東日本大震災で、警報が正しい情報を伝えなかったためにが大津波で死亡したとして、

被災地の男性が裁判に訴えました。

画像:【大津波に襲われる陸前高田市】 
  大津波に襲われる陸前高田市
http://www.tokyo-portal.info/essay/20130204.html

13日、1700人以上の死者・行方不明者が出た岩手県陸前高田市の大森俊行(63才)さんが、10日に

国と市を相手取り、6000万円の損害賠償を求めて、裁判を起こしたことがわかりました。

大森さんの訴状によると、自宅は海岸から約1キロのところにありましたが、大地震が起きた3分後、気

象庁は高さ3メートルと過小評価した「大津波警報」を発表し、さらにその後、陸前高田市の情報機器

(防災行政無線)に停電などのトラブルがあったため、気象庁から予想される津波の高さが6メートル(な

お、防波堤は5.5メートル) に引き上げられた内容が伝わらなかったとのこと。

大森さんは早い段階で正確に情報を伝えていれば、妻の幸子(59才)さんが高台に避難でき、助かって

いたはずだと訴えています。

大森さんは提訴に踏み切ったことについて

「誰もが黙っているから、じゃあ私がやろうと決意した。
過小な津波予想を信じた人々の無念を代弁したい。
大津波警報を巡る気象庁と陸前高田市の対応に問題があると考えている。
気象庁は巨大津波の警報を出すべきだった。市には防災機器の機能を維持する義務があった。
亡くなった妻が今も『なぜ正しい情報を教えてくれなかったのか』と言っているような気がしている」

と心情を語っています。

気象庁は

「訴状が届き次第、対応したい」

陸前高田市は

「訴状が届いていないのでコメントできない」

としています。

大津波警報の発表を巡って裁判が起こされるのは初めてのケースです。

動画:【陸前高田市を襲う大津波】

裁判所がどのような判断を下すのか、注目です。