モバP「留守番、任せていいかな」
- 2: ◆.FkqD6/oh.:2013/11/03(日) 22:33:12.48 ID:KtuPs7Dz0
塩見周子「んー。いいけど?」
P「俺もちひろさんも、他の人達も出払っててな……」
周子「ふーん。大変だねー」
P「すまないな、せっかくこの後仕事がないってのに」
周子「別にいいよー?あ、そうだPさん、帰ってきたら時間ある?」
P「ん?俺は大丈夫だが」
周子「じゃあどこか連れてってよ!晩ご飯おごりでチャラにするよー?」
P「……あんまり高いところには行かないからな?」
周子「やったー!ありがと、Pさんっ♪」
P「はいはい。あ、電話とか来たら応対よろしくな」
周子「オッケーオッケー!あたしに任せて!」
P「おう、頼んだぞ。それじゃあ行ってくる」
周子「いってらっしゃーい♪」
- 3: ◆.FkqD6/oh.:2013/11/03(日) 22:34:17.93 ID:KtuPs7Dz0
周子「んー。ヒマだなぁ」
周子「Pさんの机でも漁っちゃう?なーんて……」
ガタンッ
周子「……えっ?」
周子「今はあたし一人だよね、この事務所」
周子「確かこっちから……」
周子「誰もいないなぁ……あれっ?」
チラッ
??「あっ」
周子「あっ」
- 4: ◆.FkqD6/oh.:2013/11/03(日) 22:35:01.32 ID:KtuPs7Dz0
周子「なーんだ、乃々ちゃんかー。びっくりしたよ」
森久保乃々「ご、ごめんなさい……もりくぼがいたら一人じゃないですよね、やっぱり帰ります」
周子「えー、待ってよ乃々ちゃん!あたし一人じゃ退屈だよー」
乃々「えぇ……もりくぼがいても、きっと退屈ですよ……?」
周子「いいのいいの。ほら、こうして机の下に二人ってのも楽しいかもよ?」
乃々「あ……えっと、じゃあ……二人でも、いいです、けど」
周子「やった!あ、アメ食べる?」
乃々「え、えっと……その」
乃々「ありがとう、ございます……」
- 5: ◆.FkqD6/oh.:2013/11/03(日) 22:35:56.76 ID:KtuPs7Dz0
周子「乃々ちゃんって、いっつもこうして机の下にいるの?」
乃々「い、いや、その……ここに住んでるわけじゃないですけど……」
乃々「……ここは、落ち着きますから」
周子「ふーん……あ、でもわかるかも。狭いところって落ち着くもんね」
乃々「はい、前のフェスの時から……ここは私のお気に入りですけど」
周子「へぇー。いいね、あたしもたまに入ろうかなぁ」
乃々「そ、その……二人は、ちょっとせまいですけど」
周子「えー、いいでしょ?たまにはあたしも隠れていたい時だってあるし」
乃々「えっと、それは……?」
周子「Pさんのプリン、食べちゃった時とか」
乃々「あ……前にプロデューサーさん、怒ってたのって……」
周子「うん。多分それ」
- 6: ◆.FkqD6/oh.:2013/11/03(日) 22:36:39.71 ID:KtuPs7Dz0
周子「あれからわざわざ名前書いてるからねー」
乃々「そ、それでもたまに消えてるって言ってましたけど……」
周子「えっ?あたしじゃないよ?」
乃々「……か、神かくしですか……?」
周子「どうだろうねー。あたし以外の誰か、じゃないのかな?」
乃々「……ふしぎぃー、ですね……」
周子「うん。不思議だね。あ、でも面白いかも」
乃々「おもしろい、ですか……?」
周子「今度、Pさんの名前書いてプリン入れておこうよ。誰が持ってくのかここから見てみない?」
乃々「……面白そう、ですけど……もりくぼはちょっと遠慮したいですけど……」
周子「あははっ、いいよ別に。あたしも本気じゃないし」
- 8: ◆.FkqD6/oh.:2013/11/03(日) 22:37:44.21 ID:KtuPs7Dz0
周子「……あれ、そういえば乃々ちゃんってレッスン、お休みだっけ」
乃々「あ、あぅ……」オロオロ
prrrr prrrr!
周子「あ、電話だ」
ガチャッ
周子「もしもし、こちら……」
P『もしもし、周子か?』
周子「あ、Pさん?しゅーこだよー」
P『今、事務所に乃々いないか?』
周子「え、乃々ちゃん?」
周子「……」チラッ
乃々(だ、駄目です……!!)バタバタ
周子「……♪」ニコッ
周子「……見てないけど、なんかあったの?」
- 9: ◆.FkqD6/oh.:2013/11/03(日) 22:38:50.50 ID:KtuPs7Dz0
P『そうか……トレーナーさんから電話が来てな。乃々が来てないそうなんだ』
周子「へー、そうなんだ……。じゃあ、乃々ちゃんが来たらPさんに連絡するねー」
P『ああ、頼む。それと、今からでもいいからスタジオに向かうよう伝えてくれ』
周子「はーいっ」
ガチャッ
周子「……なーんだ、乃々ちゃん今日はサボりだったんだね」
乃々「……は、はい……」
周子「いいなぁ、たまにはあたしもサボりたいなぁー」
乃々「……え?」
- 10: ◆.FkqD6/oh.:2013/11/03(日) 22:39:42.04 ID:KtuPs7Dz0
周子「いやー、だってさー。たまにはあるじゃん、そういう時」
周子「なんていうか、今日はレッスンしたくないっ!って感じの」
乃々「……は、はい。何だかわかりますけど……」
周子「例えば……この前なんて親から電話掛かってきてね?」
周子「『元気でやってるか、いつテレビ出るんだ』って言われてさー」
周子「テレビなんてまだまだなのに、とか思ったのよ」
乃々「……確かに、期待されるのは私も……むーりぃー、です」
周子「んー、あんまりあたしは気にしないんだけどね。たまにあるじゃん、何か引っかかる時とか」
乃々「……そう、ですね……」
- 11: ◆.FkqD6/oh.:2013/11/03(日) 22:40:47.41 ID:KtuPs7Dz0
乃々「あ、あの……塩見さん……」
周子「んー?なあに?」
乃々「……あ、あぅ、やっぱり……い、いえ、その」
乃々「……実は今朝、親戚の人から電話が来て……」
- 12: ◆.FkqD6/oh.:2013/11/03(日) 22:41:33.42 ID:KtuPs7Dz0
周子「なるほどねー。それで期待に押しつぶされそうになっちゃったのか」
乃々「は、はい……やっぱり、もりくぼにはアイドルは……」
周子「んー……乃々ちゃんはさ、アイドルやってて、楽しい?」
乃々「楽しい……ですか」
乃々「……最初は、嫌々でしたけど」
乃々「今は……逃げたら、きっと後悔するって思って……」
乃々「……もしかしたら、楽しい……のかも、しれません」
周子「そっか」
周子「もっと、気楽にやってみてもいいと思うのにな」
乃々「気楽に、ですか……?」
- 13: ◆.FkqD6/oh.:2013/11/03(日) 22:43:05.54 ID:KtuPs7Dz0
周子「うん……アタシ自身がさ、まったく期待されてなかったからってのもあるけど」
周子「あんまり考えないほうが、楽しいよ?」
乃々「そうですか……?」
周子「うん。アタシは元々、実家追い出されたんだよね。就職も進学もしないでゴロゴロしてたらさ」
周子「そしたら、たまたまPさんに拾ってもらってアイドル始めたんだけどさー……」
周子「『アイドルなんてあんたにできるのか』って、ずーっと言われてたんだ」
乃々「……本当ですか……?」
周子「うん、ほんとほんと。ま、おかげで気楽にやれたんだけどね」
乃々「でも……塩見さんは、すごいです。そう言われてても、ずっとアイドルを続けてますから」
周子「そうかな?」
乃々「……もりくぼだったら、心が折れそうですけど」
- 14: ◆.FkqD6/oh.:2013/11/03(日) 22:46:37.63 ID:KtuPs7Dz0
周子「んー……そこまで考えたことなかったなぁ。Pさんに拾ってもらったからにはがんばろーってのと……」
周子「アイドルやってて楽しいからかな?」
乃々「楽しいから……」
周子「そうだ、乃々ちゃん!乃々ちゃんには目標って、ある?」
乃々「……目標、ですか?」
周子「うん、目標。どんなことでもいいからさ!」
乃々「え、えぇと……」
周子「あたしは『てきとーに頑張る』かな。いっつも全力ダッシュは疲れるからねー」
乃々「私の、目標……」
- 15: ◆.FkqD6/oh.:2013/11/03(日) 22:47:43.28 ID:KtuPs7Dz0
乃々「いつか、後悔しないでアイドル辞められるように……」
乃々「そ、それまで……無理しない程度には、頑張りますけど」
乃々「あうぅ、やっぱりこんなんじゃ、だめですよね……」
周子「いいねー。それだよ、それ!」
乃々「えっ……?」
周子「そんな感じで、がんばろーって思えるときに頑張ればいいんだよ」
乃々「し、塩見さん……」
周子「Pさんもしっかり乃々ちゃんのことを見てるから、きっと今日のことじゃ怒らないだろうし……」
周子「乃々ちゃんは乃々ちゃんらしく、でいいと思うよ」
乃々「そ、そうですか……」
周子「……あー、喉乾いたー!お茶でも淹れてくるから、ちょっと待っててねー」
乃々「そ、その……お茶くらいは、私が」
周子「大丈夫大丈夫、あたし和菓子屋の娘だからお茶くらい一通りできるよ!」
乃々「そ、そうですか……それじゃあ、お任せします、けど……」
- 16: ◆.FkqD6/oh.:2013/11/03(日) 22:48:45.92 ID:KtuPs7Dz0
――給湯室
周子「ここからなら、聞こえないよね……」ピッ
prrrr prrrr……
P『もしもし』
周子「あ、Pさん?」
P『周子か、乃々は見つかったのか?』
周子「あー、そのことなんだけどね……」
P『……俺はいいけど、その……本気なのか?』
周子「うん。その方がそれっぽいし」
P『わかった、そう連絡しておくよ……ありがとな、周子』
周子「どういたしまして♪それじゃ、お仕事頑張ってねー」ピッ
周子「ん、お湯も沸いたー!」
- 17: ◆.FkqD6/oh.:2013/11/03(日) 22:50:17.12 ID:KtuPs7Dz0
――事務室
乃々(塩見さん…いつも、飄々としてたけど……)
乃々(本当は、優しい人なんですね……)
周子「お待たせー。あ、お茶菓子がないや」
周子「Pさんの机……おおー、おせんべいが入ってる!少し貰おーっと♪」
乃々「えっ……それは、いいんですか……?」
周子「いーのいーの、たまに買い足してあげてるし」
乃々「で、でもそれって……」
周子「……ほら、乃々ちゃん口開けてっ!」ガッ
乃々「えー……ひゃぁっ!?」モゴッ
周子「へっへっへ……おせんべ食べたから、乃々ちゃんも同罪!」
乃々「うぅ……ずるいです……」パリパリ
周子「そんなこと言って、乃々ちゃんも食べてるじゃん」パリッ
乃々「し、証拠隠滅のため仕方なくですけど……」
- 18: ◆.FkqD6/oh.:2013/11/03(日) 22:51:04.43 ID:KtuPs7Dz0
乃々(あれ……そういえば、何か忘れてるような……)
周子「んー?どしたの乃々ちゃん」
コメント一覧
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- 2014年03月03日 22:47
- この作者はたくみん大好きだな
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- 2014年03月03日 22:57
- 机の下にシューコとかそれだけでおじさんのポークビッツは元気になります
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- 2014年03月03日 23:30
- 年少組との組み合わせであた、美嘉姉が居ないのはおかしいと思うな
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普段見ないようなペアのほのぼの会話っていいねぇ。そして、ふじりな最高!