右腕を失っても諦めない、ドラム奏者の夢を支えるロボットアーム
腕を失った後もパフォーマンスを続けたデフ・レパード(英国のハードロックバンド)のリック・アレンを彷彿とさせますね。
ジェイソン・バーンズさんは2年前に右腕を失ってしまいました。でも、その事故は彼から「ドラム奏者になる」という夢を奪うことはできなかったようです。
ドラムを叩き続けるために、スプリングを使った剥き出しの補綴(ほてつ/身体の欠損した部位を人工物で補うこと)装置を自作したバーンズさん。しかし、アトランタ・インスティテュート・オブ・ミュージック・アンド・メディアに入学後、その右腕を改良できるかもしれないという教授に出会うのです。
その教授とは、ジョージア工科大学のギル・ウェインバーグさん。彼は過去に完全自律型のドラミング・ロボットを開発したときの知見をもとに、バーンズさんが二本の腕を持っていたときと同じくらい、あるいはそのとき以上にドラムを演奏し続けられるような補綴デバイスを設計しました。
ウェインバーグさんが設計した小型ロボットアームを使うと、バーンズさんは上腕にある筋肉でドラムスティックを正確にコントロールできるようになります。またこのデバイスには「自律的に演奏する2本目のドラムスティック」がついているので、マイクと加速度計によって検出したバーンズさんのリズムをもとに補足的なリズムを自動的に叩くようになっています。
その技巧を自分のモノにするためには、もちろんまだまだ練習が必要です。でも、彼の新しい「右腕」はなかなか調子がよいとのこと。バーンズさんは3月22日〜29日に行われるアトランタ・サイエンス・フェスティバルでもライブ演奏を披露。これからの活躍も楽しみですね。
[YouTube via NewScientist]
Andrew Liszewski(Rumi 米版)