春香「地獄先生」
- 1:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/03/22(土) 19:22:13.73 ID:dK3axHGTo
社長「えー、諸君。ついに我が765プロも、専用の劇場を持つ事が出来た。これもひとえに、君達アイドルやそれを支えてきたプロデューサー陣、音無君が一丸となって頑張ってきた成果であり、私は社長として、この上ない喜びを‥‥」
亜美「もー、社長。話が長いよー」
真美「そーだよー。喜ぶなら、もっと分かりやすく喜ぼうよー」
P「こらこら」
社長「はっはっは。いやあ、これはすまなかったね。とにかく、今後は君達の後輩も入ってくるわけだし、ここは一つ、日頃の英気を養う意味も込めて、ささやかながら、こうしてお祝いをしようとなったわけだ。遠慮なく楽しんでくれたまえ」
律子「そういう事よ。お言葉に甘えておきましょう」
P「では社長。乾杯の音頭をお願いします」
社長「うむ。諸君、グラスの準備はいいかね? では‥‥君達の益々の躍進を願って、かんぱーい!」
アイドル「かんぱーい!」
ワイワイワイ ガヤガヤガヤ
黒井「ふん! 高木め。弱小プロの分際で生意気にも、こんな建物を‥‥」
社員「なんでも、小規模ながらステージや売店、レッスン場なんかもあるみたいですよ。もっとも、うちとは比べ物にならない、貧相なもんですけどね」
黒井「当たり前だ! しかし気に食わん。調子に乗らないよう、釘を刺しておかねばな」
社員「だからって社長自ら、わざわざ嫌がらせに来なくても‥‥」
黒井「何か言ったか?」
社員「いえ!」
黒井「パーティ会場に乗り込んで、嫌み‥‥もとい、警告でも与えてやれば‥‥ん? おい、これはなんだ?」
社員「え? なんです?‥‥なんか、お札みたいですよ。気持ちわりーなー‥‥」
黒井「お札?‥‥はーっはっはっは! これはいい! 曰く付きの物件か! 765プロにはお似合いじゃないか! はっはっはっは!」
社員「あ、これ、剥がしちまいましょうか」
黒井「何?」
社員「そんで、奴らの目に入りそうなとこに捨てておけば‥‥」
黒井「なるほど。お前、なかなか有能だな。今後の待遇について、上司に一言添えてやろう」
社員「ありがとうございます! では早速‥‥」ビリッ
黒井「いい気味だ。後は入り口の目立つところにでも‥‥ん?」
── この世には
黒井「おい、今、誰か通らなかったか?」
社員「へ? 誰もいませんけど。あれ? おかしいな、なんだか寒気が‥‥」
── 目には見えない、闇の住人達がいる
黒井「わ、私もだ。風邪でも流行って‥‥ん!? なんだ!? ぎゃ、ぎゃあああああ!」
社員「う、うわあ! ひいいいい!」
── 奴らは時として牙を剥き、君達を襲ってくる‥‥
- 2:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/03/22(土) 19:23:38.11 ID:dK3axHGTo
テレビ「先日お伝えした通り魔事件ですが、昨夜、また新たな被害者が出ました。警察では同一犯による犯行との見方を強め、付近の住人に警戒を呼びかけており‥‥」
リツコ「怖いですね。なんでも、襲われた人は全員、入院が必要なほどの怪我をしているんですって」
ぬ~べ~「けしからん奴がいるもんですね。生徒達にも、気をつけるよう言っておかないと。そ、それより、リツコ先生!」
リツコ「はい?」
ぬ~べ~「こ、今夜、一緒に食事でもどうです? 素晴らしいレストランを見つけたんです!」
リツコ「まあ素敵! でも、そんなにいいお店なら、今夜いきなりは無理なんじゃないですか?」
ぬ~べ~「そこは大丈夫! 隣が墓地で、人魂の噂なんてのもありまして、夜にはいつも客が1人も‥‥」
リツコ「きゃああ! 私が怖い話苦手なの知ってるくせに! 鵺野先生の意地悪! もう知りません!」
ぬ~べ~「リ、リツコ先生! 待ってください! リツコ先生~!‥‥はあ、またフラれてしまった‥‥」
校長「鵺野君、傷心のところ悪いが、君に電話が入ってるよ」
ぬ~べ~「俺にですか? 誰だろう。はい、鵺野です。‥‥なんだ君か」
- 5:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/03/22(土) 19:24:14.68 ID:dK3axHGTo
ぬ~べ~「それで? 放課後会いに来いだなんて、何の用なんだ? ひょっとして、マジメに霊能力の修行をする気にでもなったのか?」
いずな「バカ言わないでよ。そんなんじゃなくて、紹介したい奴がいるんだよ」
ぬ~べ~「俺に?」
いずな「ミキって子なんだけどさ。実は‥‥」
ぬ~べ~「美樹? なんだ、それなら学校で話せばよかったじゃないか。そうだ。またあいつに要らん事吹き込んでないだろうな」
いずな「そのミキじゃないよ! 隣の中学に通ってる子で‥‥あ、いたいた。おーい」
美希「あ、いずな。久し振りー。そっちの人が、他の事は全部ダメだけど、霊能力だけなら頼りになるって言ってた人なの?」
ぬ~べ~「おい」
いずな「あはは‥‥やっべー‥‥」
ぬ~べ~「まあいい‥‥こほん、俺は鵺野鳴介。いずな君からどう聞いているかは知らんが、頭脳明晰スポーツ万能な二枚目教師だ」
美希「ミキは美希。星井美希だよ。765プロで、アイドルやってるの」
ぬ~べ~「アイドル? へえ。言われてみれば見覚えがあるような無いような‥‥」
美希「むー。ねえ、いずな。この人、大丈夫なの? 今時ミキの事知らないなんて、有り得ないって思うな!」
ぬ~べ~「うむむ‥‥と、とにかく、何か俺に用があるんだって?」
美希「そうなの! すっごく変な事が起きてるから、いずなに相談したら、そういう事なら頼りになる人がいるって言われて」
ぬ~べ~「変な事?」
美希「詳しく話すと長くなるんだけど‥‥ホントに長くなりそうだから、ちょっとめんどくさいの。ちょっと待っててね。‥‥あ、もしもし春香? 今、駅前のオブジェの前にいるんだけど、来れない?‥‥うん、だったら来て欲しいの。あ、千早さんも暇だったら一緒に来て欲しいな」
ぬ~べ~「‥‥いずな君。この子、マイペース過ぎないか?」
いずな「うん‥‥」
美希「あはっ。お待たせなのー。ちょっと時間かかりそうだから、そこの店でお茶しようよ。ミキ、おごっちゃうの」
いずな「オゴリだって。よかったじゃん。万年金欠教師」
ぬ~べ~「あのな! 俺だってコーヒー飲むくらいの金は‥‥」ゴソゴソ チャリンチャリン
いずな「‥‥これ、全財産?」
美希「‥‥やっぱりおごってあげるの」
ぬ~べ~「しゅいましぇん‥‥」
- 7:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/03/22(土) 19:25:33.29 ID:dK3axHGTo
春香「美希! お待たせ!」
千早「急に呼び出して、何かあったの?」
美希「あ、2人とも。いきなりごめんね。ぬ~べ~、この2人は春香と千早さん。ミキと一緒にアイドルやってるの。ユニットで歌う事も多いんだよ。この人は、小学校の先生やってるの。鵺野鳴介って名前だけど、ぬ~べ~でいいんだって。で、こっちがいずな。友達なの」
いずな「私だけ軽くね?」
春香「天海春香です!」
千早「如月千早です」
ぬ~べ~「俺は鵺野鳴介。美希君が今言った通り、小学校の教師をやっている。何か困り事があるんだって?」
春香「困り事、ですか?」
千早「たしかに教師の方に悩みの相談に乗って頂ければ心強いですが、今は特に‥‥」
美希「あ、さっき電話で言うの忘れてた。ぬ~べ~はね、日本で1人しかいない、霊能力教師なの」
春香「霊能力? あ! じゃあ美希、ひょっとして‥‥」
美希「うん! でも、説明するのが大変そうだから、2人を呼んだの」
春香「そうなんだ。じゃあ早速‥‥」
千早「ちょっと待って」
春香「千早ちゃん? どうしたの?」
千早「初めて会う方に失礼かも知れないけれど‥‥どうにも信用出来ないわ。この手の詐欺だってあるって聞くし‥‥」
美希「大丈夫なの。いずなはミキの友達で、そのいずなが紹介してくれたんだよ?」
千早「でも‥‥」
いずな「あーもう。先生、面倒だから、パパッと証明しちまいなよ。霊視でもしてさ」
ぬ~べ~「しかしだな、霊能力は見世物じゃないし、あまりプライベートな部分を覗くようなマネは‥‥」
千早「私は構いません。困っているのは事実ですし‥‥鵺野先生さえよろしければ」
ぬ~べ~「そうか‥‥よし、じゃあやってみよう」ジャラ
春香「じゅ、数珠、持って歩いてるんだね‥‥」ヒソ
美希「ちょっと引くの」ヒソ
ぬ~べ~「うぐっ‥‥ごほん。始めるぞ」
千早「はい」
ぬ~べ~「宇宙天地 與我力量 降伏群魔 迎来曙光‥‥」
千早「‥‥‥‥」
- 8:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/03/22(土) 19:26:16.61 ID:dK3axHGTo
ぬ~べ~「‥‥千早君だったね」
千早「はい」
ぬ~べ~「君は‥‥過去に辛い経験をしたようだな」
千早「!!」
ぬ~べ~「守護霊という言葉を聞いた事があるかな?」
千早「は、はい。‥‥もしかして‥‥」
ぬ~べ~「ああ。君の守護霊は、君の弟‥‥優君だ」
千早「あ‥‥で、ですが‥‥私の弟の件はメディアにも取り上げられましたし‥‥」
美希「ミキの事も知らないくらいだし、知らないと思うな」
千早「でも‥‥」
ぬ~べ~「ほうほう、君の昨日の夕飯は、コンビニで買ったハンバーグ弁当か。栄養の偏りを心配してるよ。それから、いくら疲れているからと言って、お風呂で寝るのは危ないからやめろと‥‥」
千早「ええ!? そ、そんな事まで!?」
春香「すごい‥‥」
ぬ~べ~「あと、グラビアに載っているアイドルの写真と自分を比べて落ち込むのは、見ている方も辛いからやめてほしいそうだ。それに‥‥」
千早「わ、わかりました! わかりましたから、もうやめてください! あと優に、胸の件は余計なお世話だと伝えてください!」
ぬ~べ~「ははは、ちゃんと伝わってるさ。楽しそうに笑っているよ」
千早「もう‥‥でも、これでわかりました。疑ってしまって、すみません」
ぬ~べ~「いや、いいんだ」
いずな「見た目から胡散臭いんだもん。しゃあないよなー」
ぬ~べ~「うるさい!」
春香「それじゃあ、改めてお話します。事の始まりは、多分、1週間くらい前‥‥765プロ劇場完成パーティの日なんだと思います」
ぬ~べ~「思いますというのは?」
春香「本当のところはどうなのか、はっきりしないんです。ただ、パーティの途中、外から救急車のサイレンが聞こえてきて‥‥劇場の前に停まったから、うちの事務所の社長やプロデューサーが見に行ったんです。そうしたら‥‥」
千早「765プロと関わりの‥‥というか、因縁のあるプロダクションの社長と、社員が倒れていたらしいんです。最近テレビで、通り魔の事件が話題になっていますよね? 実は、最初の被害者はその2人なんです」
ぬ~べ~「そうだったのか‥‥しかし、それが俺とどう関係するんだ? まさか、犯人を捜して欲しいとか‥‥」
美希「話は最後まで聞いて欲しいの」
- 9:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/03/22(土) 19:27:01.90 ID:dK3axHGTo
春香「警察の人に色々聞かれた時、事件の現場に、くしゃくしゃにされたお札が落ちてたって話を聞いて‥‥それがどうも、うちの劇場から剥がされた物みたいで」
千早「話を聞いた時には、バチが当たったんだと言っている人もいました。私も、お札と事件なんて何も関係ないと思っていたんですが‥‥」
美希「そのすぐ後から、劇場で変な事が起きだしたの」
ぬ~べ~「さっきも言ってたな。変な事ってのは?」
美希「例えば、ミキね、お昼寝が好きなんだけど、控え室でこっそり居眠りしてたら、誰かに揺すられた感じがして‥‥でも、目を開けたら誰もいなかったの」
春香「他にも、誰もいない筈のレッスン場から足音がしたり、誰かにずっと見られてる感じがしたり‥‥」
千早「見た事のない番号から電話がかかってきて、折り返したら、使われていない番号だったという事もあるらしいです」
美希「事務所にはすっごく怖がりの子とかもいて‥‥ミキ達はまだ平気な方なんだけど、それでも夜までいたりしたら、流石に気持ち悪いの」
春香「そのせいで、劇場で働いてる時には、なんとなく嫌な雰囲気になっちゃって‥‥どうしようってみんなで話してたら、今日、先生とこうやってお話出来たんです」
いずな「どう思う?」
ぬ~べ~「うーん、実際に見てみないとなんとも言えんが、そのお札と言うのが気になるな。妙な出来事が起き始めた時期と、あまりにタイミングが合い過ぎている」
美希「なんとかしてくれるの?」
ぬ~べ~「そうだな。怪我人も出ているような危険な状態らしいし、放ってもおけないだろう」
春香「あ、ありがとうございます!」
いずな「いやー、よかったよかった」
ぬ~べ~「それにしても珍しいな。いつもなら、俺に相談なんかしないで、真っ先に首を突っ込みそうなのに」
いずな「それが、もっと金払いのよさそうな上客‥‥じゃない。どうしても私じゃないとダメだってお客がいてさ、そっちに取り掛かりたいんだよ。じゃあ私は行くから。美希の事、頼んだよ」
ぬ~べ~「あ、こら! おい!‥‥ったく、全然凝りとらんな」
千早「でも‥‥私達だけで決めてしまって、いいのかしら」
春香「あ、そうだよね。社長やプロデューサーさんに聞いてからじゃないと」
美希「なら、小鳥に電話して、劇場に集まってもらうの。その場でお願いすればいいって思うな」
春香「み、美希ってば‥‥」
- 10:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/03/22(土) 19:27:54.34 ID:dK3axHGTo
春香「と、いうわけで、かくかくしかじかなんです」
P「まるまるうまうま、か。しかし‥‥じょ、除霊か。なんというか、唐突だな‥‥」
律子「そうよ。多分、コメント一覧
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- 2014年03月22日 21:45
- 1ゲッツ
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- 2014年03月22日 21:48
- 暴食ケツでか星人も妖怪みたいなもんだろ
-
- 2014年03月22日 21:52
- 普通に楽しめた。
袖もぎのにやりと言うのはなんか企んでるのかと気になったけど。
-
- 2014年03月22日 21:55
- 原作派なんで経文には多少違和感あったけど
両方の良さをうまく引き出してるいいクロスSSだった
確かに言われてみれば765プロとぬーべーのキャラ名前被りが多いなww
-
- 2014年03月22日 21:59
- 袖もぎのニヤリはドヤ顔だったんだな
-
- 2014年03月22日 21:59
- 良かった。次は玉藻やゆきめも頼んます
-
- 2014年03月22日 22:05
- 悪人が人面犬になる話かな最後のは
-
- 2014年03月22日 22:11
- ↑屋上
-
- 2014年03月22日 22:28
- 何てこった
あずささんの方向音痴は、妖怪の仕業ではなかったのか
-
- 2014年03月22日 22:29
- ※2
屋上
-
- 2014年03月22日 22:29
- 面白かった。
-
- 2014年03月22日 22:32
- 矢車さんじゃないのかよ!!
-
- 2014年03月22日 22:37
- ぬりかべかと思ったら千早だった
-
- 2014年03月22日 22:58
- ※2 屋上
最後のは悪徳社長が人面犬になったのかな?それとも2話へのつなぎか
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- 2014年03月22日 22:59
- のっぺらぼうかと思ったらリボンなし春香さんだった
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- 2014年03月22日 23:05
- ぬ~べ~の方かよ!!
俺も最近ISの矢車SS見たばかりのせいか、地獄兄弟と勘違いしてしまったぜ!!
-
- 2014年03月22日 23:10
- 良かった
玉藻も出てたらぬーべーとでピヨの妄想も捗ったろうに
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- 2014年03月22日 23:13
- アニメ版のお経にあまり馴染みがないな。
脳内で変換した。
言霊に除霊効果あるのだから歌にもあるよな。
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- 2014年03月22日 23:18
- とても良いですね
続きも読みたいな
ぬ〜べ〜SSもっと増えろ
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- 2014年03月22日 23:23
- 山姥かと思ったら律子だった
-
- 2014年03月22日 23:30
- ぬりか
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- 2014年03月22日 23:40
- 袖もぎ「サアイッパイ タベヨオ ヨ」
-
- 2014年03月22日 23:48
- アイドルマスターの方は知らないから分からないけど、ぬ~べ~をしっかりと観てる人だと感じた
Jスターズの制作陣もこの元ネタ愛を少しは見習えや
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