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http://japanese.engadget.com/2014/03/12/4k-life-space-ux-3-19-4-13/


ソニービルで超短焦点4K壁プロジェクタほか Life Space UX を国内初展示。3月19日から4月13日まで - Engadget Japanese


ソニーは銀座ソニービルで、「空間そのものを活用して体験を創出する」Life Space UX コンセプトの展示イベント Life Space UX Exhibition を開催します。日時は3月19日から4月13日(日)まで各日11:00 〜19:00、入場は無料。

ソニーが今年1月のラスベガス CES 2014 で発表した Life Space UX は、壁近くに設置して最大147インチの映像を投影できる「4K超短焦点プロジェクター」や、天窓からの眺めのように映像を投影して間接照明にもなる「天井プロジェクター」、食卓に真上から映像を投影してタッチ操作対応のディスプレイにする「テーブルトップスクリーン」といった製品群を活用するコンセプト。

ソニービル8階のイベントスペース OPUSでは、こうした Life Space UX を構成する製品の試作機を国内で初めて体験できます。
(トップの一枚はCES 2014で撮影した実際のデモ。こちらはCES プレゼンのステージ)

Life Space UX は、平井社長による CES 2014 のキーノートプレゼンテーションで発表されたソニーの新機軸。ソニーといえば長期間のリストラにもかかわらず経営不振が続き、ここ最近は資産の切り売りを繰り返してなんとか帳尻をあわせようとするも届かないような有り様でしたが、Life Space UX はひさびさに前向きな、商品としてはともかく夢のあるコンセプトとして扱われています。

VAIO事業の売却やテレビの分社化を説明したQ3業績説明会でも、平井社長みずから:

(...) CES 2014 では、キーノートスピーチで私が持っているソニーの将来に対する夢なども語らせてもらった。特に超短焦点4Kプロジェクタを使った Life Space UX については、わたしの独断と偏見で、なんとしても商品化するんだということで、突貫工事で新たに事業部を立ち上げた。

と語るほどの肝いりプロジェクトです。


センターピースとなる4Kプロジェクタは、平坦な天板から電動でレンズ部分がポップアップするプロジェクタ部(幅1m10センチ)と、左右に幅20センチほどのスピーカー、さらに幅60センチほどのキャビネット部が並んだ構成。左右のキャビネットは内部や上に他のAV機器などを収納できます。商品としては原則的にバラ売りせず、この長さのパッケージとして扱う計画。

プロジェクタとしての仕様は、0.74インチ4K SXRD方式 4096x2160 x3原色、投影サイズ66インチから147インチ、レーザーダイオード光源で2000ルーメン。

プロジェクタの奥行きは53.5cmで、最大の147インチを投映するには壁からユニットの背面(壁側)が17cm必要になり、前面(見る人から手前側)は壁から70.5cmになります。壁にぴったりくっつけて設置した場合でも最大106インチまで投影可能です。


高精細・大画面の利点は「実際の風景がそこに広がっているかのような感覚を生み出せることに加え、映画やスポーツ映像、ゲームなどを楽しめるエンタテインメント・ウィンドウに」なること。壁際設置なので相対的に明るさも稼ぐことができ、スクリーンの反対側の壁や天井や部屋の中央にプロジェクタを設置してじゃまになることがない、画面とプロジェクタのあいだを横切って大きな影にならないといった点も特徴です。



CES 2014 で実際にデモを体験した際の印象は、「あー、プロジェクタだなあ」(そのまま)。名称が「超短焦点4Kプロジェクター」なので最初からプロジェクター以外の何物でもないのですが、上のように明るい室内をイメージしたプレス画像を見て「未来の壁ディスプレイだ!」的なイメージを抱いてから実物を見ると、かなり照明を落とした室内でも、高輝度バックライトや有機ELなどのテレビと比較すればやはりぼんやりとした、もっとも暗い部分でも原理的に壁の明るさになるプロジェクターらしい映像で我に返ります。

とはいえ、「※画像はイメージです」的なプレス画像さえ忘れてプロジェクターとして見れば、超短焦点にもかかわらず思わず「歪みねぇな!」と感嘆する投影精度。技術的にも非常に優れた製品であることは間違いありません。明るい外光を採り入れるリビングルームで昼間も大画面テレビの代わりになるかといえば難しいところですが、状況に応じて投影面積を小さくして明るくできるのはプロジェクターの特性です。

CESでのデモは特に専用のスクリーンを使わず壁(のようなブース内セットアップ)にそのまま映していたため、この製品が映えるリビングルームがあり4Kプロジェクタを買える人ならば、高価なスクリーンを用意することでさらに明るさやコントラストは改善できると思われます。

Life Space UX の超短焦点4Kプロジェクタは、まず米国で今年の夏にも発売予定。予価は300万円から400万円程度。購入予定のあるかたもない方も、3月19日以降に銀座にゆけば無料で見られます。