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http://japanese.engadget.com/2014/03/14/2-10km/


古河電工、光ファイバで給電できる『光給電』災害用カメラ。電源ケーブルなし、10km先に伝送 - Engadget Japanese



古河電気工業(古河電工)は、光ファイバ網で給電し、電源ケーブル不要で画像が送信できるシステムを開発しました。まずは官公庁の災害対策用に展開、すでに一部の地方自治体とは実証実験を行っています。その後産業用などに広げていく計画です。

監視カメラの映像を送る場合、映像を送るための光ファイバケーブルと電源ケーブルが必要です。映像品質を下げれば通信網を利用して映像が送信できますが、カメラ側にバッテリーが必要で、永続的に映像は遅れません。

このほかシステム構築時には、電源設備や画像伝送設備が必要。災害時に停電や落雷、断線などさまざまな自然災害の影響を受ける可能性があります。



古河電工が「世界初」とうたう新開発の映像配信システムは、2本の光ファイバ網を利用して、1本を給電用の光ケーブル、もう1本を映像送信用に使うものです。光ケーブル自体はFTTHの宅内引き込み線などに使われるSM型。通常の電源ケーブルと異なり75mWと低出力ですが、10km先の遠隔地に画像が送信できるとしています。伝送損失は3dB。

光ファイバでシステムを組めば、監視ポイントに電源設備や画像送信設備を設置することなく、遠隔地から制御可能。古河電工では、災害時に停電や落雷などの影響を受けにくいとしています。

なお、提供する画像システムは光ファイバを2本使いますが、光ファイバは利用する波長を分けることで、1本で別の光を送信可能です。古河電工の広報部では、「使う波長を分けることで、技術的には1本の光ファイバで実現できます」と話しています。

また、既存の監視システムと併用し、通常は大きな電力が使える電力ケーブルのシステムを利用し、災害時など緊急の場合に光給電システムに切り替える、そんな使い方にも期待が持てそうです。

古河電工では、すでにとある地方自治体の実証実験を行っています。防災活動に積極的に取り組む官公庁に売り込み、その後、産業用などに広げていく計画。2015年度の売上目標は1億円。