3Dプリンタを”自作”するワークショップが大阪で初開催、その様子を取材してきました
低価格化によって遂に5万円を切る機種が現れ始め、大型量販店での取り扱いもスタートするなど、ここのところ活発な動きを見せている3Dプリンタ市場。3Dモデル共有サービスの登場や重要特許の期限切れなど普及を後押しする動きもあり、3Dプリンタは今後ますます身近な存在になってくるものと思われます。
しかしながら、市販されている3Dプリンタはスイッチを押せば自動的にモデルを読み込んで出力してくれる “親切” 仕様になっているものがほとんどであり、実際にどのような仕組みで立体物が造形されているのかといったことについては、なかなか知ることが出来ません。
そんな中、自分の手で3Dプリンタを組み立てながら、その仕組みや構造・出力ノウハウまでを丸ごと学べるワークショップが大阪で初開催されるということで、その様子を取材してきました。
なお、本記事中で使用しているイベントの写真については、参加者の方々に同意を得た上で久岡写真事務所様よりご提供頂いております。
イベントの概要
このワークショップは、購入した3Dプリンタ―「Atom」のキットを、開発元である合同会社 “GENKEI” の講師の方々によるレクチャーを受けながら自分自身の手で作り上げてゆくというもの。
ハードウェアの組み上げからソフトウェアのインストールおよび設定方法、実際に出力してみての動作確認、トラブルシューティングの対応方法までを一貫して教わり、最終的には出来上がったものをそのまま持ち帰る流れとなっています。
これまで東京を中心として好評を博していたこのワークショップ、関西で初となる今回は大阪市・本町のコワーキングスペース “Osakan Space(オーサカン・スペース)” にて開催され、 初めて3Dプリンタを扱うという方も含めて10名ほどが参加されていました。
Atom 3Dプリンタとは
今回のワークショップで組み立てたAtomプリンタは、完全オープンソースの3Dプリンタ “RepRap(レップラップ)” をベースとして作り上げられた国産機種です。
本体価格は約13万円でどちらかというと低価格な機種に分類されますが、その造形精度や自由度は非常に高く、市販のメーカー製品と同等以上の性能を発揮。吐出可能な材料も、ABSからPLA、柔軟性の高いナイロン樹脂など、幅広く対応しています。
また、オープンソースゆえにカスタマイズ性…拡張性も非常に高く、以前にワークショップに参加された方の中には、折りたたみ可能なオリジナルタイプへ独自改造してしまう「職人」な方もいらっしゃったそうです。
必要な持ち物はPCのみ、組み立ても簡単
精密機械である3Dプリンタの組み立てと聞くと、準備が大変そうだというイメージがあるかもしれません。しかし、このワークショップではナットやワッシャといった細かな部品のほか、ニッパやドライバなどの組み立てに必要な工具も一人ひとりに全て用意されているため、参加する際にはPCだけを持参すればOKとなっています。
プリンタの組み立て自体も決して難しいものではなく、参加者の方がおっしゃっていた所では「プラモデルを組むような」感覚で作ることが出来るとのこと。実際、組み立てには高校生の方も参加されていましたが、講師に逐一確認しながら危なげなく手順をこなしていました。
時間を忘れる濃密な内容
今回のワークショップでは、午前10時〜17時の約7時間で(休憩をはさみつつ)ハードウェアを組み上げ、その後およそ3時間をかけてソフトウェアの設定から出力確認までを行っています。
最終的にはおよそ11時間に及ぶ大講義となりましたが、GENKEIの講師の皆さんがユーモアを交えつつ巧みに話を進められていたこともあり、参加者の間には終始和気あいあいとした雰囲気が続いていました。
ノウハウがギッシリ
単純に組み立ててそれでオシマイというわけではなく、実際に簡単なフィギュアを出力しながら調整や造形に関するノウハウも数多く教わることができます。
例えば、上の画像は猫のモデルを出力しているところですが、奥の方に円柱が積み重なっているのが見えるでしょうか?これは、あえて本体以外のオブジェクトを入れることによって本体を積層する合間合間に樹脂が自然冷却され、細かな部分の形状が崩れないようにできるそうです。
この他にも、材料となる樹脂フィラメントの良し悪しや使用時の注意すべきポイントなど、独自の研究に基づくノウハウが豊富に盛り込まれており、3Dプリンタに関する技術を包括的に学ぶことが出来る内容となっています。
誰でも”Maker”になれる時代
筆者自身、以前から3Dプリンタには強い興味があって、”いつかは” 自分でも購入したいという思いはあったのですが、今回の取材を通じてその魅力を再認識し、”すぐにでも” 手に入れたいという気持ちが強くなっています(現実には、先立つモノがキビシイのですが…)。
つい一昔前までは技術者やギークだけが住まう領域だったモノづくりの世界は、3Dプリンタの登場によって確実に変化しつつあります。このような気軽に参加できるイベントをきっかけとして、テクノロジーの世界に興味をもつ人が日本でも増えてくることに期待したいですね。
ちなみに、4月13日にも同じOsakan Spaceで二回目のワークショップが開催予定(Peatixのチケットはこちら)となっています。3Dプリンタ本体を購入せずとも、ワークショップのみの参加・前半のハードウェア組み立てのみの見学も可能とのことなので、関西周辺にお住まいで3Dプリンタに興味のある方は、ぜひチェックされてみてはいかがでしょうか。
ちなみに、イベントの最後には出来上がったプリンタを収納するためのダンボール箱が支給されていましたが、本体は簡単に解体できるため、分解してハンドキャリーで持ち帰ることもできます。実際、リュックに詰め込んで持ち帰っている方もいらっしゃいました。
これに行ってきましたよー!
最高に楽しかったです!
お世話になっております。いや、個人的にも非常に実りのある一日でした。4月の方にも参加したいと思っているのですが、どんな記事にするか考えておかないと…(;´Д`)
同じ場所にいたって事は会ってるかもしれないですねー!
4月はくまむんさんも組み立てるんですよね!?
6回くらいの分割払いが可能であれば、あるいは…(`・ω・´)
驚異(or安定)のメガネ率
ものをつくるものをつくる
>参加する際にはPCだけを持参すればOK
デスクトップしか持ってないので、いきなり分厚い壁が……。
MAKERSの世界やな
正直憧れるな
これWindowsでもokなの?
大丈夫です。実際、何人かの方はWindows機で参加されていました。