戻る

このページは以下ＵＲＬのキャッシュです
http://yamakamu.com/archives/4021562.html

鍵っ子という言葉がある。いわゆるkey信者である。10年以上前の私はガチガチの鍵っ子であった。そこでネットで「月姫」という同人ゲームが流行ってたわけですよ。なんだ同人ゲーかよと思いつつ、そんなに誰もがプレイしてるならいっちょやってみようと思ってやってみたら…最高であった。初めてプレイした同人ゲームが神ゲーだったわけです。僕は型月厨にもなったのだ。

そして「月姫」がアニメ化したんですよ。まあアレだったね。パスタって何だよ！シエル先輩はな、知得留先生はな、カレーなんだよ！（そこかよ）

そんな流れで佐々木少年先生が漫画化させた「真月譚月姫（AA）」は月姫ファンも納得の素晴らしい一品であったわけ。月姫というのは1キャラ攻略する度に、真相が明かされるスタイルなんだけど、最初に攻略することを推奨されてたアルクェイドルートを中心に描く中で、他のヒロインでしか語られないエピソードを見事に盛り込んだわけです。原作に対する肉付けが素晴らしい。1人どのルート辿っても死ぬキャラが生きてたりな。んで、その佐々木少年先生が奈須きのこ氏の「月の珊瑚」を漫画化させ1巻が発売されたわけです。（あー、佐々木少年先生には「魔法使いの夜」のコミカライズして欲しかったかな。かな。）


1巻裏表紙より。
ふむ。もう朗読聞いたの随分前だから新鮮な気持ちで読めました。モチのロンで、この漫画版「月の珊瑚」だけ読んでもまったく問題なく描かれています。あと、バリバリのきのこ節、つまり厨二全開展開は無いです。「月姫」「fate」などの燃え展開を期待してると肩透かし食らうかもしれません。「月の珊瑚」は透明感のある純愛です。

んで、この漫画版「月の珊瑚」。最高だったね！

簡単に説明すれば「かぐや姫」をベースにして厨二的なテイストを削ぎ落したきのこ作品である。遠い未来の地球、人々は静かに滅びを待つだけであった。人類は衰退しました。意欲を失った人々にの中にあるちょっと切ないラブストーリーである。

やっぱ佐々木少年先生のコミカライズ漫画はいいんですよね。
うろ覚えだけど、「月の珊瑚」を読んだ＆聴いた時に感じたのは第一に心情を風景で語るテキストだったという印象でした。それが漫画版ではどうかといえばね…。


この背景よ
はいお見事！

「星が瞬くこんな夜に」という感じかな。
いや「まほよ」のEDテーマ曲じゃないんですけど、ヒロインの心情と描かれる背景が見事にマッチしています。単刀直入に言えばこの「月の珊瑚」は背景が語るのである。テキストでそれを語るのがきのこ氏ならば、佐々木少年は見事にコマで語ったというべきか。

描かれる背景をじっくり見れば分かるよね。
姫の心情。気持ちがそのまんま背景となっているという感じが。まあ漫画なのでアシが背景描いてる可能性もあるので、もしアシならこのアシ分かってるなといったところかな。海の背景、星空の背景、全てが素晴らしい。輝いているね。


星が瞬くこんな夜に
「それでは」
照れくさそうに言って、彼と船は西の空に消えていった
はじめて聞いた、人間らしい声だった

素晴らしい。実に素晴らしいです。
「月の珊瑚」は、「かぐや姫」がベースとなっているので月は格別特別な位置である。その描かれた月もなかなかどうして。でも、それ以上に「夜空に満点の星」だよね。背景として描かれる夜空の星がもう最高なんだよね。まさんび姫の心情を表わす、感情がそのまま描かれちゃうって思うわけですよ。

モチのロンで星空だけでなく姫の書いた小説でも絶妙な背景なわけ。何もない背景発→賑やかな背景って感じで。

そして、1話から満点の星空なんだけど、5話の小説を書き終え配達人が初めて人間らしい声を発した後の夜空よ。最高にキラキラ輝いていたよね。姫の夜空を見れば一目瞭然。回を重ねる度に、夜空の輝きが増すのである。バトル漫画が強さでインフレするように、とらぶるがエロでインフレするように、「月の珊瑚」は夜空がインフレするのだ。


話が進むにつれ星の輝きが増します
5話では、今までにない最高の夜空である。

だ・け・ど！
これに負けない夜空がある。それが姫が書いた小説物語。石の女の子が地球から月を眺めたシーンである。


この星空もなかなかどうして
うん、キラキラ輝いてるよね。
「月の空には砕け散った海がある」…か。どんどん海が輝いていくね。
あまりの背景の素晴らしさばかりを語ってしまいましたが、姫の可愛さもなかなかどうして。島の姫をするって時はわざわざカツラをして亜麻色の髪の乙女を演じるわけですけど、この姿もグッとくる可愛さですね。セイバーがカッパを着ても気高き美しさや気品があったのと同じ。姫にもそこはかとない気高さや美しさが漂ってます。

そういえば久々に「月姫」やりたくなったので再インストールしてみたら、今の環境じゃ動きやしねぇ！色々いじくって何とか起動出来るようにしたけど、BGMが1回鳴って無音状態になっていまう。もう、私は諦め、リメイク版「月姫」を待つ事にしました。でも、全然発売される気配がない。「まほよ」の続編もいつ出るの？もう、型月は僕の中でかつてのアージュ並の焦らし作戦を決行してるとしか思えない。

しかし、わしとて老いたとはいえ歴戦の猛者よ。
わしは、かつてはSNOW戦線も、オルタ戦線も、G線上の魔王宣戦も、俺たちに翼がない戦線も、全て生き抜いてきた百戦練磨の老兵なり。「月姫」リメイク？「まほよ」新作？余裕で待てるわい！（おっさんその話は聞き飽きたよ）
＜関連＞
・「魔法使いの夜」魔法とはツンデレである