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http://japanese.engadget.com/2014/02/13/facebook/


Facebookが「カスタム性別」設定に対応、男 / 女のほか多数を用意 - Engadget Japanese


Facebook が、ユーザーの性別設定に「男・女」だけではないカスタム性別(custom gender)オプションを追加しました。custom gender はリストからの選択制ながら、問題のややこしさ / 人間の多様性を反映して優に数十種類を超す表現が選ばれています。
Facebook 内で人の多様性をサポートする取り組み Facebook Diversity のページによると、カスタムジェンダーオプションの追加は、ユーザーが真に自分らしいと思う自分を表現できるようにし、より快適に Facebookのサービスを使ってもらうため。

custom gender が選べるのは、現在のところ言語設定を米国英語にしている場合のみ。プロフィール設定 > 基本データ > 性別から " custom " を選ぶとテキストフィールドが現れます。


カスタムジェンダーのフィールドは自由入力のように見えますが、実際はジェンダー・アイデンティティの呼称リストが用意されており、入力した文字によって現れる補完リストから選択する仕組みです。

候補リストはほとんど同義の言葉も強いて整理せず、膨大なジェンダー種別語を網羅しています。例を挙げれば、「男性から女性」のMTF や逆のFTM、両方、中間、性別が迷子系、無性などなど。

Facebook によれば、この候補リストは複数のLGBT支持団体の協力を得て、人が自分の性について形容する際に使う言葉を集めて作成したとのこと。(LGBTは「レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスセクシュアル」の略)。


文化的なものも含めた性自認は究極の「本人がどう思ってるか」問題であるだけに、外から見れば全く同じ意味に思える言葉であっても微妙にニュアンスが違うから使い分けたい場合や、同じ言葉がひとつのグループでは自称なのに別のグループでは「意識の低い人が使う差別語」扱いだったりと、丸く収まるリスト作りは想像しただけで頭が痛くなる難題です。

かといって任意入力にすれば、いわゆる「宗教:ジェダイ」的なカオスになってしまい、性別欄として Facebook が求める機能を果たさないもうひとつの自己紹介欄になってしまうことは容易に想像できます。Facebookとしてはあくまでリストからの選択式にしつつ、表記としての候補は重複も微妙な差異も強いて整理せず膨大に用意することで解決を図ったようです。(Trans Male と Trans Man などあからさまな表記違いについては、内部的には同一扱いと思われます)。


なお「自分らしい自分」を率直に公言するといろいろと困ったことになる場合に備え、カスタム性別の表示範囲は友人だけや友人の友人まで、あるいはカスタムなど柔軟に設定できます。さらに、呼ばれる際に She / Her をつかって欲しいのか He / Him なのか、あるいはニュートラルに They / Themか、まで設定可能です。


Facebook がこうした面倒な実装をしてまでカスタムジェンダーを導入した背景には、もちろんユーザー情報を把握することが利益につながるという面もあるにしろ、多様性の尊重を掲げる米国企業らしい試みといえます。米国英語以外への拡大も無責任に期待したいところですが、各国語での用語の選定はまた難航を極めそうです。日本でもうっかりしたところでサンプルを取ると、「性別:漢」やら「男の娘」、「性別:受」etcが大量に並びかねません。