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現代医学の進歩は目覚ましいものがあるが、先人たちの試行錯誤を忘れてはならない。今の技術の影には、人体実験にも近い治療が施されていたのだ。
過去にも何度か紹介しているが、かつて実際に使われていた医療器具、医薬品などを見ていくことにしよう。
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1.鉄の肺(人工呼吸器)
ポリオワクチンが世に現れる前、患者たちは鉄の肺と呼ばれる、箱のような機械の中に治療のために閉じ込められていた。
この器具により患者の胸郭が広げられて吸気がおこり、平圧に戻すと胸郭の弾性によって肺がしぼんで呼気がおこる。まるで中世の拷問器具のようなこの機械に入れられてしまうと、何週間も頭だけをだした状態で、備えつけられている鏡に映る範囲の様子だけを見つめてすごさねばならなかった。患者らは機械によって呼吸を整えられているときのみ、会話できた。
2.赤ちゃん用日焼け器具
ビタミンD欠乏によって発病する「くる病」は、骨を弱らせる病である。現代ならば、この「くる病」の患者はビタミンDのサプリメントを摂取して病状を改善できるが、過去には、乳幼児に、人工的に日焼けマシンのような紫外線人工灯をあてていた。
3.ペスト医師
1800年代、ペスト医師たちは腺ペストの爆発的な発病を防ぐために呼び出された。自分たちが感染しないよう、気味の悪いマスクを着用していた。このマスクの長いくちばしには、ハーブや花など香りのよいものが詰められていた。当時ペストは、悪性の空気から感染する病だと信じられていたからだ。また、ペストにかかるのは神からの罰だと見なされ、鞭で打つなどの苦行を与えることも治療の一環とされていた。
4.尿道拡張器
この器具の使用方法を聞いたら、どんな屈強な男も縮みあがってしまうかもしれない。男性の尿道が狭くなりすぎてしまった時、陰茎の先端にこの器具を挿入し押し広げるため使われていた。挿入された2枚の板はネジをまわすことで開き、尿道が広がっていく。その際に生じる出血は、拡張成功のよい兆候とされていた。
5.扁桃腺ギロチン
抗生物質が発明される前、扁桃腺炎は命にかかわる病であった。患者たちは麻酔なしの状態で手術を受けていたので、医師たちは患者に指を噛み千切られないように、この恐ろしい扁桃腺用のギロチンをつっこんだのだ。首を切るためのギロチン同様、このギロチンも非常に効果があったそうだ。
6.瀉血用人工ヒル
瀉血は忍耐の要る作業であった。医師たちが瀉血用のヒルを持参しなかった場合、この人工ヒルが使われた。突き出た刃が患者の皮膚を切り裂き、筒型の部分が血液を吸い出した。
7.痔核用かんし
その昔は、もし痔核になっても症状が限界に達するまで、放って置くしか術がなかった。この道具は、外に飛び出た痔核をしっかりとつかみ、つぶすためのものだ。内部にできた痔核はこの鉤により引きずりだされるのである。痔持ちならその光景を思い浮かべただけでゾっとするだろう。
8.初期の顔面形成外科器具
傷を隠したり、失った顔のパーツを補うための形成外科用の器具は、古い時代から存在していた。この写真のマスクや義眼などは、顔に負った傷を隠すために作られていた。
9.初期の車椅子
クラーク医師が1878年にこの世に出した器具は、背骨などに問題にある人も日に数分から数時間は歩けるようにしてくれるという触れ込みで出回った。しかし実際は恐ろしく重いこの木製の装置は、病人にとっては数センチしか動かせない代ものだった。
10.ウティカのゆりかご
これは主に精神病院で使用されていたものである。このゆりかごは患者が歩くことはおろか、座ることも動くことすらさせない道具だった。20世紀になり、この残酷なかごは廃止され、拘束服や壁にパットを入れた独房にとってかわった。
11.虫歯用スクリューかんし
この器具は二枚の刃で歯をおさえ、中心のねじで歯に穴をあける仕掛けとなっており、抜歯を簡単に行うことができる。ただしこれは、麻酔薬が発明される以前に使われていたものである。
12.男性用欲情防止器具
ヴィクトリア朝時代、男性の自慰は邪悪で不健康なものとされていた。このリングは、欲情すると陰茎にトゲが刺さり、興奮を押さえつけるためのものだ。
13.ヘロインとコカイン咳止めシロップ
中毒性が発覚する前、ヘロインとコカインは両方とも痛み止めとして使用されていた。アスピリンを発売した有名なバイエル社も、中毒性が指摘される前数年間、咳止めとして販売していた。
14.初期の義肢
義肢についての言及は古代エジプトにさかのぼる。現代の義肢が開発されるまで義肢は心地悪く、現実的に使えるものではなかった。それは装着した患者が、恥ずかしい思いや気まずい思いをするようなものであった。
15.骨刀
昔、医師たちは頭痛を治療するため、トレパニングという患者の頭蓋骨に穴を開ける治療を行った。この骨刀というおそろしいチェーンソーのような道具は、頭蓋骨に穴をあけるためにつかわれていた。現代の解熱鎮痛薬に感謝である。
via:distractify・原文翻訳:Yucaly
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コメント
1. 匿名処理班
鼻めがねみたいな物があるんだけど
2. 匿名処理班
10に入れられたら健康な人でも病気になるわ
3. 匿名処理班
今現在でも痛い治療とか痛い検査とかあるけど
早く過去のものになってほしいもんだ
4. 匿名処理班
レーシックのレーザーで目を焼く現代医療(笑)
5. 匿名処理班
麻酔薬の進歩に感謝
6. 匿名処理班
数年前に麻酔を使えず、やもなくハサミで皮膚と肉を切除した事があるけど痛かった
7. 匿名処理班
鉄の肺、リアルでは見た事ないけどアメリカのドラマにちらっと出て来た。カラーで映像で見たらドラマとは言えやはりインパクトあったな…
8. 匿名処理班
暗黒時代は宗教が世界を支配し、近代にいたって経済が宗教に取って代わり、現代においては医療関係者が世界を支配していると言っても過言ではなかろう?
その昔は坊主が医者を兼ねていた事実に鑑みれば、現代における医者は坊主をも兼ねているのかも知れん。
どれほどの権力者であっても医者に逆らえる輩は皆無なのさ、ねえ?
9. 匿名処理班
まず、何がどうなって拡張しないといけないほど尿道が狭くなりすぎてしまうんだ…
10. 匿名処理班
100年後には今行われてる医療もこういう風に紹介されるんだろうね
11. 匿名処理班
*3
手術も飲む薬で血管修復やガン組織破壊できるようになるので
切ることすら無くなるかも
また遺伝子治療により、破損した腎臓や白血病、脳組織も
同様に薬飲むだけで再生する医療もできるかもしれない
12. 匿名処理班
11番
あんな物で抜歯されたら、間違いなく死にます。
13. 匿名処理班
SFなんかで
『昔の時代にタイムスリップ→色々あってそのままそこで一生暮らす』
ってパターンがあるけど、病気になったときの事を想像すると絶対に御免だわ。
14. 匿名処理班
鉄の肺以外は基本、使われたらすでにそれが死を意味するだろ…
15. 匿名処理班
まだ現役おばちゃん看護師さんは鉄の肺を実際使用していたのを知っているからそう昔の医療でもないみたいですよ。