市販の釣り糸をより合わせただけで、最強の人工筋肉ができあがった ―Science誌
テキサス大学などの研究グループはこのたび、ポリエチレンやナイロンなどで出来た市販の釣り糸を単純により合わせるだけで、人間の筋肉より100倍も強力な人工筋肉を作り出すことに成功したと発表しています。この成果は、科学誌Scienceに掲載されています。
この人工筋肉、作製方法は非常に単純。まず、6本の釣り糸(1本の太さは860μm)を束にしてモーターの軸に結びつけて、絡まらないように調整しながらモーターを高速回転させることで1本のフィラメントへとより合わせてゆきます。(以下の各図はYoutubeから引用)
どんどんと回転させてゆくと、より合わされた釣り糸が片側からクルンと巻き取られようにコイル状になってゆきます。
このコイル状の巻取りを反対側の端までより合わせ、最後に150℃に設定したヒートガンを使って糸がほどけないよう表面を軽く加熱すると完成です。
出来上がったものの写真は以下。
できあがったこれらのフィラメントは温度変化に伴って伸び縮みするようになっており、温度が上昇すると縮み、冷却するとただちに元の長さに戻るようになっています。
この釣り糸から作られた筋肉繊維は、人間の筋肉と比べて100倍もの荷重に耐え、発揮するパワーも100倍相当に達するとのこと。さらに、人間の筋繊維では元の長さの20パーセント程度しか伸長しないのに対し、今回開発されたものでは最大で50パーセントもの伸長に耐えるとしており、力強さと柔軟性という相反する特性を同時に実現することに成功しています。
これまでにも、ポリマーを利用して人工筋肉を作製する研究は数多く行われてきていますが、これほどまでに安価かつ簡単に製造可能で、かつ強力なパワーを発揮するものは初めてであるとのこと。
なんとも良いトコぞろいと言った感じのこの材料、研究グループによると、衣類から医療機器・ロボット・義肢デバイスに至るまで実に広大な応用可能性が考えられるとしており、今後は実用化を見据えた研究を進めてゆくとしています。
しかし、こんなにもシンプルな実験手法でサイエンス誌とは…いやはや、研究がいかにアイデア勝負かということがよくわかる好例と言えそうです。
[Science via arstechnica] [Popular Mechanics] [IBTimes]
はぁ?そんなに簡単に?
いや、出来ちゃうものなんですねぇ…
これでパワードスーツ実用化への道がまた一歩。かな?
アクチュエータとして使う場合は熱源をどう配置するかが結構難しそう。繊維の一部を暖めると効率と応答性が下がりそうだから、繊維に平行に発熱体を並べるのかな。
ならばシリンダーに格納し、その中を熱伝導体となる液体で満たすのはどうだろう。
液体ならば熱移動も簡単だし、発熱素子をまとめられて低コスト・高信頼性に寄与するはずだ。
この液体は「ポリマーリンゲル液」と名付けよう。
キーホルダーのあれ?
宇宙エレベーターのロープもこれ使ったら?
鋼鉄より頑丈なカーボンナノチューブですら実現が大変なのに人間の筋肉の100倍程度のヒモでは無理だとマジレス
そもそもナイロンじゃ耐候性がないでしょ。オゾン、宇宙線、極寒とあっという間に劣化して切れそう。とマジレスその2
キリコが飲むウドのコーヒーは 苦い
やっぱり開発はアイディアなんだねぇ
これホント凄い!
このマインドは本当に見習わないと