茄子「あなたが私のプロデュースを?」 ヴァレンタイン「そういうことだ」
- 1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/10/03(木) 17:21:19.24 ID:bmhcrnlw0
茄子「えーと……ドッキリですか?」
ヴァレンタイン「違う。私は『鷹富士茄子』をトップアイドルにするため、君をプロデュースする事に決めた」
ヴァレンタイン「……それとも、私のこの決断は君にとって『害悪』だったかな?」
茄子「害悪だなんてそんな、滅相もない!こ、光栄の極みです。大統領閣下」
ヴァレンタイン「まぁこれで君は今後の活動における資金面や人脈の心配をしなくても良くなったわけだ」
ヴァレンタイン「この巡り会わせも……一種の『幸運』とでも捉えてくれればいい」
茄子(流石に『福引でアメリカ旅行が当たる』→『道歩いてたら合衆国大統領に声かけられて直々にプロデュースされる事になる』)
茄子(っていうのは幸運にしてもちょっとブッ飛び過ぎてる気がするんですけど……)
- 2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/10/03(木) 17:22:27.45 ID:bmhcrnlw0
ヴァレンタイン「他に何か質問はあるかな?」
茄子「……では一つだけ。何故あなたは大統領の地位にありながら私のプロデュースをしようと思われたのですか?」
ヴァレンタイン「フン……いいだろう。いい質問だ」
ヴァレンタイン「鷹富士茄子、君は『男が女にひかれる基準』あるいは『女が男にひかれる基準』についてどう考える?」
茄子「それは……性格だったり、外見だったり」
ヴァレンタイン「違う。『吉』であるかどうかだ。自分にとってその男が……あるいは女が『吉』であるかどうかなのだ」
ヴァレンタイン「そして茄子……君は私にとって『吉』の存在だ。私も君にとってそうでありたいと思うのだが、いかがかな……?」
- 3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/10/03(木) 17:23:24.49 ID:bmhcrnlw0
茄子「つまり、私の幸運が欲しいって事ですか?」
ヴァレンタイン「少し違う。君のその幸運をルール無用の『ゲス野郎ども』に渡すわけにはいかない。そういう事だ」
茄子「……」
ヴァレンタイン「気を悪くしてしまったのなら謝ろう。だが……私が君をプロデュースするという『流れ』」
ヴァレンタイン「この『流れ』に身を任せた方が確実に『幸福』になれる……それだけは忠告しておこう」
茄子(『幸福』……)
茄子「お時間ありがとうございました。それではこれで失礼します」
ヴァレンタイン「ああ。アイドル活動、頑張ってくれたまえ」
- 4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/10/03(木) 17:24:17.37 ID:bmhcrnlw0
バタン・・・
ヴァレンタイン(どうなっているのだ?この次元は……)
ヴァレンタイン(『S・B・Rレース』も行われていなければ『ジャイロ・ツェペリ』や『ジョニィ・ジョースター』……『聖なる遺体』の消息も掴めない)
ヴァレンタイン(そもそも『時代』すら変化してしまっている。『自動車』や『携帯電話』……見た事も無いはずのこれらの使い方を私は『理解している』)
ヴァレンタイン(そして何よりも奇妙な事は……この次元に来てからというものジョニィ・ジョースターに撃ち込まれた『無限の回転』が止まっている事だ)
ヴァレンタイン(あの回転は『有限』だったのか?次元の壁さえ超えるあのエネルギーが)
- 5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/10/03(木) 17:25:17.81 ID:bmhcrnlw0
ヴァレンタイン(それともやはりあの女……『鷹富士茄子』が関係しているのか)
ヴァレンタイン(彼女の姿を始めて見た時……『聖なる遺体』にさえ匹敵する『神聖さ』を感じた)
ヴァレンタイン(『幸運の女神』と噂されているらしいが……今まで渡って来た次元には彼女は存在しなかった。だとすれば……)
ヴァレンタイン(……)
ヴァレンタイン「どちらにしろ、今彼女の傍を離れるのは得策ではない。私と共に居る事で『幸福』を感じてもらわなければ……」
ヴァレンタイン(それがこの国の繁栄に繋がるはずだ……)
- 6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/10/03(木) 17:26:18.95 ID:bmhcrnlw0
~~2日目・大統領府執務室
茄子「おはようございます」
ヴァレンタイン「おはよう。今日の予定は定まっているのか?」
茄子「はい。歌とダンスのレッスンをしてもらう予定になっています」
ヴァレンタイン「そうか……ああ。一つ質問していいかな?」
茄子「何でしょう?」
ヴァレンタイン「茄子。君、酒は飲めるか?」
茄子「ええ、まぁ。二十歳ですから」
- 7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/10/03(木) 17:27:29.48 ID:bmhcrnlw0
ヴァレンタイン「種類は?『ビール』か?『ウィスキー』か?それとも君のとこの『ニホンシュ』や『チャーシュー』とかいう奴の方がいいのか?」
茄子「クスッ……それ、もしかして『焼酎』の事言ってます?」
ヴァレンタイン「すまない、日本の文化には疎くてね。……だが君が望むのなら、今日中に最高級の奴を取り寄せよう」
茄子「じゃあ、ビールで」
ヴァレンタイン「分かった。レッスンが終わった後、執務室に来るといい……警備員には伝えておく」
茄子(案外優しい人なのかも……?)
茄子(でもなんだろう、この人の奥底にある『ドス黒い感覚』は……)
ヴァレンタイン「どうした?何を見ている?」
茄子「いえ、何でもありません。レッスン行ってきますね」
バタン・・・
ヴァレンタイン「さて……」
ヴァレンタイン(今のうちに茄子のライバル共を叩き落としておかないとな。茄子の……この国の幸せをたかがアイドルなどに邪魔される訳にはいかない)
- 8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/10/03(木) 17:28:13.08 ID:bmhcrnlw0
~~夜
茄子「失礼します」
ヴァレンタイン「やぁ。レッスンの方はどうだった?」
茄子「トレーナーさんにいきなり『妙な期待はするな』って言われちゃいました……確かに私、少し浮かれちゃってたかもです」
ヴァレンタイン「無理もない。いきなりこんな状況になって平静を保てる人間などそうは居ないからな」
茄子「お気遣いありがとうございます。グラス空ですね……お酌しても?」
ヴァレンタイン「ああ。ありがとう」
- 9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/10/03(木) 17:28:50.30 ID:bmhcrnlw0
茄子「……はい、どうぞ」
ヴァレンタイン「では、この国と君のアイドルとしての未来に……乾杯!」
茄子「かんぱーい!」
ヴァレンタイン「んん…………ブハーーーーーーーーーッ!イエスッ!イエスッ!」
茄子「良い飲みっぷりですね。いよっ、大統領!」
ヴァレンタイン「フフフ……世辞が旨いな、茄子。君も飲め」
- 10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/10/03(木) 17:29:26.82 ID:bmhcrnlw0
茄子「はい。では少々……ぷはぁ。とても美味しいですね」
ヴァレンタイン「肉も魚もナッツもある。好きな物をツマミにするといい」
茄子「ありがとうございます」
・
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- 11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/10/03(木) 17:30:02.17 ID:bmhcrnlw0
ヴァレンタイン「……ふぅ。茄子、私が何故今日君を酒の席に呼んだか分かるか?」
茄子「……さぁ。何故でしょう?私の趣味の『隠し芸』でも見るためでしょうか?」
ヴァレンタイン「カワイイな……そうやって何かを『秘める』君の姿は……凄くカワイイ」
茄子「お褒めにあずかり光栄です。大統領閣下」
ヴァレンタイン「要件を言おう。私がここに君を呼んだのは取るに足らない質問をするためだ。君はただ『YES』と頷いてくれればいい」
茄子「……」
- 12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/10/03(木) 17:30:47.04 ID:bmhcrnlw0
ヴァレンタイン「ーー鷹富士茄子、君に『トップアイドルになる覚悟』はあるか?」
茄子「あります」
ヴァレンタイン「そうか。なら」
茄子「ーーが、それは『公正な勝負』を経た上での話です」
ヴァレンタイン「……ほう?」
茄子「失礼を承知で申し上げますが……今の大統領には何か『ドス黒いもの』を感じます」
茄子「私が『YES』と頷いた瞬間、私の道を妨げるものを全ていとも容易く消し去ってしまうような……そんな『容赦の無さ』が質問に含まれていたような気がするんです」
- 13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/10/03(木) 17:31:38.08 ID:bmhcrnlw0
茄子「ワガママかもしれませんが、それでは駄目なんです。私はトップアイドルへ『自力』で昇りつめたい」
茄子「ですから、もし他の誰かが同じ質問をしてきたのなら私はためらいなく『YES』と言えますが、今のあなたには言えない。それが私の正直な気持ちです」
ヴァレンタイン「イイ……茄子。凄くイイぞ、その表情。柔らかいが芯の通っているスッキリした表情だ……とてもそそられるよ」
茄子「……」
ヴァレンタイン「いいだろう。君が『公正な勝負』を望むのならーーそうすればいい。私は手を出したりしないし、権力を使って結果を改ざんしたりもしないと『誓う』」
ヴァレンタイン「だが……私の方からも一つ条件を付けさせてくれないか」
茄子「何でしょうか?」
- 14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/10/03(木) 17:32:22.67 ID:bmhcrnlw0
ヴァレンタイン「何が何でもトップアイドルになる事……『必ず』だ。誓えるか?」
茄子「……!はいっ、私、必ずトップアイドルになりますっ!」
ヴァレンタイン「よし……なら、今日は帰ってゆっくり休むといい。付き合わせてすまなかったな」
茄子「いえ、とても楽しかったです……あ、グラスがっ!」
ヴァレンタイン「『Dirty Deeds Done Dirt Cheap』……どジャアァぁぁ~~~~ン」
茄子(地面に落ちようとしていたグラスを……消した!?)
- 15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/10/03(木) 17:33:21.87 ID:bmhcrnlw0
ヴァレンタイン「まぁちょっとした『手品』みたいなものだ。……驚いたかい?」
茄子「は、はい……」
茄子(手品?……もっととんでもない『何か』としか思えなかった……)
ヴァレンタイン「ではお開きにしよう。鷹富士茄子、明日も頑張りたまえ」
茄子「あ、はいっ。今日はありがとうございましたっ」
ヴァレンタイン「ああ。私も君と飲めてよかったと感じているよ。心からね」
- 16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/10/03(木) 17:34:43.90 ID:bmhcrnlw0
~~3日目・夜・執務室
茄子「うぅ……」
ヴァレンタイン「……何かあったのか?見るからに元気がないじゃあないか」
茄子「トレーナーさんに言われた事がイマイチ分からなくて……今日一日怒られてばっかりでした」
ヴァレンタイン「そのトレーナーは君を一日中苦しめたのか……くっ、何だが私までかなりムカついてきたぞ」
ヴァレンタイン(トレーナー風情がこの国の『幸せ』を邪魔するとは……後で消すとしよう)
茄子「あ、いえトレーナーが憎いとかそういう事ではなくてっ!私がトレーナーさんの要求通りに出来ないのが悔しいっていうか」
- 17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/10/03(木) 17:35:32.70 ID:bmhcrnlw0
ヴァレンタイン「……成程。参考までに聞かせてもらいたいんだが、そのトレーナーはどんなアドバイスを君に伝えたんだ?」
茄子「ダンスの回る動きなんですけど、動きが硬いって言われて……どうすればいいのか聞いたら『筋肉に悟られるな』って」
茄子「筋肉を押さえつけようとすればするほど動きは固くなるから、力は皮膚までで止コメント一覧
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- 2014年03月05日 21:31
- ディ・モールト ベネ(非常に良しッ!)
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- 2014年03月05日 21:44
- ここに神殿を建てよう
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- 2014年03月05日 21:46
- 黄金回転のバランスボールに草
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- 2014年03月05日 21:50
- 最後『ウッドストック』と『祈った』からウッドストックではライブができなかったのね……なんとも悲しいな。
だが、大統領の必要があったのかと小一時間程問い詰めたい気分だよ
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- 2014年03月05日 21:51
- これは珍しいコラボSS
良い出来やで
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- 2014年03月05日 22:15
- ディアボロに続き大統領もPか...
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- 2014年03月05日 22:36
- ヴァレンタイン監督かと思ったわ
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- 2014年03月05日 23:05
- 祝福しよう
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