大手電機メーカー「東芝」の技術を韓国企業「SKハイニックス」に不正に渡した疑いで、

杉田吉隆(北九州市 52才)容疑者が逮捕されました。

画像:【杉田吉隆・容疑者】
杉田吉隆・容疑者

13日、警視庁捜査2課に「不正競争防止法」(営業秘密開示)違反の容疑で逮捕された杉田容疑者は、

有名半導体メーカー「サンディスク」(東京都港区)の元技術者。

「サンディスク」と「東芝」はNAND型フラッシュメモリー(※)の製造で業務提携していましたが、2007年

4月~2008年5月、「サンディスク」から、「東芝」の開発拠点だった四日市工場(三重県)に派遣された

杉田容疑者は「東芝」の機密情報が収められたサーバーにアクセスできる権限を悪用し、データをコピー。

転職先の「SKハイニックス」に渡したとみられています。

NAND型フラッシュメモリー
携帯電話やパソコン、家電などに使われる大容量データを記憶する半導体メモリー

画像:【東芝(四日市工場)】
東芝(四日市工場)
https://www.toshiba.co.jp/env/jp/industry/co2_j.htm

画像:【SKハイニックス】
SKハイニックス
http://www.businesskorea.co.kr/article/2586/expansion-dram-production-sk-hynix-decides-build-two-new-dram-plants

警視庁の調べに対し、

「事実はすべて間違いありません」

と容疑を認めていると伝えられています。

東芝は今回の事件を受け、SKハイニックスに

「本来得られたはずの1000億円以上の利益を損なった」

として、損害賠償を求める裁判を起こしました。

また「サンディスク」は

「元社員に情報漏洩の疑いがかけられていることは遺憾。警視庁の捜査に全面的に協力する」

と話しています。

なお、杉田容疑者は昨年7月に東芝から同容疑で告訴されていましたが、今回疑いが濃厚となったために

逮捕となりました。

フラッシュメモリーの世界市場でのシェアは1位が韓国サムスン電子、2位が東芝、4位に今回の流出先で

ある韓国SK社となっています。

この事件は氷山の一角で、日本企業の技術流出は今後大きな課題になりそうな気配です。