、こうした手紙を送ってくる理由はひとつ。成婚を確実なものとし、自分達の保身を図るため。 わかっていたこととはいえ、かつてナウシカに熱心に言い寄ってきていた貴族達からも 同じ内容の手紙が送られてきたことには少なからずショックを受けた。 24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/04(金) 21:32:53.92 ID:A8aahBVK0 頭では彼らの狙いは風の谷であり、自分は女の族長として見縊られているからこそ求婚されるのだとわかってはいたが それでもナウシカは年頃の娘だ。 表情と言動はとりつくろえても、情熱的でまことしやかな愛の囁きを完全に無視してしまえるほど枯れてはいない。 この人とならあるいは。そう思えた人もいる。 今の今まで彼との関係はうやむやにはしていたが、 その彼からも同じ内容の手紙が着たときにはさすがに泣きそうになってしまった。 26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/04(金) 21:43:31.36 ID:A8aahBVK0 ナウシカの心を唯一慰めてくれたのは、やはり彼女を心配してくれる彼女の民だった。 ハウル帝は地獄の貴公子。彼に愛された女性はその心臓を奪われると噂されている。 事実、ハウルに寵愛された女性は悉く怪死している。 そんな男のところに嫁ぐことになったナウシカの身を風の谷の人々は我が事のように嘆き、心配し、涙してくれた。 「大丈夫よ、みんな。私、ちゃんと生きてもう一度谷に帰ってくるから」 仮に、生きて帰れずとも、それはそれで本望だった。 愛する人々を守るためなら死んでも良い。彼女はそう考えていた。 夜も更けようという時刻、急に階下が騒がしくなった。 「姫様! 大変ですじゃ! ユパ様がっ! ユパ様が生きておられましたっ!」 27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/04(金) 21:44:53.75 ID:A8aahBVK0 駆けつけると、そこにはハウル帝の魔軍に挑み、戦死したと伝えられていたユパの姿が。 抱きつくナウシカ。 「話は聞いたぞ、ナウシカ。大変なことになっているようだな」 「ユパ様・・・私、私・・・」 「積もる話はあとにしよう。まずは私の新しい友を歓待してやってほしい」 「新しい友?」 ユパに招かれひとりの青年が前に出る。 珍しい出で立ちをした東方系の青年だ。 青年の瞳は澄み切った水のように濁りがない。 自然と共に生きている人の瞳だ。 ナウシカは谷の人以外でこんな目をした人を見たことがなかった。 28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/04(金) 21:45:54.86 ID:A8aahBVK0 「彼だ。魔軍に追い詰められたところを助けてもらった。 彼がいなければ、私は帰って来れなかっただろう」 「我が名はアシタカ。風の谷の姫よ。聡き族長として私もそなたの名は聞いている。お会いしたいと思っていた」 「ありがとう。貴方のような勇敢な方に名前を知ってもらっているだけでもとても光栄に思います。 それに私の先生を助けてくれて本当にありがとう!」 34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/04(金) 21:54:38.18 ID:A8aahBVK0 ユパ帰還の報せに谷はわいた。 状況が状況だけに祝賀を催すわけにはいかなかったが、 それでも人々は出来る限りユパとアシタカをもてなした。 「ここはいい谷だ。人々は皆活き活きとしている。人が人らしく生きていけるのは今の世では稀だ」 「命の息吹が近いからです。谷の暮らしは都に比べれば不便だわ。蟲の危険に怯え、森の瘴気に侵され。 生きていくだけでも精一杯。でも、だからこそ生きていることが素敵に思えるんです」 「私の村もそうだった。峻厳な自然と獣と共に生きる暮らし。人はたやすく死んでいく。 だからこそ、命のひとつひとつが重かった」 「仲間を愛しているのですね」 「ああ。できれば終生彼らと運命を共にしたかったが・・・」 アシタカの瞳に寂しげな色がよぎる。彼の旅には何か事情があるのだろう。 35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/04(金) 21:58:08.98 ID:A8aahBVK0 その時、ナウシカのために珍しい花を摘もうとした子供が崖から落ちかけるという事件が起きた。 子供を助ける為に、ナウシカはアシタカよりも早く、危険な崖から飛び降りた。 ふたりとも無事だったから良かったものの、危ないところだった。 ナウシカは皆から強くたしなめられた。 その温かな繋がりを見て、目を細めるアシタカにユパが話しかける。 36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/04(金) 21:58:55.13 ID:A8aahBVK0 「いいコだろう? 人のためであれば己を省みない娘なのだ。そこには打算も見返りを求める気持ちもまるでない。 そんな主君だからこそ、民は苦しくとも無条件にあのコを慕う。そういう暮らしの中に幸せがあるのだろうな。 だが・・・世は無情だ。世界はあのコには何も与えず、暴君に全てを奪わせていく」 アシタカの脳裏に様々な悲劇の光景がよぎっていく。村が荒らされ、森が焼け、命が踏みにじられていく。 「せめてあのコがハウル帝に無茶なことをせぬよう祈るばかりだ。あのコの命は重たいが、それを摘み取るのはあまりにたやすい」 アシタカは深く、何かを考えているようだった。 その晩、使者が来た。 38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/04(金) 22:07:16.39 ID:A8aahBVK0 「おーおー睨まれてる睨まれてる。こりゃ歓迎されてるねぇ」 帝国の使者、元トルメキア将校クロトワがごちる。 「馬車に石投げられないのが不思議なくらいだわ。辺境の弱小部族の連中にしちゃ肝が据わってやがる」 「だが奴等は我等に何もできまいじゃ。この馬車には恐慌の呪いがかけてある。睨むことが関の山。 石を投げるなど、恐ろしくて、とてもできたものではないはずじゃ」 向かいに座る小さな老人の名はマルクル伯。 ハウル帝の側近で、帝と同じく魔術を使うらしい。 39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/04(金) 22:08:21.17 ID:A8aahBVK0 「しかしねぇ、この谷には旧世界のガンシップがあるってぇ話でしてね。 連中、いざとなったらあれを駆り出しやしないかと気が気じゃねぇですや」 「ぐわんしっぷ? なんじゃそれは」 「空飛ぶ戦車みたいなもんです。鋼鉄の扉なんかも簡単に撃ち抜く弾を連射できる恐ろしい代物でしてね」 「なっ、そ、そんなものがあるのか。ま、まぁだいじょうぶじゃ。この馬車の壁は強いから問題ないはずじゃ」 「馬車自体は無事かもしれませんがね、あれが出てくりゃややこしいことになるのは間違いないでしょうよ。 あーあ、こういっちゃあなんですが、俺達無事に生きて帰れるかなぁ」 「なっ、なっ、そ、そんな危険な任務なのか? ただ姫を連れてくるだけではないのかじゃ?」 40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/04(金) 22:09:11.14 ID:A8aahBVK0 マルクル伯が狼狽しているのを見て、クロトワは笑いを堪えるのに必死だった。危険うんぬんは冗談だ。 谷の人々が反抗してくるはずがない。 命があるだけでもありがたい話なのに、自分達の主が皇帝の妃になるのだ。百利こそあれ一害もない。 人気のある姫だと聞いている。 名残惜しい気持ちはわからなくもないが、彼らにできることといえば精一杯怨みの気持ちをこめて馬車を睨むくらいだろう。 自分も含め、この大陸の人間は皆ハウル帝に征服されてしまったのだ。何をされても文句はいえない。 41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/04(金) 22:15:44.92 ID:A8aahBVK0 他の辺境の国と比較しても粗末の部類に入る城の門をくぐる。 睨む視線はあいかわらずだが、馬車から降りた彼らと直接目を合わせようとする者の数は減った。 クロトワとマルクル伯の引き連れる強化歩兵達の異様さのせいだ。 獣人の身体を旧世界の科学で弄り回し、歯車とオイルで動くようになった彼らの姿は魔物と呼ぶにふさわしい。 十人たらずの部隊だが、その気になれば風の谷の兵士全てを殺してのけてしまうだろう。 「よくぞ参られた使者の方々。姫がお待ちじゃ。案内申し上げる」 要人と思われる老人の声も硬い。 通された謁見の間にて正装した件の姫を見た時は、思わず感嘆の声をあげた。 「ほぉ、16と聞いていたから帝はどんな少女趣味かと思っていたが・・・なるほど、これなら無理もない。 それで・・・ナウシカ姫、ご返事は?」 「答えるまでもありません。まいりましょう、もう準備はできています」 42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/04(金) 22:18:08.57 ID:A8aahBVK0 城と村を繋ぐ橋を進む。橋の両脇には風の谷の民が並び立ち、姫の見送りをしている。 どいつもこいつも目に涙を浮かべていた。 王族を思って涙する民など見たことのないクロトワにとっては驚きだった。 なんとはなしに嫌な予感がしはじめた。 この谷の連中はトルメキアの民とは違う。 「おい御者、馬を急がせろ。早くこの国から出よう」 馬車が加速しはじめたその時、馬車の前にひとりの男が立ちはだかった。 その無謀さに全員が息を呑む。咄嗟に馬を止めてしまった御者を責める気には到底なれない。 43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/04(金) 22:18:55.34 ID:A8aahBVK0 「馬鹿野郎! どこのどいつだ! ひき殺されてぇのか!」 SS宝庫最新記事50件 コメント一覧
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なんでナウシカあの言葉知ってんだよwww