寿司グルイ
- 1 :以下、名無しにかわりましてSLPYがお送りします。
- 正気にては大トロ握れず。寿司道はシグルイなり。
- 2 :以下、名無しにかわりましてSLPYがお送りします。
- お美味
お美味でございます
- 3 :以下、名無しにかわりましてSLPYがお送りします。
- 回転流 寿司流れ
- 4 :以下、名無しにかわりましてSLPYがお送りします。
- 戯れなればサビ抜きにて
- 5 :以下、名無しにかわりましてSLPYがお送りします。
- くら寿司と申したか
- 6 :以下、名無しにかわりましてSLPYがお送りします。
- 虎眼流は最少の手数で握る
一手あれば寿司は握れるのだ
- 7 :以下、名無しにかわりましてSLPYがお送りします。
- 深海魚の肉丁重に扱うべし 捨てること罷りならぬ 寿司にして流すべし
かかる寿司の値段は『回転寿司安し』を世に知らしめ名声を高むるに至るなり
- 8 :以下、名無しにかわりましてSLPYがお送りします。
- 誘われるままに店の奥へと進んだ進八郎は恐るべき事実に気付いた
『回転寿司にあらず!』
更に恐るべき事実 寿司ネタは全て『時価』なのだ
- 9 :以下、名無しにかわりましてSLPYがお送りします。
- 藤木師範代の奢り…あれはつらい 一番安い皿しか食わせてもらえぬ
- 10 :以下、名無しにかわりましてSLPYがお送りします。
- カピカピに乾いても流れる寿司に一切手をつけぬ二名
- 11 :以下、名無しにかわりましてSLPYがお送りします。
- 素手で…
握り寿司相手に箸は用いぬ
- 12 :以下、名無しにかわりましてSLPYがお送りします。
- 何だか知らんがとにかく寿司!
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- におうな
- 14 :以下、名無しにかわりましてSLPYがお送りします。
- 油断したか宗像 イカを喉に詰まらせるとは
- 15 :以下、名無しにかわりましてSLPYがお送りします。
- 天然魚 おぬしはやはりものが違う
- 16 :以下、名無しにかわりましてSLPYがお送りします。
- 己の食った寿司ネタの皿が金縁だったのを知ったとき
岡部平兵衛の心臓は停止した
ようは皿一枚、回転寿司でも予算はオーバーするのだ
- 17 :以下、名無しにかわりましてSLPYがお送りします。
- やはり眉唾物であったか「えんがわ」
これはヒラメにはあらず いわば代用魚と申すべきもの かかるネタを口に致さば必ずや舌に災いが
そはまことか 虎眼
- 18 :以下、名無しにかわりましてSLPYがお送りします。
- 「こんびーふ?」
ブラウン管を隔てた、やべっち寿司の…
- 19 :以下、名無しにかわりましてSLPYがお送りします。
- 無用だ レーンを流れるプリン 寿司には無用だ
源之助の舌先 やや熱いか
- 20 :以下、名無しにかわりましてSLPYがお送りします。
- デブが上流に座ったら用心せい
- 21 :以下、名無しにかわりましてSLPYがお送りします。
- くっふっふっふ
回転寿司のネタは ひとたび乾けば 二度とは
- 22 :以下、名無しにかわりましてSLPYがお送りします。
- この日は、四足獣の肝であった
- 23 :以下、名無しにかわりましてSLPYがお送りします。
- かっぱ寿司のネタは ほぼ二倍に膨れ上がっていたが
- 24 :以下、名無しにかわりましてSLPYがお送りします。
- この日牛股は素手による握りを決行している
- 25 :以下、名無しにかわりましてSLPYがお送りします。
- 回転寿司に「流れ」と呼ばれる特殊な提供法がある!
職人の手から寿司レーンへ置かれた瞬間 寿司は客のもとへと横滑りしていたのである
客が精妙なる反応を出来なければ 寿司はあらぬ別の客のもとへ流れて行ったろう
- 26 :以下、名無しにかわりましてSLPYがお送りします。
- 江戸時代には『トロ』なぞ猫も食わぬと
ささやかれていたことを何人が知っていよう
- 27 :以下、名無しにかわりましてSLPYがお送りします。
- 「一周してきたら必ず取る 一貫分の腹を空かせて」
“待っていてくれ” その一言を客は心の中で反芻した
約束の時より5分が過ぎている この日この刻限にこの場所へ
先ほどのネタが誰にも取られずに再び流れてきたのは まさに神秘と言うより他ない
「ふぐ」
- 28 :以下、名無しにかわりましてSLPYがお送りします。
- 見よ
全身大トロと化すまでに溜め込まれた脂肪
見よ
黒いダイヤの如く扱われるその巨体
そこから握られる寿司の美味を知る者は カウンターの向かいにて寿司職人を見守る二人の常連
- 29 :以下、名無しにかわりましてSLPYがお送りします。
- よってたかって人の食いたかった寿司を先取りし 空き皿を俺に送りつけた蛆虫の分際で!
- 30 :以下、名無しにかわりましてSLPYがお送りします。
- こ…こは何事!?
レジにて会計を始めた客の睾丸は赤子の如く縮み上がり 瞳孔は大きく見開かれた。
ち、ちがう! ここは回転寿司のはず!
な…何ゆえ かような高額に!?
全身を硬直させた客。その脳裏によぎるものは、指で絡め、胃袋へと落とし込んだネタ達。
大トロ、真鯛、カンパチ、ズワイガニ、 炙りサーモン金箔乗せ、近海産寒ブリ、霜降り和牛
子持ちボタンエビ
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- 31 :以下、名無しにかわりましてSLPYがお送りします。
- うまい酢飯じゃのう
- 32 :以下、名無しにかわりましてSLPYがお送りします。
- 真鯛をもて!
- 33 :以下、名無しにかわりましてSLPYがお送りします。
- 「なにゆえ皿を隠す?」
「会計に加算されたくなきゆえ」
- 34 :以下、名無しにかわりましてSLPYがお送りします。
- 回転寿司屋における大食い大会は凄惨をきわめた
出場フードファイター二十二名
イカによる窒息者八名
皿ごと誤飲による死者六名
射殺二名
生還六名 中二名食あたり
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- 迫り来る客の群れに思わぬ神速のお茶出しが完成した
無明逆上がり
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- 「親父殿。あの寿司ネタは光り物にござるか」
「サヨリ」
「サヨリって……」