Rick Allen氏の場合は事故時すでに世界的な成功を収めていたこともあり、楽器メーカーなどからのサポートを受けることができました。しかし、ほとんどのミュージシャンにとって片腕を失うことはキャリアの終わりを意味します。ロボット技術によってハンデを克服し、さらにプラスアルファとして3本めのスティックまで得られた Jason Barnes氏の事例は、同じハンデを負うミュージシャンにとって明るい話題と言えるでしょう。
ロボット義手が持つ2本のスティックのうち片方は筋肉の動きで動作、もう一方は自動制御により Barnes 氏の手の動きに合わせて、いくつかのパターンでスティックを動作させています。合計3本のスティックを扱えるとなれば、叩き方によっては普通の人には実現し難いテクニカルなプレイもできそうです。動画後半ではバンド構成でのジャズセッションも見られます。
なお、Weinberg 教授は将来的にこの技術を他の分野、たとえば宇宙飛行士の活動や外科手術などにおける複雑かつ繊細な作業への応用を考えているとのこと。
ちなみに、Barnes氏はもともとアマチュアながらベースギターやキーボードも操るマルチプレイヤー。今回のロボット義手を手に入れる前も、なかなかのドラムプレイを披露していました。また、Barnes氏はこの3月22日にジョージア州のケネソー州立大学でロボット義手を使ったデモ演奏を行う予定です。