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それは2008年に死亡したヘンリー・モレゾン (享年82歳) のものだろう。彼の脳と神経科学との関わりは難治性てんかんの手術を受けた1953年(55歳)から始まった。
脳の一部を取り除いたことにより治療は成功し健康な状態であったが、不思議なことに記憶能力が失われていた。
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脳手術は成功したように思われたが、その直後から、モレゾンには新しい出来事、名前、人、場所、経験を記憶することができなくなり、さらに手術前の数年間分の記憶も喪失したという。
ヘンリー・モレゾン (1926-2008)
「今現在起こっていることははっきりしているが、直前に起こったことがわからない。まるで夢から覚めた時、夢の内容を思い出せないことのようだ」と彼は言った。
彼は毎日同じ看護師と医者に会っていたにも関わらず、毎回初見の人物であるかのように感じていたようだ。依然として知的能力も認知力もあるが、彼は職に就くことも一人で生きていくこともできなかった。長期記憶の結合組織がないため、彼の人生はまとまりのない断片的な瞬間の集まりへと変貌してしまったのだ。
彼は残された人生を脳の研究へと捧げ、常に最新の医療機器により検査、記録を行った。彼の死後、3Dモデルを作るために脳を凍結して2401分割された。このモデルにより、モレゾンの脳は従来考えられていたよりも除去されていたことが判明する。この発見は解剖学と、記憶の保管や作られる過程に新たな知見をもたらした。
via:neatorama・原文翻訳:R.Y.T
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