木々のシークレット・サウンドを盗み聴きする(音源あり)
もしも植物たちを「見た目」ではなく「音」で識別できたら…?
実はこれ、まったく非現実的な話でもないんです。すべての植物は、その生理機能に基づく独自のサウンド・セット…つまり「音の署名」を持っています。でも大抵の場合、それらは超音波距離なので私たちの耳に届くことはないんだそう。
植物の維管束系を流れる空気と水が、人間でいう「鼓動」「しゃっくり」「咳」のような音を生み出していることは、生物学者たちの間で以前から知られていること。スイスではこうした植物たちの発する音響を調査する「trees」というプロジェクトがあるんです。
聴診器を人間の胸に当てるようにして植物の音にじっと耳を傾けるのもモニター方法のひとつ。たとえば、木の維管束系の中で膜がはじけると、干ばつに対してどのくらい反応を示しているかをサインとして知ることができます。
Credit: Marcus Maeder
このプロジェクトは、コンピューター・ミュージック&サウンド・テクノロジー研究所(Institute for Computer Music and Sound Technology)とスイス連邦森林雪景観研究所(Swiss Federal Institute for Forest, Snow and Landscape Research)による、科学とアートを融合させた共同プロジェクト。
木の音を録音したサラウンド音響インスタレーションは、米国では2012年にswissnex SanFranciscoで展示されました。目を閉じてマクロフォンの林に佇めば、音の森へと運ばれます(それは必ずしも馴染みのある森ではありませんが)。さらさらと触れ合う葉っぱの音や小枝の折れる音の代わりに聴こえてくるのは、パチパチとした音やクリック音、ホワイトノイズのような音。スコットランド松が内部に蓄えていた弾性エネルギーを音波放出するときにはこんな音が出ます。
木々は飛んだり跳ねたりしませんが、植物ならではの静かな方法によって動力を持っています。こうした録音を行うことで普段は物静かな彼らの声を聴くことができ、木々の繊細なダイナミズムがあらためて思い起こされます。
[Marcus Maeder]
Lead image credit: Marcus Maeder
SARAH ZHANG(Rumi /米版)
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