モバP「プロデューサーになって、甘い汁を吸ってやる!」
- 1 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/12(水) 18:56:56.30 ID:3lcpGgMc0
-
P「ようやく、俺をプロデューサーとして雇ってくれる事務所が見つかった」
P「プロデューサーの権力で、アイドルとあれやこれやしてやるぜ……!」
P「しかし、それが事務所側にバレたら、クビになってしまう。外面は良くしないとな」
ガチャ
P「おはようございます。今日からよろしくお願いします!」
- 2 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/12(水) 18:57:30.26 ID:3lcpGgMc0
-
千川ちひろ「おはようございますっ! 新しいプロデューサーさんですね? 話は聞いてますよ」
P「お世話になります。それで、さっそくですが、俺の担当するアイドルは」
ちひろ「いません」
P「はい?」
ちひろ「実はうち、つい最近発足した事務所でして……今、スカウトさんがアイドルを探してるところなんです」
P「そ、そうなんですか」
P(くそ、まさか新規の事務所だったとは! スカウトなんて待っていられない、俺が好みの子を連れてきてやる!)
P「なら、俺も探してきますよ、アイドルの原石を!」
ちひろ「え、ちょっと、プロデューサーさん!? ――行っちゃった」
- 3 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/12(水) 18:58:04.76 ID:3lcpGgMc0
-
P「さて、押しに弱そうで、可愛い子は……いた!」
P(制服を着てるし、学生だな。黒髪で長髪、そして一人。根暗で弱気に違いないっ)
P「よし、スカウトだ。……ん?」
「――ね、暇でしょ? 付き合ってよ」
渋谷凛「……暇じゃないから。どっかいって」
P「ま、まずい、先を越された!?」
P(いや、ひるんでどうする。俺は悪徳プロデューサーになる男、強引に割って入ってやれ)
- 4 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/12(水) 18:58:35.42 ID:3lcpGgMc0
-
「面倒くせえな、いいから来いよ!」
凛「痛っ、離して!」
P「その子は俺が先に見つけたんだぞ、離れろ!」
バキッ
「ぎゃ」
P「あ、やべ、勢い余って殴ってしまった!? ――おい、起きろって、悪徳でも、さすがに傷害沙汰はまずいって!」
凛「た、助けてくれたの?」
P「なに、なんの話? それより、こいつを起こすのを手伝ってくれよ!」
凛「……そいつは起こさなくていいと思う」
P「そ、そう? 俺、訴えられないかな?」
凛「訴えられても、私が証言してあげるよ」
P「マジで!? いやぁ、よかった……」
凛「……ありがと。そっちはその気がなかったかもしれないけど、助かったから」
P「お、おう」
- 5 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/12(水) 18:59:14.12 ID:3lcpGgMc0
-
P(待てよ、ちょっとパニックになってたが、そうえば、俺はこの子をスカウトしようとしたんじゃないか!)
P(しかし、彼女からすれば、俺は目の前で男を一人殴り飛ばしてるわけだし、印象が悪いかもしれない)
P(それにこの子、意外と気が強そうだ。ここは言葉を少なく、颯爽と去ってしまおう)
凛「その……お礼がしたいんだけど」
P「これを受け取ってくれ」
凛「これって、名刺……」
P「縁が会ったら、また会おう」
凛「え、だから、お礼――は、速い……」
凛「××プロダクション……アイドルの、事務所?」
凛「……アイドル、か」
- 6 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/12(水) 19:00:05.33 ID:3lcpGgMc0
-
ちひろ「すごいです、プロデューサーさん! 凛ちゃんを筆頭に、どんどん候補生をスカウトしてきちゃうなんてっ」
P「プロデューサーとして、当然ですよ」
P(頭に悪徳、がつくけどな……くっくっく)
P「こうもうまくいくとは、やっぱり今は悪魔が微笑む時代なんだ!」
ちひろ「わ、急にどうしたんですか!」
P「く、口に出てましたか! ほ、ほら、好きな台詞が、つい口から、ね?」
ちひろ「ふふ、おかしな人ですねっ」にっこり
P(悪魔じゃなくて、事務員を笑わせてしまったぜ)
ちひろ「そうだ、プロデューサーさんは、どの候補生を担当したいですか」
P「……そうですね」
P(やっぱり、色々したいから、複数がいいな。けど、多すぎると手が回らなくなるし)
P「三人のユニットで、順に――」
- 7 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/12(水) 19:00:36.45 ID:3lcpGgMc0
-
P「ようやく、担当アイドルを持つことができた……」
P「これで俺は、プロデューサーの権力を振りかざし、あれやこれやできるんだ!」
P「くっくっく、今日がユニットとの顔合わせだ。芸能界の厳しさを、味あわせてやらないとな」
ガチャッ
P「おはよう、諸君!」
- 8 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/12(水) 19:01:16.89 ID:3lcpGgMc0
-
凛「あ、あんたが私のプロデューサー?」
本田未央「およ、どしたのしぶりん。なんだか焦ってない?」
凛「ちょっと驚いただけだから。それだけ」
未央「へー、ふーん、そーなんだ? ――あ、プロデューサーじゃん! よろしくねっ」
島村卯月「プロデューサーさんが担当だったんですか。一生懸命頑張りますから、よろしくお願いしますね!」
未央「あれ、しまむーもプロデューサーにスカウトされたの?」
卯月「未央ちゃんも? じゃあ、もしかして、凛ちゃんも……」
凛「私は、スカウトされたというか……お礼というか」
未央「おお!? これはなにかありそうですなー?」
P「おい、話を聞いてくれ」
- 9 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/12(水) 19:01:56.91 ID:3lcpGgMc0
-
P(俺好みの女の子を集めたユニットだ。楽しみで仕方がないぜ)
P「三人とも、トップアイドルになるためには、なにが必要だと思う」
未央「なんか、プロデューサーっぽいね!」
P「茶化すな! ほら、言ってみろ」
未央「やっぱり、ファンからの声援かな」
凛「本人の努力とか」
卯月「頑張ることですね!」
未央「しまむー、しぶりんと被ってますぜ……」
卯月「あ、ごめんね、凛ちゃん」
凛「別に気にしないけど」
P「話を聞けっての! どれもあるかもしれないが、もっとも大事なのは」
P「お前たちに仕事をとってくる、プロデューサーへの、ま――」
- 10 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/12(水) 19:02:45.64 ID:3lcpGgMc0
-
P(待てよ。枕営業って、俺が仕事を渡すから、成立するんだよな)
P(今の俺は新米だし、渡せる仕事はゼロ。つまり、アイドルも俺におべっかを使わないんじゃ……)
未央「どうしたの、プロデューサー。まの次は?」
P「え、あー、その、ま、ま……まことの信頼だ!」
卯月「大事ですよね!」
凛「……いいこと言うね」
P「そ、そうだろう? 俺が仕事を渡すのは、お前たちを信頼してるからだ。その信頼に、応えてくれなきゃな!」
P(なんとか誤魔化せたが、このままじゃダメだ! 早く、回せる仕事をとってこなくては)
卯月「良い人でよかったねー」
未央「うんうん、大人にしては熱血っぽいし!」
凛「……まあ、悪くないかな」
- 11 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/12(水) 19:03:20.04 ID:3lcpGgMc0
-
ちひろ「三人とも、人気になりましたね……これもプロデューサーさんのおかげです!」
P「いやいや、あいつらの実力ですよ」
P(……ちきしょー! 結局、手を出せないまま、とんとん拍子に人気になってしまった)
P(どんだけ地力があったんだよ。今となっては、俺が仕事を回さなくても、勝手に仕事が舞い込んでくる状態だ)
P(俺に枕営業をする必要がないアイドルの担当なんて、してても仕方がないじゃないか!)
ちひろ「ぷ、プロデューサーさん? 苦虫を噛み潰して味わい尽くしたような顔をしてますよ!?」
ちひろ「――あ、そうえば、凛ちゃんが呼んでましたよ? 行ってあげたらどうですか」
P「凛が?」
- 12 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/12(水) 19:04:02.64 ID:3lcpGgMc0
-
凛「――好き、です。私と……付き合ってください」
P(なんでこうなったんだ!?)
P「凛、気持ちは嬉しいが、お前はアイドルだぞ」
凛「そうだけど今は、プロデューサーの、気持ちだけを聞かせて」
P「俺はプロデューサーで、お前と付き合うわけには」
P(でも、アイドルと付き合うっていうのは、悪徳プロデューサーの特権、か)
P(いやいや、それはあくまで元アイドルだ。現役アイドルと付き合ったら、プロデューサーでいられないじゃないか!)
- 13 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/12(水) 19:04:37.89 ID:3lcpGgMc0
-
凛「立場とかじゃないって、言ってるでしょ……!」
P「すまない、凛。俺はプロデューサーでいたいんだ」
凛「そんな」
P「お前を輝かせてやれたのも、俺がプロデューサーだったからだ。だから、これを辞めるわけにはいかない」
凛「……そっか、そうだよね。プロデューサーは、プロデューサーだもん」
P(な、なんとかなった?)
- 14 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/12(水) 19:05:15.53 ID:3lcpGgMc0
-
P「すみません、ちひろさん。俺はもう、ここにはいれません」
ちひろ「え、ど、どうしたんですか!」
P(凛と気まずいし、なにより甘い汁が吸えないからな。悪く思うなよ、ちひろさん!)
P「ここでやれることは、もうやり尽したんです。俺は新しい環境で、アイドルを輝かせたい」
ちひろ「……ふふ、プロデュース馬鹿なんですね」
P(いつまでそう思っていられるか、見ものってもんだぜ)
ちひろ「時々、遊びにきてくださいね? みんな、プロデューサーさんが大好きですから」
P「ええ、もちろん!」
P(その時は芸能界の、裏の人種になっているはずだがな。くっくっく!)
- 15 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/12(水) 19:05:47.86 ID:3lcpGgMc0
-
「新しいプロデューサーか。君に担当してほしいのは、ライブバトルで負け続きの、猫キャラアイドルで」
P「任せてください!」
P(夜のネコナデ声を出させてやるぜ)
前川みく「新しいプロデューサーさんかにゃ? みくは気まぐれな猫だから、そう簡単には懐かないからねっ」
みく「みくのこといっぱいほめてくれるし優しいし、みくはもうPチャンが大好きにゃあ。ほんとだにゃ!」
P(あれぇ?)
- 16 :以下、2013年にかわりまして2014年
コメント一覧
-
- 2014年02月12日 21:20
- あちゃー、本物の悪魔には敵わなかったかー
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- 2014年02月12日 21:21
- 茄子さんに笑ったwww
確かにあの人しょっぱななら彼女ポジにいたからな…
-
- 2014年02月12日 21:25
- スタイリッシュ茄子さん
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- 2014年02月12日 21:27
- 今回はあまりちひろが悪魔に見えない不思議
-
- 2014年02月12日 21:30
- おもしろかったで。
-
- 2014年02月12日 21:31
- こういう嫌がらせしようと思っていいことしちゃう系もベタになったよなあと思いながら見てたらテンポ良すぎてすごく面白かった
オチまでの畳み掛けがすごい
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- 2014年02月12日 21:38
- もうこれこの設定のままシリーズにして欲しいぐらい、このPの後日談でもいいし似たようなPと別アイドルの設定でもいい
良作ですなぁ
-
- 2014年02月12日 21:38
- ちひろさんが悪魔?何をいってるそれ以上だろうて
-
- 2014年02月12日 21:39
- こういう出来のいい作品が短編だともったいないな
-
- 2014年02月12日 21:39
- 良い流れだ。最後はちひろさんという天使に飼われると言うことかな。
-
- 2014年02月12日 21:40
- すがすがしいまでのげすだった。まじでさいていなやつだな(棒)
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- 2014年02月12日 21:42
- 短かったけど勢いでスパッとしてて面白かった
逆に長くしてたらgdgdしてダメだったかも
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- 2014年02月12日 21:47
- ご主人様、ナナ…じゃなくて安部さんが出てませんよ。ナナはダメンズでも構いませんからね。
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- 2014年02月12日 21:56
- 悪魔さんへの風評被害事案がまた発生
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- 2014年02月12日 21:58
- こうなることを予測して切り札をとっておくとは流石ちひろそこらの悪魔とは格が違う
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- 2014年02月12日 22:05
- 俺には合わなかったようだ…。
Pに下心ってかそれが原動力ってのはやっぱ嫌だわ。(赤羽根PにしてもPヘッドにしても心の底からいい人ってのがあるからさ)
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- 2014年02月12日 22:16
- ※13
甘い汁なんで、JK組前後が良いんですよ菜々さん…
本編にも年少組・年長組いなかったでしょ?
-
- 2014年02月12日 22:18
- ドラえもんの道具であったよね
悪い事しようとしても善行につながるみたいな
-
- 2014年02月12日 22:18
- なんだ、平常運転じゃないか
-
- 2014年02月12日 22:20
- ※16
話としてはよくある展開なんだがなぁ……
俺としては別にこのPが本当にえぐいことをしたわけじゃないから好ましく思ったんだが
まあそう感じた人もいるよね
-
- 2014年02月12日 22:21
- ※13
安部さんはX十代後半ですからね…流石にちょっと甘い汁には…
-
- 2014年02月12日 22:24
- まーた悪魔へを風評被害が出てしまったのか
-
- 2014年02月12日 22:25
- このPのところにクール三重士が来ていたら、どうなっていたんだろうか・・・
-
- 2014年02月12日 22:32
- ※18
よい子バンドだっけ
オチでのび太が悪いことするのも難しいなあ的なこと言ってたのが好きだった
ドラえもんの返しが思い出せない…
※23
重婚待ったなし!
-
- 2014年02月12日 22:35
- ※20
いつだかに読んだ事務所を辞めるために嫌われようとするけど裏目裏目で結局好かれてしまうPのssは面白かったんだよ。
でも今回は枕営業とか言いかけてるレベルのクズPだったから嫌だったんだ。
-
- 2014年02月12日 22:36
- ※20
そこなんだよなあ
甘い汁を吸いまくるハーレム建設のために…目一杯仕事して女の子ホレさすぜ!
って書くと、DQNどころかなんだかアホな兄ちゃんでしかないっていうw
マネに惚れたから部活動始めました、っていうスポーツものとほぼ同じ感じにすら思えるw
-
- 2014年02月12日 22:43
- 本物の悪魔かそれ以上の存在に勝てるわけ無いじゃないですか
-
- 2014年02月12日 22:49
- ※25
タイトルプリーズ
-
- 2014年02月12日 22:52
- ※28
横からだけどこれじゃね?タイムリーで読んでた
P「ダメ男になってやる!」
-
- 2014年02月12日 22:53
- ※29
それそれ!
-
- 2014年02月12日 22:54
- ※28
クズではなくこれこそアホPって感じで俺的にはこっちのが好きなんだよね。765だけど。
-
- 2014年02月12日 22:56
- アイドルを次々寝とっていく展開も見たいけどな
-
- 2014年02月12日 23:11
- サタンも裸足で逃げ出す悪魔の名前は千川ちひろ
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- 2014年02月12日 23:13
- ※29
サンキュー
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- 2014年02月12日 23:16
- いいオチだ
悪い笑顔なのにちひろさんが天使に見える
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- 2014年02月12日 23:19
- このPはなんだかんだで困ってる人を見逃せないんだろうな…
好みは分かれるだろうけど、ブレないところは好印象だね(錯乱)
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- 2014年02月12日 23:24
- 凛がままゆ並みに怖いんですが
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- 2014年02月12日 23:33
- もう手を出しちゃいなよ(諦め)
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- 2014年02月12日 23:34
- テンポって大事だと再認識させてくれる
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- 2014年02月12日 23:46
-
このPは童貞
かくいう私も童貞でね
-
- 2014年02月12日 23:49
- 頼めばいくらでもなんでもしてくれそうなアイドル達だなwww
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- 2014年02月13日 00:00
- 自分から向かってくる獲物には燃えないって某英雄も言っていたからな。
-
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