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「夜毎の指先/真昼の果て」お姉ちゃんが大好きだから:ヤマカム
    
    「夜毎の指先/真昼の果て」お姉ちゃんが大好きだから
    20140216 # 夜毎の指先, 真昼の果て, 仙石寛子, お勧め漫画 | 楽園

    夜毎の指先/真昼の果て

    俺の中で世界で一番可愛い実姉を描く漫画家が仙石寛子先生なわけですが、先日発売した「夜毎の指先/真昼の果て」に収録されている「夜毎の指先」もくそ良かったわけです。楽園でBL系4コマの「真昼の果て」、実姉弟ものの「夜毎の指先」、女性同士の不倫もの「どうせまた、朝が来るから」が収録。

    「真昼の果て」は幼馴染の三角関係。
    ただし「男→男←女」という関係。幼馴染同士の男女が付き合う事になったら、親友・男が「お前が好きみたいだ」とか告白してきてさあ大変。なんとも気まずい三角関係がはじまるのでした。

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    真昼の果て

    あまりBL漫画を読まない私は最初こそ違和感を感じ、「ちっ!BLかよ」と思いながら読んでいたら、なかなかどうして。すっかりとハマってしまいました。なんのかんので仙石寛子作品はぶれません。結局は「不毛な恋」をこれでもかと描きストライクじゃないですか。

    思わず苛めたくなるヒロインを描くのが仙石寛子作品なんですけど、今作では主人公が苛めたくなる役割どころですよ。この恋愛模様の距離感よ。

    BL系作品といってもグイグイと「仙石寛子ワールド」に引き込まれてしまいます。独特の空気感っていうの?この人の描く作品は安定した「悲恋テーマ」がある。普通に考えたらセンセーショナルな世界観(担任と生徒とか女の子同士とかお姉ちゃんと弟とか)なんだけど、独特の雰囲気があります。

    あー、このもの悲しい切ない感じはの空気感は仙石寛子ワールドだわと頷きながら読んだものです。それはBL系(?)でも変わらない安定感であります。普通に考えれば禁忌的な恋愛事情がツボでもあります。

    そして、僕が大好きなテーマは「実のお姉ちゃん」なんです。
    「夜毎の指先」はそれをこれでもかと凝縮している。

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    夜毎の指先

    きましたね。
    実の姉弟による恋愛事情が!

    両親がいない夜、実の姉が弟にキスしているところから物語はスタート。「好きなの」「ごめんね」とか泣きながら独白するお姉ちゃんに僕の心の琴線を鷲掴みにしやがります。きたきたきた。こういうのでいいんだよ、こういうので。

    まあこれがやっぱり不毛な恋なのですよ。
    この不安定な恋愛模様が大好物な僕は、頬をニヤニヤさせながら姉弟の恋愛事情を見ていたものです。いいよねこの雰囲気。この空気感は仙石寛子先生にしか描けない独特のものです。とにかく日常の姉弟のやり取りが、もの悲しさを含んでいて最高にツボです。この時点でドップリはまってしまいましたね。実の姉弟最高ー!

    しかし、進めば進むほどイバラの道なのは言うまでもありません。
    なんかめんどくさい姉とそれに振り回される弟の図式。

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    このお姉ちゃんよ

    禁忌的的な恋愛事情が僕の心の琴線に触れるのですけど、このお姉ちゃん本当にめんどくさいのな。自分から距離縮めてきたくさに、弟が距離詰めようとすると離れるというね。かといって不意打ちのように「好き」とか言ってくるわけですよ。
    なんというめんどくさい姉。
    しかし、その姉がクソ可愛いから困ってしまいます。

    描写こそマイルドなんだけど本当はドキツイ姉弟の恋愛事情。いいね、すごくいい。愛されなくていい、けど愛したいという付かず離れずの恋愛の千年戦争こそ作者の特徴よ。この微妙な距離感こそ究極の一品であります。そんな実の姉弟の距離感を描いたことは至高の一品。ムズ痒い、切なさ全開の姉弟模様です。

    しかしです。
    仙石寛子作品はぶっちゃけて「結末」を描かないことに定評があります。
    「悲恋」「不毛な恋」を主軸として、キャラのもの悲しい切なさをクローズアップさせるのが素晴らいし。素晴らしいのですけど、読後に「この後どうなるんだろ…?」と思わせる絶妙なスン止めが気になるところでもあります。

    いや、こいれが決着だと言われれば納得できなくはないけど、やはり実の姉弟の行き着く先を見たいと思うのは人の常でしょう。読後にもやってするのが良いっちゃ良いんだけど、この後どうなったんねんと思うのも仕方ない、仕方ないよー!しかし、この結末描きらないこの良さでもある。

    結末ぼかしつつも描かれる「過程」は素晴らしいの一言。
    いち姉好きとしても満足できるお姉ちゃんっぷりでありました。ラストのお姉ちゃんの独白はストレートど真ん中の速球で胸熱の一言です。

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    ドストライクですよ

    実妹
    「すごいなぁ」
    「弟なんか好きになって、好きになってもらって」
    ほんとはちょっと幸せだったの

    やばいね。
    3話の弟をを好きになって「幸せだって思ったことなんかなかった」と比べても、グッとくる台詞です。これ続きどうなんだよというところで絶妙なスン止めされるから、もやもやして仕方ありません。

    「どうせまた、朝が来るから」はサラッと読みやすい軽いノリで女の子の同士なら大丈夫という不倫もの。こいつも、この後どうなんねんと思わせてくれる絶妙なスン止めっぷり。むしろ、このスン止めがツボに嵌ってしまいます。

    でもね、一度でいいから見て見たい。
    仙石寛子作品の不毛な恋の結末を!

    <関連>
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    「三日月と蜜」のトキメキがヤバイ!
    「背伸びして情熱」がマーベラス!

    夜毎の指先/真昼の果て
    仙石 寛子
    白泉社
    三日月の蜜 (まんがタイムコミックス)
    仙石 寛子
    芳文社 (2010-10-07)


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