バカ・スターバックスに並んだ自分がバカだった
LAでいま話題の「バカ・スターバックス(Dumb Starbucks)」―最初聞いた時はまたどこかのエロショップかと思いました。
マイク・ジャッジ監督のコメディー映画『26世紀少年(原題:Idiocracy)』に出てくるハンドジョブ出前するスタバみたいに「フルボディ・ラッテがたったの500万円」とかそういうの想像したんです。
で、他のLAっ子に混じって4時間も並んでしまいました。入り口の写真撮ってインスタグラムでアップして。中西部に住む親から「バカ・スターバックス? なにそれ?」ってメール来たんだけど、まあ、そのうちわかるからって並んでたんです。
Point made. It's not Starbucks that's dumb. It is us. MT @Sam_Schaefer More than an hour to get into @dumbstarbucks. pic.twitter.com/GMDOh3Fim5
— Michael Schneider (@franklinavenue) February 10, 2014
私がなんとなく期待したのは、スタバのポリシーを斬るザ・イエスマンのデュオの新企画とか、商標・特許法の問題を世に問う学生のプロジェクトとか、サイトでスタバのギフトカード買い取って自社製コーヒー豆売ってるLAのTonxみたいな冴えたマーケティング、みたいなもの。でもどれもハズレでした。
「あれは俺のプロジェクトだ」と嘘を触れ回るアーティストが出たぐらいで、Banksyっぽい社会風刺性もないし、ジェームズ・フランコも降臨してこない…。
バカ・スターバックスは、ただのお笑い番組の宣伝だったんです…orz
がっかりしたのは私たちだけじゃなかったようです。バカ・スターバックスのエプロン締めて現れた仕掛け人のコメディアン、ナーサン・フィールダー(Nathan Fielder)を取り囲む報道陣の中にも、話の途中でマイク撤去して去ろうとしてる女性リポーターがいました。
結局、保健局の人がきて店はたちまち閉鎖になったんですが、24時間後に寄ってみたら駐車場に車停めて写真撮ってる人とか目隠しシートの隙間から中を覗いてる人が何十人もいて、折りたたみ椅子の警備員にいろいろ聞いてました。警備の人も「閉鎖になったよ」「すごい人だったな」とテキトーに答えてましたけど。
店内では何やら真剣な面持ちで立ち話してる人が3人いて、あとモップで床拭いてる店員が2人。
駐車場に車停めて、ダッと写真撮って帰る人もいました。車に戻ると、もう次の車がスペース空くの待ってるんです。それくらい人気っていうか一躍話題のスポットになった感じ。
こんなに話題なんだから隣のアルメニア語一色のスーパーは野菜も新鮮だし、週末はさぞかしウハウハだったんだろうなーと思ってレジの女性に聞いてみたら「全然。むしろ減ったよ。駐車場に車停められないから」だって。そ、そっか…そこまで考えなかった…。映画のロケなら予め近隣に告知流しますけど、それもなかったそうですよ? かわいそうなんでバナナ買いました。
このスーパーから出てきたら、ちょうど黒いもじゃもじゃ頭の男がバカ・スターバックスにツカツカ歩いていくところでした。彼がドアを引いたら…開いた。なんだ、ずっと開いてたんか!!! ほうきの店員に「閉店中です」って通せんぼされましたが、「不動産ブローカーだ」って言って中に入れてもらってました。
その後お店には鍵がかかったんで、もう誰も入れなくなったんですけど、何分か置きにドア引っ張る人が現れて、「えー閉まってんの?」、「くっそー!」、「なんで閉まってんだよ」とか口々に言ってました。
あとは中見てもなんにもないのは分かってんだけど、とりあえず見る人たち、ですね。
最初は「あーバカ・スターバックのお陰でうちの近所も世界的に有名になったなあ」ってちょっとだけ感謝してたのに。ある話題でみんながひとつになるなんて滅多にないことですからね。
なんだか裏切られた気分です。これだけ話題になったんだから、もっと他にやりようがあったと思うんです。
例えば映画『26世紀少年』は本当にありとあらゆるロゴ、パンチライン(オチ)を風刺するところで「細かいところまでよく考えてるなー」って感動したけど、あのレベルのこともできたはずなのに。
フィールダーさんもTVでは面白い人なんですけど、これは全然面白くありませんでした。閉店になってからもジミー・キンメルの深夜番組に出て、衛生局と交渉して「また開店します」って真顔で喋ってましたけどね。
でもここで話してることは全部ウソ。ちょうどこの番組の収録してる火曜4:00p.m.には看板撤去して、店はもう畳んでたんですよ。
LAはこういうのしょっちゅうなんで、よっぽどのことがない限りウケません。隠しカメラ仕掛ける番組もここ生まれだし、街を歩けば撮影クルーがゴロゴロいて、フィルムスクールの学生が仕掛けたギャグもゴロゴロあって、結構自分は笑って喜んでたりするんですが、如何せん目が肥えてるので。これはLAでは通用しない…。単に閉店してから見にきた人たちがバカを見ただけでした…。
まあ、どうでもいいんですけどね。バカ・スターバックスの数km先ではもう別のスタントが始まってます。今度は盗作で叩かれたShia LeBeoufがギャラリーに7日間座り込んで頭から紙袋被って涙の公式謝罪だって。なんだそれ。
パンチライン期待する人たちが、もう角の先まで並んでるようです。
ALISSA WALKER(原文/satomi)
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