戻る

このページは以下URLのキャッシュです
http://elephant.2chblog.jp/archives/52072959.html


妹「お兄ちゃん。私が作ったお弁当食べなかったでしょ?」|エレファント速報:SSまとめブログ

TOP

妹「お兄ちゃん。私が作ったお弁当食べなかったでしょ?」

1 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/20(木) 23:39:47 ID:B2T5/rA2

男「えっ?」

妹「でしょ」

男「な、なわけ無いじゃんよー? 急に何だよ妹ぉ~」

妹「気づかないと思った?」ガサリ

男「…ん?」

妹「これ。学校のゴミ箱の中に入ってたよ、ビニール袋に入ってね」

男「…あの…」

妹「このビニール袋の中身はなんだろなーなんだろなー……あ! 私が作った弁当の中身だ!」

妹「うふふっ」

妹「なんで? なんで捨てたの?」



3 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/20(木) 23:42:24 ID:aB9L3DlA

男「ご、ごめんなさ…」

妹「え?なんで謝るの? …私謝ってとか言った?」

男「いや、待って、聞いてくれっ! そのな、あのな!」

妹「えいっ」

ダァアンッ!

男「ひっ」

妹「…もう一回だけ聞いてあげるね、お兄ちゃん」

妹「なんで捨てたの?」

男「……」ダラダラ

妹「教えて」

男「…その、ですね、えっと、ですね…ハイ…」

妹「声が小さくて聞こえない」

男「あのっ! ですね! そのぉ~ワケを話すと長いと言いますかぁ…」



4 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/20(木) 23:43:24 ID:aB9L3DlA

妹「……」

男「とりあえず、その包丁は下ろしたほうが良いなって…兄ちゃん思うけど…」

妹「…あ、うん? そっか、ごめんごめん。なんだかお兄ちゃんを脅してるみたいだもんね、これじゃあ」すっ

ストン ──ビィィィィン!

妹「これでいい?」

男「なにやってんの!? もう少しで俺の足の指チョンパだったけど!?」

妹「あ。靴下に穴が開いてるよ?」

男「今お前が開けたんですぅ! …待って、違う! 今のは兄ちゃん反抗したわけじゃない!」

妹「じゃあ前から開いてたんだよね?」

男「…うん」コクリ

妹「よっし。じゃあ聞かせてもらおうか、ばっちこい! なんで捨てたの! はいっ! 言って言って!」

男「…その、えっとだなぁ」ポリポリ

男「──彼女、出来た感じかな?」



5 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/20(木) 23:44:52 ID:aB9L3DlA

男「えへへ」

妹「………」

男「うん、そんな感じなんですけども…」

妹「ふーん」ズッポリ

男「うひっ!」

妹「そーなんだ、お兄ちゃん。彼女ができたんだぁへーぇ」

男「う、うん」

妹「誰? どのクラスの娘?」キンキン

男「えっと…後輩かな。それよか妹さん、ちょっと包丁の切っ先で遊ぶの止めてくんないか…」

妹「後輩?」ズビシ

男「あぶぃっ!?」

妹「後輩って、なにそれ。後輩って、まさか…私と同学年ってコト?」

男「うんうんうんっ!」コクコクコク



6 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/20(木) 23:45:46 ID:aB9L3DlA

妹「…誰だろ、お兄ちゃんの彼女になる物好きなんて」

男(失礼な…!)

妹「それで? なんで彼女が出来たからってお弁当捨てちゃうの? 馬鹿なの?」

男「馬鹿とか言うなよ…だって、彼女さんだぞ? 目の前でお前の弁当なんて食べれないだろ…」

妹「私、妹。お兄ちゃんの妹、おーけー?」

男「おーけー」

妹「じゃあ別にいいじゃん。捨てなくてもいいじゃん」ブンブン!

男「うぉおっ…!」ヒョイヒョイ

妹「理由は他にある! と見ましたよ、妹さんはね」

男「うっ…」

妹「ほら、言ってみ。妹ちゃん怒らないから」

男「…ほんと? 怒らない?」

妹「ほんとほんと。怒らない怒らない」



7 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/20(木) 23:46:56 ID:aB9L3DlA

男「そういって実は聞いたら怒るんじゃない?」

妹「しつこいな。怒るよ」シュッ

男「やめて! ごめん! …わかった、言うからさ」

妹「うん。早く言って」

男「はぁ~、えっとだな。その俺の彼女さんなんだがな」

妹「彼女さんが?」

男「お前の」

妹「うん」

男「…同じ部活の娘」

妹「え? 嘘?」

男「…う、うん」

妹「同じ部活の娘って…それに下級生って…」

男「なんとなく分かるだろ。その娘だ、名前は───後輩ちゃんだな」



8 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/20(木) 23:47:48 ID:aB9L3DlA

妹「後輩ちゃん…」

男「うむ。しかもお前の友達と来たもんだ、こりゃーちょっと気まずいって感じでさ…」

妹「………」

男「あの、妹さん?」

妹「だから捨てたんだ…」

男「へっ?」

妹「後輩ちゃんが彼女、になったから…捨てたんだよね、お兄ちゃん。お弁当を」

妹「──私が作ったお弁当、捨てたんだよね?」

チャキ

男「oh…」

妹「そうなんだよねっ? そうじゃなかったら捨てないもんねっ?」

男「…うん」コクリ

妹「そっか、そっか。そーなんだ、後輩ちゃんがねぇーえ、うふふっ」フラリ

妹「どうしよっか? とりあえず包丁で刺して見る?」



9 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/20(木) 23:48:36 ID:aB9L3DlA

男「さり気なく出した提案が怖いぞッ!」

妹「だって、さ。だってさ! 後輩ちゃんだよ!? すっげー駄目だよ! どうして彼女にしたの!?」

男「お、俺の勝手だろ! す、すきになったから…だよっ」

妹「キモい!」

男「酷い!?」

妹「んなこと言うお兄ちゃんじゃないでしょ! 言わない言わない! 絶対に裏がある!」

男「裏ってお前…」

妹「…そーだ、お兄ちゃんじゃきっと口割らないし。後輩ちゃんに聞こっと、脅して聞こっと」

男「おーいやめろやめろー」

妹「きっと何かがあるんだよ…私が把握できない暗部ってやつがね…」

男「お前、後輩ちゃんとお友達だろ…」

妹「友達だからだよッ!」ブン!

男「うわぁっ!?」ヒョイ



10 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/20(木) 23:49:59 ID:aB9L3DlA

妹「友達だからッ…【友達】だから、脅して聞かなくちゃいけないんだよ!? わかってる!? んにゃーお兄ちゃんじゃわかんないねっ!」

男「お、女の友情に関しては無知なのは認める…! だが脅すのは絶対に違うと言い切れるぞ!」

妹「てりゃー!」シュッ!

男「フンヌッ!」

ぱしぃぃいっ!

姉「んなろーさっきから騒がしいわね。もう夜だぞー」ガララ

妹「ふんっ」ケリ!

姉「ゴフッ」ドタリ

男「おねぇ───ちゃ───ん!!!!」

妹「…良いから聞かせてよ、どうして欲しいのお兄ちゃん」

男「はぁっ…はぁっ…えっ…?」

妹「私にどうして欲しいんだよ…だって、だって…捨てちゃうんでしょ…!?」

男「お、おう…捨てなきゃな…うん…」



11 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/20(木) 23:51:07 ID:aB9L3DlA

妹「じゃあ私何をすればいいの…! 次に何を頑張れば────」

妹「──お兄ちゃんの目の前にっ……居られるの……っ!?」

男「お前…」

妹「言ってよ!! お兄ちゃんが教えてよっ!!」

ポロポロ…

妹「わたし…わかんないよ、もう…どうすればいいのか…グス…」

男「……」

妹「いっぱい頑張ってきたよ…なのにさ、お兄ちゃんは直ぐに…別のところを見ちゃうじゃない…っ」

妹「だからだから! 私は何時だって努力してお兄ちゃんの側から離れないように頑張ってた!」

男「…おう」

妹「もう…わかんないよ…っ」

男「妹…」

すっ…



12 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/20(木) 23:51:59 ID:aB9L3DlA

男「良いんだって、頑張らなくても」

妹「え…」

男「別にお前がそんなに頑張る必要なんて無いだろ?」くいっ

カランカラン

男「お前は俺の妹なんだ。それは、俺には忘れられないことなんだ」

妹「…妹」

男「ああ、何も毎日弁当作らなくても。俺はお前を蔑ろにしないさ」

男「ちゃんと見ててやるよ。きちんと、お前を妹として扱ってやる」

妹「……」

男「大丈夫だって。俺は案外、やれる男だぜ?」

妹「お兄ちゃん…」

男「心配するな。平気平気!」

妹「…」すっ

ぽふっ



13 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/20(木) 23:52:34 ID:aB9L3DlA

男「おっと」

妹「ばかっ」ぎゅうっ

男「…馬鹿言うなって」

ぎゅっ

妹「そんなこと言って、すぐに忘れようとする癖に」

男「癖じゃない。これは…うん、癖なんだろうか?」

妹「だから直ぐにいっぱい、女の子と仲良くなっちゃうでしょ!」

男「いやいや…俺がプレイボーイみたいな言い方するなよ…」

妹「ばかっ!」

男「…おう」

妹「ばかばかばか! あほあほあほぉー!」

男「…そりゃすまん」


パチパチパチ



14 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/20(木) 23:53:25 ID:aB9L3DlA

男「うぇ?」

姉「……」パチパチパチ

男「何やってんの?」

姉「アタシは今、凄く感動しています。感動に痺れておりますの」

男「そ、そうですか」

妹「…お兄ちゃん」

男「ん? どうした?」

妹「私、それでも頑張るから」

男「おい頑張るって…」

妹「私は妹だけど、妹だから……お兄ちゃんの側に要られる」

妹「──お兄ちゃんに【妹】って呼ばれるんだよ?」

男「そりゃそうだ」

妹「だから、頑張るの。それが私の生きがいだから、生き方だから」



15 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/20(木) 23:54:16 ID:aB9L3DlA

男「…」

妹「そうやって生きなきゃ私は私で居ることが出来ないから、だから、だから」

妹「──私のことを忘れないでね、お兄ちゃん」

男「…あったりまえだ」

妹「うんっ!」

姉「そーれっ」ぎゅううううううう

男&妹「うわぁっ!!」

姉「二人をまとめてだっこだー! んふふー!」

男「ちょ、ちょっと姉ちゃん! やめろって…!」

妹「きゃー!」

姉「あははー!」

男「…ったく」

~~~~~~~~~~~~~



16 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/20(木) 23:55:44 ID:aB9L3DlA









その三日後、俺の【妹】は死んだ。




世界はどうでも良くならなくなった。








17 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/21(金) 00:00:07 ID:541mjzj.

学校 屋上

後輩「それでそれで、結局のところ妹さんを殺したんですか?」

男「どうでもいいこと言うなって。後輩ちゃん」

後輩「これはこれは…なんて冷たい言い方なんでしょうか」

男「冷たくない」

後輩「冷たいですって。妹さんを、いえいえ、私にとっては女ちゃんは──」

後輩「──唯一の友達だったんですよ!」

男「…うむ」ズゴゴゴ

後輩「牛乳飲んでないで答えてくださいよ」ぐいっ

男「むぐっ」

後輩「どうなんです? 先輩さんは女ちゃんを殺したんですか?」

男「…殺してないってば」

後輩「嘘です! 嘘っぱちです!」



18 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/02/21(金) 00:02:17 ID:541mjzj.

男「あのね後輩ちゃん。そんな殺した殺さないって、一般の高校生が使っていいことじゃないよ?」

仮にも【普通】の女子高生なのだから。
いや俺的には、が正しいのだろうか。どうでもいいけど。

後輩「え…?」

男「ん?」

後輩「先輩さん…一般高校生のつもりだったんですか…?」

男「待て。なんだその反応」

後輩「何てたって先輩さんですよ? あの、先輩さんですよ?」

男「あの、ってなんだ。俺を目の前にしてその言い方は酷いじゃないか」

後輩「そうでもないですよ、私的には。えーと、それで、色々と私的に
   考えましたけど…先輩さん、今回のことで私…なんかやっちゃいました?」

男「……」プイ

後輩「どーしてそ
このエントリーをはてなブックマークに追加
Clip to Evernote