米大学、生きたヒト細胞内でナノモーターを自在制御する技術を開発: スッゴイ動画有り
米ペンシルバニア州立大学の研究グループはこのたび、生きたヒト細胞の内部に注入された金属製の “ナノモーター” を、超音波と磁場によって自在に遠隔操作する技術を開発しました。この成果は、世界的なトップジャーナルとして知られるAngewandte Chemieに掲載されています。
ファイルサイズを抑えるために、本記事内のGifムービーは画面サイズを縮小しています。携帯端末からは読み込みが遅くなるかもしれませんが、ぜひ見てみてください!ホントにスゴイんです!!
PS. 記事の最後に引用元であるYoutubeへのリンクをまとめておきました。
同大学の研究員であるWei Wang氏らは、ルテニウムと金の微小なロッドを連結することで、長さ3μmほどの「ナノモーター」を作製。これをHeLa細胞(ヒーラ細胞, がん細胞の一種)に注入し、外部から超音波と磁場を印加することで、その動きを自由自在に制御することに成功しています。
今回ばかりは、まず実際にモノが動いている様子を見て頂くのが一番インパクトがあると思いますので、ナノモーターを細胞内で動かしている動画(Gif)を貼っておきます。筆者も最初に見た時は、こんなことが可能になっているのかと筆者も度肝を抜かれました。
がん細胞の中を動き回るナノモーター。これで等倍速です。
モーターが動いている細胞とそうでないものがある所に注目。
作製されたナノモーターは、以下のように細胞の表面にとりつかせることも可能となっています。
細胞表面にナノモーターを取りつかせている状態。
上のようにナノモーターで “コーティング” した細胞はビーズ状につなげたり高速で回転させたりすることも可能となっており、デモンストレーション動画も公開されています。特に高速回転している様子は、CGなのでは?と疑いたくなるような光景です。
ナノモーターを細胞表面に取りつかせ、ビーズ状に連結。
細胞を7個連結してスピンさせています。これも等倍速。
早送りではなく、これで等倍速。丸いのはもちろん細胞です。
同研究室のTom Mallouk教授によると、同グループでは10年ほど前に世界で初めて化学力を用いたナノモーターの作製に成功していたものの、この時は毒性のある材料を使用する必要があった上に生物の体液中では動かすことができなかったため、ヒトの細胞には応用できなかったとのこと。
今回、超音波と磁場を用いた手法を開拓したことで、ようやく生体システム内部(in vivo)で微細構造物を操作することが可能になったとしています。今後はがん細胞を内部から物理的に破壊する技術やドラッグデリバリーなどへの応用展開を探ってゆきたいとのこと。
いやー、なんだか久々にショッキングな科学動画を見たせいか、まだ脳が興奮している感じがします…。具体的な制御条件などはAngwanteの原著論文に記載されていると思いますので、論文を閲覧可能な環境にある方は、ぜひ一度チェックされてみてはいかがでしょうか。
以下、Youtubeへのリンクです
細胞内でナノモーターを駆動させている様子を撮影。再生時間は22秒。
ナノモーターが細胞表面にくっついている様子を撮影したもの。再生時間は16秒。
細胞をビーズ状につなげたり、これをスピンさせたりしている様子。再生時間は2分48秒。
[Angewandte Chemie(International Edition) via Sciencedaily] [Penn State] [BBC News]
(゜Д゜)
どうやって動いてるのか気になりますね。
誰かエロい人が論文読んで教えてください。
等速が速すぎるw
とうとう癌を効率よく直接攻撃できるようになるんだろうか
こんなに速く回転させられて、なんだか細胞が気の毒だと思ってしまったよ。
細胞「あ~れ~」
ナノモーター「よいではないか、よいではないか」
まじでCGにしか見えない。やばい