追い込まれた真紅はアリスより凶暴だ
- 162 :名無しさん:2014/02/10(月) 20:58:52 ID:ZGwOu.6k0
- 前回(真紅、恵方巻きになる。)寿真紅として自らの身を天の神(雪華綺晶)に捧げた真紅の祈りが届いたのか
夕方より降りはじめた雪は一晩中やむことなく、記録的な豪雪が桜田ジュン達の住む街を襲った。その翌朝―――
ジュン「…積もったな」
のり「積もったわねぇ」
翠星石「うっひょぉーーーー! 一面の銀世界です! 真っ白ですぅ!」ピョンピョン
雛苺「のりィ! 何センチ!? 今、何センチ~っ!?」ぼふぼふ
のり「テレビじゃ、この地域は20~30cmって言っていたはずなんだけど…」
ジュン「どう見ても、その倍は積もってるな」
雛苺「にゅわわわっ~! 埋まっちゃうの~」ズボボボ
翠星石「がーはっはっは! そのまま雪見大福になっちまえですチビチビ!」どさどさ
ジュン「こら! 雛苺を埋めるな翠星石!」
- 163 :名無しさん:2014/02/10(月) 21:01:15 ID:ZGwOu.6k0
- 真紅「ふ…、どうやら神様仏様お父様は寿真紅をよほど気に入ってくれたようだわ。
そのご褒美に、こんなに大量の新雪をプレゼントしてくれるだなんて」
ジュン「雪の影響でインフラとかが大打撃受けてるけどな、今」
のり「普通、神様への贈り物って、こういう異常気象を回避するためのものじゃあ…?」
真紅「乙女の祈りに対して試練で応えるのが、神なる父ローゼンよ」
ジュン「それ本当だとしたら、とんでもないオッサンだな、あの人」
真紅「そして私は今から、その試練を乗り越える」ザッ
のり「真紅ちゃん!? 何をする気?」
ジュン「まぁたスノーダイブとかのエクストリーム雪遊びでハッスルする気じゃあないだろうな?
大人しくしとけよ、以前それでお前の頭がぶっ飛んだんだから(※)」
※真紅の頭に雪降り積む参照
- 164 :名無しさん:2014/02/10(月) 21:03:57 ID:ZGwOu.6k0
- 真紅「頭が取れることを恐れていては、おちおち外を出歩くこともできやしない。だって、生きることは戦うことでしょう?」
のり「ごめん真紅ちゃん。お姉ちゃんには今の真紅ちゃんが何を言っているのか理解できないわ」
真紅「とは言え、私も反省を次に活かす乙女。今度はスノーダイブとは別の雪遊びを考えている」
ジュン「ほう? 何だそれは?」
真紅「ずばり、鞄ボブスレー」
ジュン「やめとけ馬鹿」
真紅「ば、馬鹿とは何よ! だいたい、見もせずに聞いただけで…」
ジュン「聞いただけで嫌な予感しかせんわ! 雪合戦あたりでもして遊んでろ」
真紅「雪合戦んん? そんなのただのオママゴトじゃない。
アリスゲームで血肉を削ぎ、身骨を軋ませてきた私にとって、そんなの…」
翠星石「ごちゃごちゃ言ってないで、これ(雪玉)でも食らえですぅ! 真紅!」ポイッ
のり「あ!」
真紅「ぐぇあ」ボフッ
翠星石「がーはっはっは! 屁理屈ばかりこねているからそうなるんですよ!」
真紅「や、やったわね翠星石! こうなったら私だって!」ポイポイポイッ
翠星石「おおっっと! 闇雲に投げても翠星石には当たらんですよぉ!」ヒョイッ
真紅「きぃいいいいいい!」ポイポイッ
のり「あらあら、楽しい雪合戦が始まったわねぇ」
ジュン「あんまりヒートアップして窓ガラスに雪玉をぶつけて割ったりするなよ」
真紅「でやあああああ!!」ブンブンッ
雛苺「真紅! ヒナも真紅の味方をするの! 翠星石はさっきヒナをいぢめたのよ! ふんまんやるかたないのー!」
翠星石「ぬうう!? 二対一とは卑怯ですよ! チビ人間、翠星石を助けろです!」
ジュン「やなこった。自業自得だろ、翠星石の」
翠星石「んなっ!? じゃ、じゃあ、のり!」
のり「あ、お姉ちゃん今のうちにお掃除とか洗濯とかしなくちゃ…」いそいそ
ジュン「だったら、僕も手伝うよ姉ちゃん」スタスタ
のり「え、本当ぉ? ありがとうジュン君~」スタスタ
翠星石「ッッ!?」
- 165 :名無しさん:2014/02/10(月) 21:05:14 ID:ZGwOu.6k0
- 真紅「ふふふ、どうやら孤立無援のようね翠星石。ジュンとのりはあなたを見捨てて家に入った」
雛苺「覚悟するの! ヒナと真紅ではさみうちにしちゃうんだから!」ジリジリ
翠星石「うう…」ジリジリ
雛苺「天狗のオモテナシなのよね翠星石!」
真紅「それを言うなら年貢の納め時よ雛苺。ともかく直撃させるわ! この雪玉をッ!」ブンッ
翠星石「ひぃいいいいいっ!? や、やめてくれですぅ! 翠星石が悪かっ…」
雛苺「今さら謝ったって遅いの! 翠星石に味方する人なんて、どこにもいな…」
蒼星石「ここにいるよっ!!」ズバアッ
翠星石「っ!?」
真紅「んなっ! そ、蒼星石! 私の投げた雪玉を真っ二つに!?」
雛苺「そ、蒼星石が空から落ちてきたの!?」
翠星石「蒼星石ぃ!」
蒼星石「妙な胸騒ぎがしたんで来てみたらば…。まさか、こんなことになってるなんてね」
翠星石「た、助かったですよ蒼星石! やっぱり蒼星石だけはいつでも翠星石の味方ですぅ!」
真紅「蒼星石! そこをどきなさい! どういうつもり!?」
蒼星石「君達こそどういうつもりだ。薔薇乙女たるもの雪合戦くらいするだろう。
しかし、今は無抵抗な翠星石を二人がかりで、いじめているように見えた」
雛苺「それはゴカイなのよ蒼星石! 先に翠星石の方がヒナ達をいじめたの」
翠星石「違うですぅ! 翠星石はそんなことしていないです~」
真紅「す、翠星石!」
蒼星石「君達にも言い分はあるだろう。だが、二対二になることに文句はないはず」
雛苺「うにゅにゅ…、真紅ぅ~?」
真紅「こうなってはしょうがないわ雛苺。双子の庭師、雪合戦の相手として申し分ない! 勝負よ!」
蒼星石「そうこなくっちゃ!」
翠星石「へっへーん! 蒼星石が味方につけば翠星石にはもう怖いもんなしです!」
- 166 :名無しさん:2014/02/10(月) 21:07:01 ID:ZGwOu.6k0
- 翠星石「おりゃおりゃおりゃ」ブンブンブンッ
雛苺「うにゃッ!? 痛いのーーっ!」ベシャッ
真紅「だ、大丈夫、雛苺? くっ、急に翠星石ったら強気になっちゃって!」
雛苺「仕返しなのー! ヒナは負けないのよ!」ポイポイッ
蒼星石「翠星石には当てさせない!」ズバババッ
真紅「蒼星石が完全に翠星石の護衛役に徹している!?」
雛苺「庭師のハサミでヒナ達の投げる雪玉を全部叩き落としちゃってるの!」
真紅「雪合戦で一人だけ刃物使うだなんて、相変わらず空気の読めない子だわ!」
蒼星石「何とでも言うがいい! 僕はいつだって全力だ!」
翠星石「うひょー! 頼もしさマックスですぅ蒼星石! 愛してるですよぉ、フォーエヴァー(永遠)に!」
雛苺「ど、どうしたらいいのよ真紅ぅ? まず蒼星石を何とかしないと翠星石に攻撃できないの」
真紅「こうなったらこちらも攻撃役と防御役に分かれましょう」
雛苺「にゅ? どういうことぉ?」
翠星石「何を相談しているか分からんですが、どんどん雪玉を食らえですぅ」ポイポイッ
真紅「つまり、こういうことよ!」ササッ
雛苺「みょわわっ! 真紅、何するのー!?」
蒼星石「あああっ!? 真紅が雛苺を盾に!?」
雛苺「みゃーーー-っ!?」ドベシャシャシャ
真紅「ふぅ、お陰で助かったわ雛苺」
雛苺「きゅぅ~~っ」ピヨピヨ
- 167 :名無しさん:2014/02/10(月) 21:09:28 ID:ZGwOu.6k0
- 翠星石「何てことをするですか真紅! 妹を犠牲にするなんて」
真紅「犠牲ではない。雛苺は私の心の中で生き続ける。私は誰も置き去りになんかしない」
翠星石「ぐっ…」
真紅「さらに、雛苺にはまだこういう使い方もあるのよ!」ブンッ
蒼星石「何ぃ!? 雛苺をこっちにぶん投げたぁーっ!?」
真紅「翠星石の雪玉を全身に浴びた雛苺は、もはや雪玉と化したも同然! ならばそれを投げるのも雪合戦!」
雛苺「うみゃぁあああああっ!?」ビューン
翠星石「そ、蒼星石! チビ苺がこっちに!」
蒼星石「分かってる! 流石に雛苺は切り落とせない! 受け止める」ガシィッ
雛苺「ふみゅっ! た、助かったのよ蒼星石ぃ」
翠星石「怪我はないですか二人とも」
雛苺「ヒナはぜんぜん平気なの」
蒼星石「…受け止め方がまずくて、ちょっと手首をひねった」ズキズキ
雛苺「えええっ? ごめんなのよ蒼星石!」
蒼星石「いや、レンピカもいることだし、少し休めばすぐ元通りになる。しかし、その間は…」
真紅「くっくっく! よくやったわ雛苺。私達の絆の力で防御役を一時的に潰した! 今なら翠星石に当て放題よ!」
雛苺「真紅のバカァーーーッ!」ブンッ
真紅「ぐぇあ」ベシャッ
翠星石「ち、チビ苺!?」
雛苺「真紅なんか嫌いなの! 真紅のやり方には、もうついていけないのよ!」
蒼星石「雛苺…」
真紅「ま、まさか裏切る気!? あなた!」
雛苺「……」
翠星石「どうやらそのようですね。三対一ですが、卑怯とは言わせねーですよ」
雛苺「うぃ! 真紅の方が先にヒキョーな手を使ったの!」
真紅「ふふふ、そんなことは言わないわよ。私はアリス、全ての薔薇乙女を超越した存在。
たとえ、何対一だろうが立ち向かってみせる! そうよ…、頂点は常に一つ!」
- 168 :名無しさん:2014/02/10(月) 21:11:48 ID:ZGwOu.6k0
- 水銀燈「あぁら? 面白いこと言うのねぇ、真紅?」スタッ
翠星石「す、水銀燈!?」
蒼星石「き、君が何故ここに?」
水銀燈「真っ白に染まったこの街が綺麗でね。空からずっと眺めてたの。そうしたらぁ…」
真紅「……」
水銀燈「すっごい面白いものが目に入ったってわけ」
雛苺「水銀燈もヒナ達も味方になってくれるのよね!」
水銀燈「そんなつもりは毛頭ない。私はただ真紅の敵になりに来た」
蒼星石「君らしい物言いだ。けれど、実に頼もしい」
翠星石「敵の敵は味方ですぅ!」
真紅「…アリスになれなかったことを僻んだ乙女は次から次へと群れたがるわね」
水銀燈「なぁんですって!? 真紅ぅ!」
真紅「あら? 図星?」
水銀燈「ちぃっ! 行け黒羽根ぇッ!!」ドシュバババッ
翠星石「げげげっ!? 水銀燈! これは一応、雪合戦ですよ!?」
雛苺「普通にいつもの攻撃態勢に入っちゃったの~!」
蒼星石「水銀燈は真紅相手だと冗談が通じないからね」
水銀燈「白一色の世界にも飽きていたとこ! これで真紅を真っ黒に潰してあげるわ!」
真紅「甘い! 今の真紅ちゃんを昔と同じと思わないことね!」シュババババ
翠星石「なっ!?」
蒼星石「す、水銀燈の飛ばした羽根を!?」
雛苺「真紅が素手でどんどん、つかみ取っているのよ!」
- 169 :名無しさん:2014/02/10(月) 21:14:43 ID:ZGwOu.6k0
- 水銀燈「ば、馬鹿な! 何で、そんな芸当が!」
真紅「これぞアリスの力、ジュンが作ってくれた新ミスティカの力!」
水銀燈「そんな…っ!。あのメガネ人間が作ったミスティカごときが…
私達のお父様から受け継いだ元祖ミスティカよりもパワーが上だとでも言うの!?」
蒼星石「違う、水銀燈! 色だ!」
水銀燈「い、色?」
真紅「……」
蒼星石「今、周りの景色は君もさっき言ったように白一色。そこで君の黒羽根は異様に目立つ。
それに真紅は君との戦闘経験が豊富だ。黒羽根の動きの癖も把握しているんだろう!
目立つ
- :-:2014/02/11(火) 14:26:23
- カナ…
- :-:2014/02/11(火) 15:00:51
- 真紅のことだから絶対雪玉の中に石を入れるだろうと思ったら
そんな甘っちょろいもんじゃなかった…
- :-:2014/02/11(火) 15:22:26
- お父様が求めたアリスがこの真紅ならただのドMの変態じゃないか!
- :-:2014/02/11(火) 15:43:45
- きらきーかわいそう(´・ω・`)
- :-:2014/02/11(火) 19:53:48
- 久々に、思いきり笑いました。
なんでカナばかりオチに使うんだよー
次には、かなっしーに対衝撃性能も追加して下さいー
- :-:2014/02/11(火) 20:24:56
- 他ドールズの分も作ってあるんだろうなぁばらっしースーツシリーズ
- :-:2014/02/11(火) 21:54:30
- ふなっしーテンションの銀ちゃんにきらきーか…アリだな!
ところでばらっしー以外は何汁を飛ばすんだ?
かなっしーは「黄身汁」と見た。
- :-:2014/02/11(火) 22:01:01
- 久しぶりのアリスゲームを絡めたオチだな
- :-:2014/02/11(火) 22:26:27
- ばらっしースーツは後の物語の中心になる…
それだけの可能性を秘めている気がする
- :-:2014/02/11(火) 23:38:05
- パプワネタかぁ。色々使い方があるもんだな。