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動物性タンパク質の取り過ぎはガンを誘発する可能性有り、ただし高齢者では積極的に摂取すべき ―Cell Metabolism - | Technity

動物性タンパク質の取り過ぎはガンを誘発する可能性有り、ただし高齢者では積極的に摂取すべき ―Cell Metabolism

2014年3月5日 20:02 │Comments(8)

Written by くまむん

南カリフォルニア大学の研究グループはこのたび、動物性タンパク質を必要以上に摂取することはガンや早死を引き起こす原因となり得るものの、一定の年齢以上の高齢者では、逆に健康に良い効果が得られる可能性があるとする研究結果を発表しました。この成果は、科学誌Cell Metabolismに掲載されています。

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タンパク質は、炭水化物や脂肪と並ぶ三大栄養素の一つであり、人間が生きていく上で必須となるものです。最近では、日本でも炭水化物の量を減らしてタンパク質を豊富に摂取するいわゆる “低炭水化物ダイエット” が流行しており、他の2つに比べて「太りにくい栄養素」として積極的な摂取を推奨している書籍などもあります。

しかし一方で、そうした食事法は健康に重大な悪影響を与える可能性が以前から指摘されてはいるものの、タンパク質の過剰摂取と死に至る疾病リスクとの関連性は、これまで明確には示されていませんでした。

今回、Longo氏らは50歳以上の成人サンプル6,318人を、タンパク質の摂取量に応じて3つのグループに分類。すなわち、1日の摂取カロリーの20パーセント以上をタンパク質からとっている「高タンパク」、タンパク質の摂取カロリーが10〜19パーセントを占めている「中タンパク」、そして10パーセント以下の「低タンパク」のグループです。

これら3つのグループについて死亡率の違いを比較したところ、50歳から65歳までの「高タンパク」のグループでは、全体の死亡率が75パーセント上昇しており、ガンによる死亡リスクも他のグループに比べて4倍多くなっていたとのこと。また、「中タンパク」と「低タンパク」を比べた場合でも、ガンで死亡する割合は3倍多くなり、一方で「中タンパク」から「低タンパク」に映った場合では死亡率が21パーセント減少したとしています。

研究グループによると、このような摂取量の増加に伴なう発がん及び死亡率のリスク上昇は、豆類などの植物性タンパク質や炭水化物、脂肪分といった他の栄養素では確認されず、つまるところ動物性タンパク質の摂取が影響しているものと考えられるとしています。

しかし一方で、66歳以上の層においては、「中タンパク」や「高タンパク」のグループに属する人は「低タンパク」のグループよりもガンを始めとする病気にかかりにくい傾向がみられたとのこと。これはなぜでしょうか?論文では、こうした年齢によって相反する傾向が見られる理由として、成長ホルモンなどが関係する内分泌系との関連を挙げています。

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研究のGraphycal Abstract。(Cell Metabolismより)

人間の体内で、組織の発達を制御している重要物質の一つに「インスリン様成長因子1 (IGF-1)」というものがあります。

これは、成長ホルモンの刺激にともなって肝臓から分泌される物質で、筋肉や骨、内臓、神経など人体の多くの器官で細胞が成長するために必要不可欠なものとなっています。しかし近年の研究により、IGF-1にはガン細胞の成長も促進させる可能性があることが明らかになってきています。

このIGF-1、若い時には体内で豊富に作られているのですが、65歳を過ぎたあたりから分泌量が急激に減少してゆき、筋肉の衰えなどを誘発することが知られています。このことから研究グループは、動物性タンパク質の摂取とそれに伴うIGF-1の分泌促進との均衡がガンの発生や死亡率の増加に影響しているという仮説を立て、マウスを使ったモデル実験を行いました。

その結果、生後12週間(人間での中年期に相当)までにタンパク質を積極投与したマウスほどIGF-1レベルと腫瘍の発生リスクがともに増加していることが確認され、また24週間以上の高齢マウスでタンパク質の投与を制限した場合でも、同様の傾向を確認されたとしています。

冒頭で触れたような低炭水化物ダイエットについては、個人的な経験でも確かに体重が減少しやすくなるといった感覚はあったのですが、そうした偏った栄養摂取が引き起こす健康リスクについても意識する必要があると、改めて感じた研究でした。何事も、極端なのはダメだということですね…。

おまけ

USCの出しているプレスリリースのタイトルは “Meat and cheese may be as bad for you as smoking” として、喫煙との比較をイメージさせるものとなっていますが、リリースの内容やCellのアブスト、Supplemental Informationにはタバコに関する記述は一切見られません。

意味もなく喫煙による健康リスクと比較するのはナンセンスだと思うんですが、どうなんですかね…(と言いつつURLには反映させているのですが)。

[Cell Metabolism] [University of Southern California via Sciencedaily]

くまむん

著者 : くまむん@求)ながもん

企業の研究所で家電関連技術の研究開発に携わっておりましたが、2013年4月をもって退職し、当サイトの専属となりました。記事内容やメディアとしての方向性、技術的なお話、ライター募集などに関しては、Twitterもしくはask.fmにコメント頂ければ可能な範囲でお答え致します。

8 件のコメント

  1. No Name 2014年3月5日 20:26 No.688646 返信

    確かに元気なお年寄りは肉類を食べる!!
    流動食を食べる人元気でない…

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  2. No Name 2014年3月5日 20:43 No.688673 返信

    年齢限らず、食べ過ぎも食べなさ過ぎも体に良くないわな

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  3. 匿名 2014年3月5日 21:04 No.688723 返信

    年寄りは早くガンになって氏ねって記事かと思った

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  4. No Name 2014年3月5日 22:03 No.688852 返信

    人種による違いもあるのだろうか

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  5. No Name 2014年3月5日 22:09 No.688876 返信

    生きている事が一番体に悪いよ

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    • No Name 2014年3月5日 23:35 No.689058 返信

      はいはい

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  6. No Name 2014年3月5日 22:14 No.688898 返信

    ご飯を食べた人間は100%死ぬことになる
    パンを食べた人間は100%死ぬことになる
    水を飲んだ人間は100%死ぬことになる
    コーラを飲んだ人間は100%死ぬことになる
    カレーを飲んだ人間は100%死ぬことになる
    空気を吸った人間は100%死ぬことになる

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  7. No Name 2014年3月5日 22:28 No.688932 返信

    動物性タンパクといっても牛豚鳥魚といろいろあるし調理法も様々だからなぁ
    アメリカ人というと農薬まみれの餌で育った牛さんを
    まるこげステーキにしてドカ食いという偏見が

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