ノキア流Android「Nokia X+」にハンズオン:限りなく非Android的スマートフォン
新興市場向け、新しい切り口のAndroid。
マイクロソフトに買収されたノキアの携帯電話部門から、AndroidベースのスマートフォンNokia Xシリーズが発表されました。噂を聞いたときはまさかと思いましたが、ほんとだったんですね。
Nokia Xシリーズには4インチのNokia X(以下X)とNokia X+(以下X+)、5インチのNokia XL(以下XL)がありますが、いずれも新興国市場をターゲットにしていて、既存の他のスマホとはいろいろな意味で違います。まず、どう頑張ってもハイエンド端末ではありません。Xは125ドル(約1万2800円)、X+は135ドル(約1万3800円)と安価なのは魅力ですが、「ノキアならPureViewカメラの美しさが楽しめるんじゃ?」「そうはいっても今どきのプロセッサは速いでしょ」なんて期待してはいけません。
MWC会場では、X+にハンズオンできました。XとX+は基本的に同じで、ただ2点違いがあります。ひとつはX+には4GBの内蔵ストレージがあってmicroSDでの拡張も可能なのに対し、XにはOSとプレインストールアプリに必要な分しかストレージがないことです。ふたつめは、X+の方が微妙にRAMが大きく768MB、Xは512MBしかないことです。
X、X+ともに、4インチのIPS液晶ディスプレイ搭載、解像度は800 x 480です。どちらもカラフルな色展開のポリカーボネートの筐体で、この点ではLumiaシリーズを思わせ、Android端末の中では目を引きます。また本体のサイズも115.5 x 63 x 10.4mmに129gと大きめです。物理ボタンは3つ、電源、音量、そしてタッチ感知式のバックボタンは長押しするとホームボタンとして機能します。それからどちらもデュアルSIM対応です。
でも他のAndroidデバイスと大きく違うのはOSです。ノキアはAndroid Open Source Project(AOSP)を使って元のAndroidを大きく改変、Lumiaライクなインターフェースを作り上げ、ノキアやマイクロソフトのサービスもたくさん盛り込みました。たとえば、グーグル標準のGmailとかGoogle検索の代わりにOutlookとかBingが入ってる感じです。
UIはWindows PhoneのLumiaを使ったことがある人なら既視感を感じるはずです。正方形のアプリタイルが並び、グリッド上になっています。タイルの中には情報がライブでアップデートされるものもあり、たとえばフォトアルバムアプリをホームスクリーンに置いておくと、小さなタイルの中で次々と違う写真が表示されます。ロックスクリーンはシンプルに時刻と日付、SNSとテキストメッセージ通知、バッテリー残量を表示しています。スクリーンをダブルタップするとスリープが解除されます。
ホームスクリーンで下にスワイプすると、Wi-FiとかBluetoothといった接続オプションにアクセスでき、アクティブなSIMの切り替えもここからできます。通知とか最近使ったアプリ、お気に入り、カレンダーとかアラームの通知は「Fastlane」というスクリーンに入っていて、それはホームスクリーン上で右から左にスワイプすると表示されます。タテに配置されていて見やすいしレイアウトも良いんですが、ただどうしてこれは下スワイプでできないのかが謎です。今までAndroidで学習してきた使い方に反するのでちょっと戸惑います。
XとX+のプロセッサはクアルコムのデュアルコア 1GHzのSnapdragonです。これも今どき速い方じゃないので、たとえばホームスクリーンでアプリの配置を変えようとしたときにはかなり動作が遅くなりました。負荷のかかる3Dアプリなんかには向いていません。
Google Play Storeにはアクセスできないんですが、ノキア独自のアプリポータル、Nokia Storeには入れます。そこにはすでに数十万件のアプリがあって、主要なSNSとかSwiftKeyみたいなカスタムキーボード、Jetpack Joyrideみたいなメジャーなゲームも入ってます。操作は簡単で、画面上の検索バーとかフィーチャーアプリのバナーとか、お勧めアプリのタイルをスクロールして見たりとかです。表示されているアプリをタップすると購入ページに飛びます。
Nokia Storeではアプリの無料試用とかキャリア決済といったオプションも使えるので、新興市場とか低所得者層のユーザーでもアプリを使う敷居が低くなります。サードパーティのアプリストアの利用とか標準のAndroid APKファイルのロードも許可されています。なのでNokia Storeのアプリ数がGoogle Playに比べて不十分だとしても、足りないアプリがあれば他にいろんな方法で入手できるってことです。
ノキアのPureViewカメラのファンであればX/X+の300万画素のカメラにはがっかりするかもしれません。これは一応カメラとして使えるっていうレベルで、色はちょっとあせているし、ディテールも捉えていません。ホワイトバランス調整とかデジタルズーム機能がある以外にはフィルターのオプションはないので、画像をレトロっぽくしたいとかの場合はサードパーティのアプリを使う必要があります。
ともあれ、これが価格に見合う内容なのでしょう。Xは125ドル(約1万2800円)、X+は135ドル(約1万3800円)ですから、新興市場ユーザー、または低所得の人がスマートフォンを初めて使うときのエントリモデルとしては適しているはずです。発売時期に関しては、Xは即日、X+は今年4月~6月のどこかを予定しています。
Gerald Lynch(原文/miho)
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