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この世で最も奇妙な映画館は、エジプトのシナイ半島の砂漠の中に佇んでいる。映画館とはいえ、150席の木製のイスとスクリーンの土台だけで、壁も天井もない。
野ざらしになったその映画館は風化しており、長い間世間から忘れ去られていた。そのためここは、“世界の終わりの映画館(終末映画館)”と呼ばれている。
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それでもここが映画館だったことは確かなようで、10数年前の映画のフィルムが残されている。かつて発電機とプロジェクターが収容されていた建物は、砂漠の真ん中で廃墟と化している。
そもそも何故、炎天下の砂漠の真ん中に屋根もない映画館を作ったのか?その理由は定かではない。あるフランス人がこの野外映画館をつくったそうだ。
彼はこの地を見て何かインスピレーションが浮かんだのだろう。一旦パリに戻り、お金を工面し、カイロにある古い映画館から必要なものを一式買い取り、映画館完成に必要なすべての準備を整えた。発電機を準備し、スクリーンを巨大な帆のように引っ張りあげた。
彼の夢見た砂漠の真ん中の青空映画館は、あとはプレミア上映を迎えるだけとなった。だが彼は、非常に大事なことをひとつ怠ってしまっていた。それは地元の人々への気配りである。
フランス人からすると、「すばらしい砂漠の中にすばらしい映画館をたてた。地元にも貢献している。」と思ったのだろう。だが地元の人はそうは思わなかった。自分勝手に映画館を建てたフランス人を快く思わず、プレミア上映会当日の電気の供給をボイコットした。
電気がなければ上映は不可能である。結局、この映画館で映画が上映されることは一度もなかった。150の席は永遠に上映されるはずのない映画を待つかのようにたたずんでいる。その後映画館は忘れ去られていった。
映画館へ行くには、「ダスティロード」と呼ばれる一本道があるが、その道路は普段使誰もつかわない。さらには、エジプト、シナイにおいて、旅行のツアー以外で無断で砂漠に入ることは禁じられている。そのため旅行者たちも、この映画館にくることができない。
地元の人はもちろん、ここに映画館があることは知っているが、フランス人と政府、地元住民ビドゥン族との間の揉め事があったため、この映画館の話は誰もしないことになっている。
googleマップで見る終末映画館
何世紀か先の未来、もしまだ“終末映画館”の片りんが残されているとしたら、人々はそれに何を見出すのか?新たなる都市伝説が生まれていそうだ。
via:odditycentral・原文翻訳:Yucaly
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