五輪マラソンの世界最速ではなく世界最長記録を、日本人の金栗四三氏が持っていることを、以前ご紹介したことがあります。
(参照:五輪マラソンの世界最長記録は54年8ヶ月)
1912年のストックホルム大会で倒れて棄権したものの、連絡ミスでオフィシャルに伝わらなかったことから「行方不明」扱いとなり、54年後の記念行事で改めてゴールが認められたというストーリーでした。
海外掲示板で、後日談を交えた最長記録で盛り上がっていたので、ご紹介します。
54年8ヶ月6日5時間32分20秒3でゴールを果たした瞬間、「日本の金栗がただ今ゴール。タイムは55年…。これで第5回ストックホルム大会の全日程は終わりました」とアナウンスされた。これに答えて四三は「長い道のりでした。この間に孫が5人できました」とユーモアあふれるスピーチをした。
(熊本県教育情報システム:金栗四三展・図録)
金栗四三(かなぐり しそう)選手が40度近い猛暑によって倒れたとき、実は農家で助けられており、目を覚ましたときには翌日になっていたそうです。
その後、日本マラソンの発展に大きく貢献した金栗四三さんでしたが、54年後経ってからスウェーデン・オリンピック記念行事から招待状が届き、心残りだったゴールを果たすことができたのです。
このマラソン最長記録と、その背景となる話がすばらしいと、海外掲示板で取り上げられていました。
コメントを抜粋してご紹介します。
●なんと言うか、1000分の1秒までちゃんと記録していたのがうれしいよ。
↑ちゃんと記録をとるか、家に帰るかのどちらかなんだ。
↑技術的に正しいか正しくないかしかないんだ。
●彼はそのマラソンを完走する前に、他のいろんな大会で完走したみたいだよ。
●彼が居間でビールを飲みながらテレビを見て、「あのマラソンを完走すべきかどうか?」と考えているのを想像した。「いや、やっぱ来年だな……」とか。
●そのタイムをまだオレは抜けない。
↑その態度では無理だ。
↑なかなかつらいペースだぞ。1時間3.5cmだ。
●モンティ・パイソンの「世界かくれんぼ決勝」のエピソードを思い出した。
●ちなみにこれがそのマラソンのスタート
Olympics 1912 Marathon - YouTube
↑これがスタートなら、終わりはカラーになってるだろう?
●スウェーデンはどうして彼を行方不明としていたんだ。1920年のアントワープ・オリンピックに出場してたら気づいてもよさそうなのに。
↑「おい、あれは行方不明の日本人に似てるな。だが差別主義者のように思われても困るからな」
●スウェーデン人だけどこの話はもう何度も聞いたよ。神話のようになってて、父親も年に何度もこの話をする。(話が好きで、そう信じているみたい)
実際この男性は脱水症状を起こしておばあさんに水などをもらったとか、あるいは彼が迷子になって、おばあさんに出会って助けてもらったとか言う話になっている。
↑脱水症状を起こして倒れたんだよ。そうしたら農家の人に助けられて家に連れていかれて、命を助けられたんだよ。翌日目を覚ますとレースは終わっていて、それで日本へ帰ったそうだよ。
2012年には彼のひ孫が、100年ぶりのお礼を言うために、その子孫をストックホルムまで訪ねたそうだ。
そのときの動画
100年後、ひ孫がお礼 ストックホルム五輪 - YouTube
●たった今、オリンピック選手の記録を抜けるということに気がついた。
とても微笑ましいストーリーだとして、掲示板も盛り上がっていました。
スウェーデンでは、よく知られた美談として今でも語り継がれているのが、うれしくなりますね。
TIL at the 1912 Olympics, a marathon runner quit and went home to Japan without telling officials.