吹寄「上条当麻が見た世界」
- 2014年03月24日 22:10
- SS、とある魔術の禁書目録
- 5 コメント
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- 1: ◆iBnEdyBTY2:2014/03/22(土) 03:33:27.49 ID:ofK5j9LIo
なんとなく短編書きたくなった
ちょい鬱風に書く予定だから苦手な人は注意してくれ
カプ要素は無しです- 2: ◆iBnEdyBTY2:2014/03/22(土) 03:43:20.31 ID:ofK5j9LIo
私が在籍している学校は、学園都市にある学校の中でも中の下とされている。
これは、偏差値が低いというわけではない。学園都市では、入学できる学校は主に能力で決まる。
その為、中の下だとしても不良が多いなどといった類の問題は無く、むしろ私の学校は不良も登校拒否も少ない方である。
それは、上記の理由の他にも、教師の方々が皆素晴らしいから、などといったこともあるのかもしれない。
- 3: ◆iBnEdyBTY2:2014/03/22(土) 03:48:19.06 ID:ofK5j9LIo
しかし、そんな中にも、当然碌でも無い奴らは居るものだ。
私のクラスに居る3人組――いわゆるデルタフォースと言われる奴らだ。
まずは青髪ピアス。その名の通り髪を青く染めて、耳にはピアスをつけている。おまけに事ある毎に女の子をナンパしているどうしようもない変態だ。
こんな奴がこのクラスの委員長をやっていて果たして大丈夫なのか。
何より、こいつがこんなだから私のあだ名がいいんちょになっているのが腹だたしい!
- 4: ◆iBnEdyBTY2:2014/03/22(土) 03:52:13.34 ID:ofK5j9LIo
次に、土御門元春。こいつも髪を金髪に染めて、学校にサングラスをかけて来ている。
青髪と一緒に居るとはっきり言ってチンピラにしか見えない。
しかも相当のロリコンかつシスコンで、こいつの話は風紀を著しく乱す。そろそろ風紀委員に通報した方がいいのかもしれない。
- 5: ◆iBnEdyBTY2:2014/03/22(土) 03:58:12.58 ID:ofK5j9LIo
最後に…上条当麻。
はっきり言って、この男が一番の問題児だ。
まず学校に全然来ない!
学生のくせに何をやっているんだろうか?まあ、いつも怪我をしている辺り、碌でもないことばかりしているのだろう。
そして、学校に来たら来たで女の子たちにちょっかいをかける!
胸を揉ませろと言われた時は本気で張り倒した。
何より、「不幸」という口癖が気に入らない。
悲劇のヒーローにでもなったつもりなんだろうか?世の中にはあの男よりも不幸な人なんて幾らでも居るというのに。
- 6: ◆iBnEdyBTY2:2014/03/22(土) 04:10:17.47 ID:ofK5j9LIo
今日は珍しく、上条も学校に来ているようだ。
「やっぱり茶髪ロングのお姉さんが一番やで!」
「にゃー、わかってないぜよ。一番はやっぱり黒髪ショートの」
「どうせ義妹みたいな女の子ーとか言い出すんやろ?お前の魂胆は見え見えなんじゃボケ!」
「いやー、僻みってのは醜いもんだぜい。で、カミやんはいつもの年上の管理人さん、かにゃー?」
「……最近、金髪少女も悪くないかなーってな…」
「…カミやん……。」
「なんやカミやん、元気ないなー?もしかして、留年でも決まったんかいな?いやー、そらあんだけ休んだら留年にも…ゴフッ!?」
「ちょっと黙るぜよ」
…相変わらず、馬鹿な会話だ。
しかし、上条の様子がどこかおかしい。
一体、何があったのだろうか?
…まあ、上条のことだ、どうせ下らないことでまた不幸だと思っているのだろう。
- 8: ◆iBnEdyBTY2:2014/03/22(土) 04:22:01.12 ID:ofK5j9LIo
「…上条くん。」
「…ああ、姫神か。どうした?」
彼女は姫神秋沙。ここに転入する以前から上条と知り合いだったそうだ。
「上条くん。なんか元気ないね」
「そうか?」
「うん。何かあったの?」
「いや…何でもないよ。休んでる間の分を埋める為の課題を遅くまでやってたからさちょっと疲れてるだけだ…まだ課題残ってるし」
ふーん、やっぱり自業自得だったわけね。
「そっか。…ねえ。上条くん」
「ん?」
「辛い時は。辛いってちゃんと言ってね。いつでも力になるから」
「はは…ありがとな。その時は頼りにさせてもらうよ」
彼女は、おそらく上条に好意を抱いているんだろう。
あいつのどこがいいのか私には全く理解できないが、とりあえず課題を手伝ってもらわなかった事に関しては褒めておこう。
- 9: ◆iBnEdyBTY2:2014/03/22(土) 04:31:50.40 ID:ofK5j9LIo
授業中。
新学期が始まり、上条は前の方の席、私はその真後ろの席となっていた。
そのため、上条の動きは嫌でも目に入ってくる。
上条当麻は、せっかくの小萌先生の授業中にも関わらず、どこか上の空だった。
小萌先生もそれに気付き、上条に注意をするが、上条はそれに全く気付いていない。
だんだん小萌先生の目に涙が浮かんできた。
こいつときたら…!
そう思い注意をしようと上条の肩に手をかけようとした、その時
- 10: ◆iBnEdyBTY2:2014/03/22(土) 04:38:11.23 ID:ofK5j9LIo
キィィィィィィーン……
耳元で甲高い音が鳴り響いた。
耳鳴り?にしてはおかしい。
どうやら周りの人にも聞こえているようだ。
ふと、私は上条と、その隣に座る土御門の方を見た。
何故かは分からないが、私はこの2人が何かを知っているような気がした。
大覇星祭の時、他の人とは違った動きをしていたこの2人なら。
すると突然、土御門は体中から血を流して倒れた。
- 11: ◆iBnEdyBTY2:2014/03/22(土) 04:50:07.02 ID:ofK5j9LIo
「な―――」
突然倒れたクラスメートに驚き、悲鳴すら上げられなかった。
何が起きたのか、全く理解出来なかった。
「土御門!!」
「心、配ない、防御する為に、魔術を使っただけだ。
この術式、だけは、受けるわけにはいかない、からnゲホッ!ゲホッ!」
魔術?一体何の話をして…
「もういい喋るな!じっとしてろ!待ってろ、すぐ保健室に…!」
「そんな、ことよりカミやんは姫神秋沙を守ってやれ…!あいつには、自身を守る術がない。この術式の標的になったら…つぶれるぞ…」
「―っ!…わかった。」
それだけ言って、上条は姫神さんの方へ行き――
「上条くん。これ……」
「ああ。だから、じっとしててくれ」ポン
姫神さんの頭に右手を乗せた。
- 12: ◆iBnEdyBTY2:2014/03/22(土) 04:56:57.21 ID:ofK5j9LIo
こんな時に何を…!
そう思った矢先、クラスのみんなから光のようなものが出てきて、黒板の所に集中していた。
慌てて見れば、どうやら自分や上条からも出ていたらしく、それらも例に洩れず黒板のもとへ集まっていく。
光が出ていなかったのは土御門と、上条の右手を頭に乗せている姫神さんだけだった。
- 13: ◆iBnEdyBTY2:2014/03/22(土) 05:04:29.36 ID:ofK5j9LIo
どうやら、上条と土御門、それと姫神さんはこれが何かを知っているようだ。
集まった光が徐々に四角くなり、やがて黒板をつかったスクリーンのような形を取った。そして……
『はー疲れた。ん?なんやこの子?』
そのスクリーンに、カエルの着ぐるみを着て、小さな女の子に話しかけている青髪の姿が映し出された。
- 14: ◆iBnEdyBTY2:2014/03/22(土) 05:15:20.72 ID:ofK5j9LIo
「……は?」
「ちょ、なんやコレ!?なんでボク映ってんの!?」
「…青髪ちゃん?本当に手を出したら犯罪なのですよー?」
「ああっ!そんな視線もいい…ってイヤイヤちゃいますって!これはたまたま…」
そうこうしていると、今度は別の映像が映し出される。
「おい、今度は○○の…」
「ゲッ、俺かよ…」
「あ、これ××ちゃんとプール行った時の…」
「…おい、△△?いつ彼女なんて出来たんだ?」
「い、いやあ…それは…」
ふん、何よ。
「何かと思えば、みんなの記憶を映し出してるだけじゃない」
そう思っていたら、ついに私の映像が映し出された。
どうせ大した内容じゃないでしょ?そう思って毅然としていたが、
そこには……
通販カタログと睨めっこをしている私が居た。
- 15: ◆iBnEdyBTY2:2014/03/22(土) 05:22:34.04 ID:ofK5j9LIo
「えっ…ってちょっとおおお!?」
「うわ…委員長ああいうの好きなんだ…」
「ちょっと意外…」
「まさかあの胸の秘訣は通販…!?」
「せ、先生的には通販に手を出すのはまだ早すぎると思うんですよー…?」
なんでよりによってこの場面なのよ!というか…
「そこ!通販と胸は関係ない!!」
好き放題言ってくれるわねホント…!
というかなんで私だけこんな恥ずかしい思いしなきゃなんないの!?
あいつの真似みたいなのがシャクだけど、これ絶対不幸って言っていいと思うわ!
- 16: ◆iBnEdyBTY2:2014/03/22(土) 05:28:53.49 ID:ofK5j9LIo
見れば、小萌先生も無難に終わり、映ってないのはただ一人…上条当麻だけになっていた。
「上条くん…!私は大丈夫だから。自分の方を…!」
「ダメだ!姫神にまた辛い思いはさせられない!!」
何故、土御門と姫神さんからはあの光が出なかったのかは分からないけど、それはいいとして
さて、上条当麻。貴様の言う不幸とやらがどの程度か見せてもらうわよ!!
そして、上条当麻の姿が映し出される。
- 28: ◆iBnEdyBTY2:2014/03/22(土) 10:36:18.90 ID:ofK5j9LIo
はじめに映ったのは…上条と、上条にガラス片を突き立てている私。
「っ…!」
「―――え?」
なんだ、これは。
「やめろ!見るな、吹寄!!」
『何が、助けてやる、よ』
「駄目だ…見たら…」
『上条当麻。貴様が、あんな事をしなければ、誰も死なずに済んだんじゃない!!』
意味が、わからない。
どうして私が、上条を?
周りからの視線が突き刺さる。
…違う!
「違う!私はこんな事してない!!上条当麻を刺したりなんか…!!」
すると、今度は私ではなく、青髪が映る。
「…ボク?」
『よくもまあ…ホンマにこないな所まで顔を出せたもんやな。いや、真剣に感心してる。途中で囲まれなかったのが不思議でならん。今のカミやんだったら、冗談抜きに広場で磔にされたってみんな拍手喝采するだけだろうに』
あのいつもふざけた感じの青髪が、こんなに悪意に満ちた表情をするとは。
「なんやこれ…ボクこんな事言った事無いで!?」
そして、上条と青髪の殴り合い…ただし、青髪は明らかに上条を殺そうとしていた。
「なんや…一体何なんやこれは!!」
やがて、上条は青髪に背を向け、走り去った。
『そないに絶望したかったら勝手にしたらええ…』
『どうせアンタの居場所なんてどこにもあらへんけどなあ!ボクらだって何もかもなくしたんや。その元凶に一人だけ救なんて残っていてたまるか!!』
青髪から、怨嗟の声が放たれる。
一体なんなのだ、この光景は。
私達の知らない、この世界は。
- 32: ◆iBnEdyBTY2:2014/03/22(土) 11:02:09.21 ID:ofK5j9LIo
「――上条!何よこれ!?これは貴様の妄想?だとしたら相当質の悪い――」
「やめろ、吹寄」
問いただそうとした私を止めたのは、土御門だった。
出血は、どうやら止まっているらしい。
「これは、妄想や夢の類を映し出す事は無い。…精神能力による幻覚もな。
あくまでも、自身が体験した、現実コメント一覧
-
- 2014年03月24日 22:52
- ※1
くせぇ
-
- 2014年03月24日 23:01
- これ、原作の何巻だよ?
-
- 2014年03月24日 23:39
- 新訳の9のifですか
普通に良かった
-
- 2014年03月24日 23:51
- かなり良かった。
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