大洪水が起きたイギリスのサマセット州に住むサム・ノタロは、水の侵入から自宅を守るため防御線を築いたがその戦況は芳しくないようだ。
水を防ごうと奮闘する彼は、かつてイングランド、ノルウェー、そしてデンマークの3国を治め、北海を制圧するほどの帝国を築いたクヌーズ大王にたとえられている。
しかし彼の無謀な試みもむなしく、押し寄せてくる水に包囲されたサム・ノタロの大切な我が家は、ついにその戦いに白旗を上げざるを得ない様子だ。
築40年、深さ1.5mの堀を巡らせた彼の約1.7億円の資産は、約4,900坪を越える広さを持っている。彼はレンガを使って土地に防水を施し、ポンプ装置を借り、さらに自宅の底の部分をポリエチレンシートで包んだ。
しかし洪水はそのバリケードなどお構いなしに染み込んできたようだ。もしかすると彼がこしらえていた防水設備の下から侵入したのかもしれない。
サマセット州の湿原に建つ自宅についてニュース番組のインタビューを受けたノタロ氏は、「私達は勝利を願っている。できることなら家を守ろうと頑張っている。とにかくやれることをやるしかない。」とコメントしている。
空から見たノタロ氏の要塞。泥やレンガ、ポリエチレンでシールドされている。
水を防ぐ工事に1万ポンド(約170万円)以上もの額を費やした建築業者は、この地域の住宅を保護する役割を担うイギリスの環境庁はもっと手を尽くすことができたはずだ、と考えている。
ノタロ氏によると、彼は先週のはじめには自宅の「要塞化」に着手していたそうだ。だがその環境庁がノタロ氏に対し、「あなたは土木工事をするのに必要な書類を持ってません」と告げたためその計画は遅れてしまったという。
これまさに背水の陣、という状態のノタロ氏。そんな彼に対し救助隊は立ち退きを説得しているが、ノタロ氏は上昇する周囲の水が屋内に侵入しないことを祈りつつ自宅に居座る気だ。しかし欠陥品のポンプや、掘削機械のエンジンに水が入るリスクもあり彼の戦いはさらに厳しさを増している。
via:metro・原文翻訳:R
世界各地には、ノタロ氏のように、家の周りを囲んで要塞を築き上げたオーナーたちが多数存在する。以下は世界各地に築き上げられた「孤高の要塞」である。
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via:documentingreality
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コメント
1. 匿名処理班
勝利してる家もけっこうあるんだなw
眺めが悪そうw
2. 匿名処理班
乙
3. 匿名処理班
ネット社会になってイギリスも憧れ感ダダ落ちしてきたな。
1ミリも卑下する余地もない憧れと尊敬の目で見るべき国かのように
言われてたのに。ダイアナさんの時らへんまでマジでそんな報道のされ方だった。
カトリーナの被災地に建てられた高床式建築を最初からたてとかないと
これから先も続くなら土の堤防もヤバい。
4. 匿名処理班
こういう家が孤島みたいになってるのは何か憧れるなあ
実際は不便だったりあまり良いことないかもしれないけど自分だけの土地って感じなのがいい
5. 匿名処理班
いつ決壊するかもわからない土手作るより、地盤を高くしちゃったほうがいいと思うんだ。
平屋か2階建て程度なら杭打たなくても地盤改良すれば沈まないと思うし。
6. 匿名処理班
たくましいなぁ
いくら保険で金が下りてもその家そのものや家具の数々に宿った思い出は保障してもらえないだろうからこうしたくなるのは仕方ない。
7. 匿名処理班
凄いけど、これ、みんな家を上げてったほうが早いと思われw
ジャッキを使って家を持ちあげては建ってる土地の高さを上げてく技術は海外にもあると思うんだけど、なんでこうなってるw
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