後輩「先輩、ナニしてるんですか?」 男「っ!」
- 1 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/29(水) 00:37:50 ID:bjgJnY/6
男「び、びっくりした。驚かさないでくれ。」
後輩「そんな隅っこで。ナニしてたんですか?」
男「な、ナニも、何もしてねーよ……」
後輩「……」- 2 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/29(水) 00:46:17 ID:bjgJnY/6
- 後輩「まぁ、先輩がそう言うなら、良いです。」
男「お、おう。今日は何読むんだ?」
後輩「新入部員、探さなくて良いんですか? この部、先輩と私しかいないんですよ。」
男「面倒だし……?」
後輩「廃部ですよ。廃部。わかってるんですか、先輩部長さん。」
男「俺には関係ないもん、後輩副部長さん。来年で卒業だし。」 - 3 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/29(水) 00:59:29 ID:bjgJnY/6
- 後輩「私は、人数が少ない方が集中して読めるんで。都合は良いんですけどね。」
男「確かに。一年前のここ、実は結構人数が多くてさ。雑談がメインになってたよ。」
後輩「そうだったんですか。やっぱり、二人で良かったです。」
男「だな。静かに読めるってのは、やっぱ良いよな。」
後輩「あ、いや、……なんでもないです。」
男「?」 - 4 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/29(水) 01:07:03 ID:bjgJnY/6
- 後輩「……」
男「……」
後輩「……」
男「……」
後輩「……先輩、喉乾きました。お茶買ってきて下さい。」
男「先輩を何だと思ってるんだ。あ、俺の飲みかけでいいなら、さっき開けたのがあるけど。」
後輩「……し、仕方ないですね。喉も乾きましたし、そ、それで我慢してあげます。」 - 6 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/29(水) 01:11:54 ID:bjgJnY/6
- 男「ほれ。あ、俺も飲むからできれば近くに置いておいてくれると助かる。」
後輩「えっ、本当ですか。共有するんですか。」
男「俺の飲み物なくなっちゃうし、いや、そんなに飲みたいなら全然良いよ?」
後輩「い、いえいえいえいえ! 是非共有しましょう。そうしましょう。」
男「そんな、体を乗り出さなくても……」 - 7 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/29(水) 01:15:51 ID:bjgJnY/6
- 後輩「……」
男「……」
後輩「……!」
男「あぁ、やっぱりこいつが犯人かぁ。」
後輩「……」
男「……」
後輩「……!」 - 8 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/29(水) 01:21:55 ID:bjgJnY/6
- 男「……なんか俺がお茶飲むと微かに反応してない? やっぱ買ってきてあげようか?」
後輩「ぅぁ、ぃ、い、いやいや、反応なんか微塵もしてないです。何言ってるんですか。」
男「さっきはああ言ったけど、別に先輩だからって、遠慮しなくて良いし。」
後輩「良いですからっ。 取り敢えず、間接チュ、こほんっ! お茶を下さい。」
男「お、おう。ほい。」
後輩「……へへ。」
男「?」 - 10 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/29(水) 01:28:05 ID:bjgJnY/6
- 後輩「……」
男「……」
後輩「……」
男「……よし、読み終わった。」 - 11 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/29(水) 01:30:03 ID:bjgJnY/6
- 後輩「その推理小説のシリーズ、先輩好きですよね。」
男「あぁ、もう五、六週してると思う。」
後輩「でも、まだ続いてるんでしょう? 新刊は出ないんですか。」
男「もうすぐで出る、んだけど。受験忙しいしなぁ。買いに行けない。」
後輩「先輩の家、本屋からかけ離れてますからね。」 - 12 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/29(水) 01:36:44 ID:bjgJnY/6
- 男「もう十二月だからな。そうか、もうえっと、八ヶ月か。八ヶ月もこの部で、後輩と一緒にいるんだな。」
後輩「そうですね。私、先輩が居なくなったら寂しいですよ。」
男「廃部だからね……」
後輩「いや、そ、その、ここじゃなくて、せ、先輩が大学に行っちゃうのが寂しいんですっ……!」
男「そか、嬉しいな。でも、もう後輩とゆるく読書ができないのか、……俺も寂しいかも。」 - 13 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/29(水) 01:43:53 ID:bjgJnY/6
- 後輩「ぁぅ……」
男「どした、顔赤いぞ? ストーブ、暑いか?」
後輩「……なんでもないです。先輩は私の事が分かっていません。ミジンコ以下です。」
男「えっ、ミジンコ以下? 本当に?」
後輩「えぇ。えぇ。もしかしたら、アオミドロ並かも知れないですね。」
男「……ショック。」 - 14 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/29(水) 01:50:08 ID:bjgJnY/6
- 男「……あ。良い時間だし、切りも良いし、そろそろ俺、帰るよ。」
後輩「じゃあ、私も帰ります。」
男「良いのか? まだ読みかけだろ?」
後輩「部室の戸締り面倒ですからね。まぁ、手伝いますけど。一緒にやったほうが効率的でしょう。」
男「いや、俺が全部やるから読んでても良いよ? そんなに多くないし。」
後輩「良いって言ってるんです、ミジンコ先輩。」
男「!?」 - 15 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/29(水) 01:53:29 ID:bjgJnY/6
- 後輩「あぁ、違いましたね。アオミドロ先輩。」
男「後輩、俺、単細胞生物じゃない……」
後輩「ふふっ、良いから帰りましょう。先輩っ。」
男「せ、せめて、哺乳類に……」
後輩「私の事を分かる、努力をしてください。話はそれからです。」
男「分かってるつもりなんだけどな……」 - 16 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/29(水) 02:03:10 ID:bjgJnY/6
- 後輩「ぅ、外はやっぱり寒いですね……」
男「ははっ。後輩寒いの苦手だもんな。」
後輩「ぅう……、おぉ、手が回復して行きます、先輩暖かいぃ……」
男「冷たっ、冷たいっ! 俺の首に付けるな!」
後輩「じゃあ、お腹に付けますね。あ、先輩、意外と鍛えてるんですね。」
男「あっ、ちょ、服の中に手、入れんな! 冷たいし、くすぐったいし、やめ、ぁ、やめろって!」
後輩「ふぅ、先輩暖かかったです。どうも。」 - 17 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/29(水) 02:10:20 ID:bjgJnY/6
- 男「まったく……、腹壊したらどうするんだ。」
後輩「良いじゃないですか。減るものじゃないです。」
男「まぁ、そうだけどな……。ぅ、はぁ。寒っ。」
後輩「……」
男「……」
後輩「……」
男「……」 - 18 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/29(水) 02:17:30 ID:bjgJnY/6
- 後輩「……ぁ」
男「どした、さっきから手、むずむずさせて。」
後輩「て、手袋、忘れちゃったんです。だ、だから、そ、その、ぁぅ……」
男「あ、わかった。」
後輩「!」
男「でも、悪い。俺も手袋持ってない。着けない派。」
後輩「ミジンコですねっ……!」 - 19 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/29(水) 02:21:08 ID:bjgJnY/6
- 男「ま、また何か間違った? って、えっ。」
後輩「こ、ここは、これが、正解ですよ……先輩……」
男「あ、あぁ、そ、そうか、手、握れば良かったのな。……うん。」
後輩「そぅ、です……」
男「……」
後輩「……」 - 20 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/29(水) 02:28:21 ID:bjgJnY/6
- 後輩「……先輩の手は、大きくて暖かいですね。」
男「ははっ。後輩の手は、小さくて冷たいよ。」
後輩「……ぅ」
男「まぁ、こう言うの、悪くない。寧ろ、良いよね。嬉しい。」
後輩「本当ですか? えっ、本当ですか? 嬉しいですか? 私も嬉しいですよ。」
男「本当、本当。妹が出来たみたいで嬉しい。」
後輩「くっ、もはや、生き物では表現できませんっ……!」 - 21 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/29(水) 02:39:15 ID:bjgJnY/6
- 後輩「先輩、先輩。明後日のクリスマス。何か予定はありますか?」
男「ない。なんでそんな酷い事訊くんだ……?」
後輩「私はあるんですけど、せ、先輩がどうしてもって言うなら、一緒に部室で過ごしてあげますよ。」
男「予定があるなら良いよ?」
後輩「……」 - 22 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/29(水) 02:44:22 ID:bjgJnY/6
- 男「って言いたいけど、どうしてもお願い。寂しいから一緒に居てくれ……」
後輩「っ。 い、いいですよ。 ぜ、全然、いいです。 ケーキ買って持っていきますねっ。」
男「おぉ、いいね。じゃあ、俺は、お菓子と飲み物用意するな。」
後輩「は、はい。約束破ったら承知しませんよ。死んでも恨みますからね。」
男「破らないよ……、じゃ、俺、こっちだから。また明日。」
後輩「はい。」 - 23 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/29(水) 02:47:05 ID:bjgJnY/6
- 後輩「……」
後輩「……」
後輩「……っふ」
後輩「ふふっ……」
後輩「先輩……」
後輩「……先輩、好きですよ。」 - 24 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/29(水) 02:51:59 ID:bjgJnY/6
- 男「ただいま。」
男「って、誰もいないよな。知ってる。」
男「母さん仕事。父さんも仕事。一人っ子。」
男「はぁ。」
男「……」
男「……」
男「後輩……」 - 25 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/29(水) 02:59:11 ID:bjgJnY/6
- 後輩「……この主人公、鈍感過ぎます。先輩みたいです。」
後輩「……」
後輩「先輩……」
後輩「わひゃっ!? メール……、びっくりした。」
後輩「誰かな。」
後輩「!?」
後輩「先輩だっ。」 - 26 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/29(水) 03:08:31 ID:bjgJnY/6
- ――――――――――
From:先輩
Sub:なんか
部活であんな事、離した後だからかな?
なんか、急に寂しくなった
家に誰もいないし、本読んでても落ち着かないし。
俺どうしたんだろう?
――――――――――
後輩「先輩。本当にほんとに、鈍感なんですね。」 - 27 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/29(水) 03:14:11 ID:bjgJnY/6
- ――――――――――
From:後輩
Sub:Re:なんか
ミジンコ先輩、それは私の口からは言えません
自分で答えを見つけて下さい
でも私はどんなに鈍感な先輩でも、好きですよ
――――――――――
男「っ! なんで胸がもやもやするんだ……」
男「ちょっと、寝よう……」 - 28 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/29(水) 03:20:39 ID:bjgJnY/6
- 男「おはよう、後輩。」
後輩「おはようございます、先輩。」
男「……」
後輩「……」
男「じ、じゃ、俺、先行くな。三年は色々、忙しいし。」
後輩「は、はい。また、部室で。」
後輩「……」
コメント一覧
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- 2014年03月13日 21:33
- お前のことが好きだったんだよ!
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- 2014年03月13日 21:48
- う、羽毛・・・
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- 2014年03月13日 22:11
- なんか綺麗な話だった
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- 2014年03月13日 22:13
- 淫夢ネタやめいw
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- 2014年03月13日 22:20
- (ただでさえ脈絡の無いところに湧く淫夢厨に露骨なタイトルという餌を与えるのは)まずいですよ!
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- 2014年03月13日 22:39
- これどう考えてもエロいらないよね
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- 2014年03月13日 22:42
- 内容は一切見てないけど多分二人は幸せなキスをして終了。
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- 2014年03月13日 23:07
- ふぅ
ターミヤさん、ちょっと…マズイですよ!