1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/21(金) 21:58:15.52 ID:QQBzDJ8S0

姉「どうした」

弟「友達に嫌われたみたいなんだ」

姉「心当たりは」

弟「全くない」

姉「それは確かに困ったね」

弟「いきなり『キモいから近寄んな』だと」

姉「辛いね」

弟「それでちょっと2時間前くらいからやり直したいんだけどタイムマシーンとかある?」

姉「私はドラえもんか」

弟「さすがに無理だよね」

姉「あるよ」

弟「あるんだ」






 
3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/21(金) 21:59:33.70 ID:QQBzDJ8S0

姉「これ」

弟「なにこの電子レンジ」

姉「さっき完成したタイムマシン」

弟「どうやって使えばいいの」

姉「躊躇ないな。とりあえず扉を開けて入ってみて」

弟「どうみても頭しか入らない」

姉「じゃあ頭だけでいい」

弟「じゃあて。これでいい?」

姉「いいよ。扉閉めるね」

弟「痛い痛い痛い。頭しか入ってないのに閉まるわけがない」

姉「ごめん」

弟「いいよ」





9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/21(金) 22:01:25.17 ID:QQBzDJ8S0

姉「準備はいい?」

弟「頭つっこんでるだけだけど多分いいよ」

姉「失敗したらごめん」

弟「失敗したらどうなるの」

姉「頭がものすごい勢いで温められる」

弟「電子レンジとしての機能は取り除いてないんだ」

姉「では2時間前にタイマーをセットして、はい」

弟「はい」

ひゅん

姉「しまった。頭だけ飛んでった」





10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/21(金) 22:02:41.50 ID:QQBzDJ8S0

2時間前

弟「おそらく2時間前に到着したけど頭から下の体がない。どうしよう」

友「うわ、なんだお前」

弟「やあ友ちょうどよかった。俺は未来からお前に謝るためにやってきた」

友「なんで頭だけ宙に浮いてるんだよ。気持ちが悪い」

弟「気持ち悪いってなんだよ。殺すぞ」

友「あ?お前こそぶっ殺すぞ。でも気持ち悪いから近寄るな」

弟「なんだとコラ。近づいてやる」

友「こっち来んな死ね」

弟「しまった走って逃げられた」

弟「とりあえず残りの体を取り戻そう」

弟「そうだ2時間前の姉ちゃんに頼もう」





12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/21(金) 22:05:44.73 ID:QQBzDJ8S0

弟「おい姉ちゃん俺の体を返せ」

姉「どうした」

弟「俺は2時間前の俺だ。2時間後の姉ちゃんにタイムマシンを借りて今にやってきた」

姉「なるほど。では2時間後の私に弟の残りの体を送ってもらうように頼めばいいんだね」

弟「話が早くて助かる」

姉「届いた」

弟「早いな」

姉「さすがに向こうも処理に困ったんだろう」

弟「人の体をゴミみたいに」

姉「それっぽくくっつけるからじっとしていて」

弟「出来れば雰囲気でごまかさずちゃんとくっつけて欲しい」





13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/21(金) 22:06:18.51 ID:QQBzDJ8S0

姉「直った」

弟「ありがとう」

姉「そう言えばなんで2時間前に来たの」

弟「そうだった友と和解するためだった。じゃあな姉ちゃん」

姉「頑張れよ」





14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/21(金) 22:06:51.13 ID:QQBzDJ8S0

弟「今度は体もあるしちゃんと謝ろう」

弟「言ってたそばからこちらにやってきている友を発見」

弟「ん、向こうからも人影が」

弟「あれは2時間前の俺か」

弟「ここで俺が登場して2人の俺を見た友はさらに気持ち悪がるだろう」

弟「しばらくここで様子を見ていよう」





15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/21(金) 22:07:48.15 ID:QQBzDJ8S0

前弟「やあ友」

友「うわ、またお前か」

前弟「またってなんだ」

友「キモいから近寄んなよ」

前弟「いきなりひどすぎるだろ」

弟(全部未来の俺のせいだったのか)





16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/21(金) 22:08:31.58 ID:QQBzDJ8S0

弟「なるほど。そのせいで前弟はその後姉ちゃんのところに行って2時間前に戻るのか」

弟「それが俺なわけか」

弟「ややこしい。頭痛くなってきた」

弟「というかどうやって2時間後に戻ればいいんだろうか」

弟「よくわからないし暇だから未来でも変えよう」





18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/21(金) 22:09:11.84 ID:QQBzDJ8S0

弟「やあ前弟」

前弟「俺じゃないか」

弟「俺だ」

前弟「お前も俺だ」

弟「ややこしいな」

前弟「呼び名を決めよう」

弟「俺が1号、お前が2号ということで」

前弟「いいよ」





19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/21(金) 22:10:27.05 ID:QQBzDJ8S0

1「というわけで友が俺を気持ち悪がっていた理由はずばり俺のせいだ」

2「なるほど。解決するはずがまさかの原因そのものだったんだな」

1「ごめん」

2「いいよ」

1「そして通常ならこのまま2号が姉ちゃんのところに行って1号となるわけだ」

2「1号は姉ちゃんに会う前に2号として1号にこうして会ったの?」

1「会ってない。暇だから未来を変えにきた。それにしてもややこしいな」

2「大丈夫なのかそれ」

1「よく考えなくても俺が同じ時間に2人いるのは変だな」

2「それは確かに気持ち悪いな」

1「とりあえず姉ちゃんのところに行こう」





20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/21(金) 22:11:18.60 ID:QQBzDJ8S0

1「姉ちゃん、わりと大変なことになった」

姉「なるほど未来を変えようとしたのか」

2「さすが姉ちゃん話が早い」

1「どうしよう姉ちゃん」

姉「弟が2人もいるのはおかしいから1人にしよう」

2「わかった」

1「どうするの」

姉「人体実験したいから1人実験台になって欲しい」

2「弟はモルモットじゃないぞ」





21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/21(金) 22:12:03.05 ID:QQBzDJ8S0

1「で、どっちが犠牲になろうか」

2「俺は2号で新しいから古い方の1号なんじゃない」

1「なるほど。でもちょっと待ってくれ」

2「どうした」

1「よく考えたら俺とお前では俺の方が未来人なんだから実はお前が1号ではないのだろうか」

2「言われてみれば確かに」

1「ということで生贄は2号改め1号でいい?」

2「いいよ。どうせどっちも俺だし」

姉「じゃあこの装置に入って」

2「わかった」





22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/21(金) 22:12:53.46 ID:QQBzDJ8S0

弟「晴れてオリジナルに復帰したわけだけどその装置なに」

姉「妹を作る装置」

弟「材料がおかしくないか」

姉「一旦全部溶かして遺伝子にある物を混ぜ合わせれば多分いける」

弟「バレンタインのチョコレートみたいだな」





23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/21(金) 22:13:43.21 ID:QQBzDJ8S0

姉「できた」

弟「もうノーベル賞もらってきなよ」

姉「はちみつきんかんのど飴はよく食べてる」

妹「はじめまして」

姉「こちらこそ」

弟「こちらこそ」

妹「私は誰ですか」

姉「私たちの妹です」

妹「わかりました」

弟「さすが我々の血筋、話が早い」





24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/21(金) 22:14:20.50 ID:QQBzDJ8S0

弟「それにしても姉ちゃんはほんとすごいな」

姉「正直成功するとは思わなかった」

弟「じゃあさ、空を自由に飛べたりする発明はないの?」

姉「そんなのあるわけがないだろう」

弟「ないんだ」

姉「空を飛ぶことの難しさをなめるなよ」

弟「弟を材料に妹を人体練成した人が言うか」

姉「空を束縛されながら飛ぶ発明ならある」

弟「新しい」





25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/21(金) 22:15:33.31 ID:QQBzDJ8S0

姉「亀甲縛りコプター、略してキッコプターだ」

弟「なるほど。妹使ってみなよ」

妹「わかりました」

ぴゅーん

弟「思ったより遠くに飛んでいったな」

姉「燃料1回分しか積んでなかったけど大丈夫かな」

弟「詰んでるよそれ」





26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/21(金) 22:18:09.72 ID:QQBzDJ8S0

とある芸能事務所前

妹「前回り受身でなんとか着地に成功しました」

P「うわ、美少女が空からふってきた」

妹「こんにちは」

P「こんにちは。アイドルになりませんか?」

妹「よろしくお願いします」

P「うわ、話が早い」





27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/21(金) 22:19:02.82 ID:QQBzDJ8S0

姉「はいもしもし」

P『かくかくしかじか』

姉「よろしくお願いします」

P『ご両親がお姉さんとお兄さんとお聞きしたのですが』

姉「正確には弟とはちみつきんかんのど飴から生まれました」

P『すごい』

姉「妹に応援しているとお伝えください」

P『うちの看板アイドルにしてみせます。それでは』

姉「妹がアイドルになりそうだ」

弟「俺ものど飴食いながら歌えば売れるかな」





28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/21(金) 22:19:42.78 ID:QQBzDJ8S0

テレビの中の妹『潤う喉から手が出ちゃほど〜♪ア・ナ・タ・が♪スキスキ♪』

弟「まさか世界ツアーを行うほど売れるとは」

姉「巷じゃ亀甲縛り系ファッションが大流行らしい」

弟「特に男性の間で流行ってるとか」

姉「いわゆるキッコーマンだな」





29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/21(金) 22:20:13.93 ID:QQBzDJ8S0

姉「妹が仕送りしてくれるおかげで研究資金に困らなくて助かる」

弟「今度は何つくったの」

姉「幼馴染製造機」

弟「なるほど」

姉「幼馴染欲しいでしょ?」

弟「欲しい」

姉「じゃあ、作るから協力して」

弟「いいよ」





30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/21(金) 22:20:52.20 ID:QQBzDJ8S0

姉「この機械の中に入って」

弟「いいけどなんで」

姉「弟の情報を与えないと幼馴染になれないから」

弟「わかった」

姉「じゃあデータの収集を開始するよ」

びーん

姉「しまった間違えて記憶を全部消去してしまった」





31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/21(金) 22:21:28.62 ID:QQBzDJ8S0

弟「あなたは誰ですか」

姉「姉です。間違えてあなたの記憶を全部消してしまいました」

弟「なるほど」

姉「ごめん」

弟「いいですよ」

姉「思ったより何も問題が起きなかった」

弟「ちなみにどういう過程でこうなったんですか」

姉「幼馴染を作ろうとしたらこうなりました」

弟「わかりました」

姉「理解が早くて助かります」





32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/21(金) 22:22:09.73 ID:QQBzDJ8S0

姉「特に問題がないようなので幼馴染作りを続けます」

弟「了解しました」

姉「先ほどの妹は弟をベースに作りましたが、今回はこれをベースに幼馴染を作ります」

弟「ニワトリですか」

姉「さすがに人間はもう手に入らないので今回は飼育小屋に落ちていたニワトリで頑張ります」

弟「まだ活き活きと生きていますね」





33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/21(金) 22:22:58.38 ID:QQBzDJ8S0

姉「装置にいれます」

弟「はい」

姉「これを先ほどの弟の記憶を与えながら幼馴染を作っていきます」

弟「僕自身、もう僕の記憶を持ってないんですがそれは幼馴染として成立するのでしょうか」

姉「よくわかりません」

弟「そうですか」

姉「スイッチオン」

みょーん

姉「あっ」

弟「今『あっ』って言いましたね」





34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/21(金) 22:23:29.64 ID:QQBzDJ8S0

弟「どうしたんですか」

姉「設定を間違えて記憶を丸ごと与えただけで終わってしまいました」

弟「つまりどういうことですか」

姉「簡単に言うと弟の脳みそを持ったにわとりの完成です」

弟「それはそれですごいですね」

姉「これぞまさに」

弟「なんですか」

姉「とりあたま」

弟「よくわかりませんが1発ぶん殴っていいですか」





35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/21(金) 22:23:58.80 ID:QQBzDJ8S0

姉「困った。人間以外の生き物から記憶を抽出する方法はまだ発見していない」

弟「さすがにニワトリに青春の思い出を奪われるなんてあんまりです」

姉「誰か頼りになる人はいないだろうか」

弟「僕に聞かれても困ります。あなたがことの発端なんですから自分でどうにかしてください」

姉「それだ弟くん」

弟「なにがですか」

姉「過去の私にどうすればいいか聞けばいいんだ」

弟「タイムマシンでもあるんですか」

姉「あるよ」

弟「あるんだ」





36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/21(金) 22:24:40.63 ID:QQBzDJ8S0

姉「というわけで、今の私はテンパってるので過去の冷静な私に今までの事故を未然に防いでもらいましょう」

弟「時系列とかすごいことになりそうですね」

姉「これぞまさに自己解決」

弟「反省してるんですか」

姉「これがタイムマシンです」

弟「どう見ても電子レンジですね」

姉「ここに先ほどのニワトリを入れます」

弟「これを過去に飛ばすんですか」

姉「その通り。これを送れば過去の私は色々想像して今までの過ちを防いでくれるはず」

弟「メモとか一緒に入れればいいじゃないですか」

姉「あ。もう閉めたから送るまで扉開けない」





37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/21(金) 22:25:14.87 ID:QQBzDJ8S0

姉「では、送るとしよう」

弟「過去のお姉さんほんと頼みますよ」

姉「多分このスイッチを押せば一瞬で変化が起こるだろう」

弟「僕だけでもいいので助かりたいです」

姉「スイッチオン」

チーン

姉「あれ」

弟「どう見てもローストチキンが出来上がっています」





38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/21(金) 22:25:51.34 ID:QQBzDJ8S0

姉「おいしいね」

弟「うん」

姉「レンジモード解除するの忘れてた」

弟「まさか僕の記憶がレンチンされるなんて」

姉「ごめん」

弟「いいよ」

妹「お姉ちゃんお久しぶりです」

姉「お帰り妹。どうしたの」

妹「久々のオフだったので帰ってきました」

姉「よく帰ってきたね。ローストチキン食べる?」

妹「はい!」





39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/21(金) 22:26:21.33 ID:QQBzDJ8S0

妹「お兄ちゃんもお久しぶりです」

弟「はじめまして。君があの妹か」

妹「はじめまして?」

姉「私の手違いで記憶が全部無くなっちゃったんだよ」

妹「それはお気の毒に」

姉「でもまた0から思い出を作っていけばいいよね」

妹「私たち家族ですからね!」

弟「なんか腑に落ちないけどまあいいや」





41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/21(金) 22:26:52.19 ID:QQBzDJ8S0

数日後

弟「友達のことも全部忘れたけどまた作ればいいか」

友「よ、よお弟」

弟「やあ」

友「この間はあんなこと言ってごめんな」

弟「なにが」

友「いや、この間俺結構お前にひどいこと言ったじゃん?」

弟「っていうか君は誰だ?」

友「は?」

弟「あ、もしかして君は僕の友達?」

友「なんだその言い方は」

弟「うわ怒った」

友「人が下手に出りゃそういう態度かよ」

弟「ちょっと待った落ち着いてくれ」

友「キモいから近寄んな」





42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/21(金) 22:27:30.87 ID:QQBzDJ8S0

弟「姉ちゃん、友達に嫌われたみたいだから助けて欲しい」

姉「いいよ」

-fin-





43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/21(金) 22:28:17.66 ID:QQBzDJ8S0

以上、家族の愛を描いた感動のSSでした
せんきゅー!





45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/21(金) 22:34:03.98 ID:Da4LnuP50

おつ





46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/21(金) 22:34:28.45 ID:PYivB45b0

おもしろかった





47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/21(金) 22:38:35.41 ID:BROFTxiG0

普通におもしろいな





48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/21(金) 22:47:56.38 ID:aqLUNsGC0

GJ





49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/02/21(金) 22:54:31.68 ID:esDuwWdO0








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