戻る

このページは以下URLのキャッシュです
http://japanese.engadget.com/2014/03/25/asrock-gpu-pcie-btc-pro-kit/


ASRockからGPU多連装用のPCIe延長キットBTC PRO Kit、仮想通貨マイニング向け「高品質」品 - Engadget Japanese


PC用マザーボードメーカーのASRockが、PCI Express x16接続用ビデオカードをPCI Express x1スロットに装着するための延長キットを発表しました。その名も BTC PRO Kit 。

名前の時点で 出オチ 何に使うのかピンと来た人もいらっしゃると思いますが、これはビットコインをはじめとする、マイニング(採掘)が可能なタイプの暗号通貨の処理効率を上げるため、PCに多数のGPU(=ビデオカード)を搭載することが主目的の製品です。

製品仕様としては、マザーボード側にPCI Express x1に対応した小型カードを装着。ビデオカード側のPCI Express x16スロットのカードとの間を電源と2本のシリアルATAケーブルで結びます。

これは、多数のビデオカードをマザーボードに装着すると同時に、マザーボードから離して設置することで、廃熱の問題を和らげようという考えに基づくものです。



ASRockはビットコインマイニング向けと銘打って、2013年12月にマザーボード2製品「H81 Pro BTC」「H61 Pro BTC」を発売しましたが、そのリリースに描かれたイメージイラスト(上図)がまさに同種のキットを使ったものでした。

ちなみに、外観はこのように物々しい状態になりますので、PCはケースに入れない(いわゆるバラック)状態での運用が基本となります。

さて、マザーボード側がなぜPCI Express x1になっているのかというと、マイニングの特性に起因します。

GPUに対応した仮想通貨のマイニングを有利にするには、1台のPCにマイニングに向いたGPUを多く搭載するのが近道なわけですが、一方でマイニングでのマザーボードとGPU間のデータ転送量は3Dゲームに比べると少なくて済むため、PCI Expressの帯域幅はx1スロット程度で十分間に合う、と言うわけです。



こうした製品は、実はASRockがはじめてではありません。実は従来からパラレルATAケーブルをベースにした、個人レベルで作られたキットが発売されていました。先ほど紹介したイメージイラストも、実はよく見るとパラレルATAのフラットケーブルで配線されています。

そうした事情から、BTC PRO Kitの製品紹介ページには、それらのハンドメイドキットに対抗する利点が書かれておりますが、そちらがなかなか奮っています。曰く、「シリアルATAケーブルを使っているのでIDEケーブルよりデータ転送が速い」「ケーブルが長い」「電圧降下も少ない」にはじまり、果ては「機械生産なのでハンドメイド品に比べて品質が良い」といった旨のキャッチまで出てくるなど、ある意味で必見です。

ビットコインにおけるマイニング効率に関しては、ここ1年ほどでGPUよりはUSB接続の専用アダプタにトレンドが移ってきた感もありますが、新しい仮想通貨が登場した際のクライアント対応などの面では、いまだにGPUはアドバンテージがあります。このキットはそうしたニーズに応えるもの、と言えそうです。

また、マイニング用途を抜きにして、純粋にPCI Expressスロット延長+変換カードとして使うのも面白そうな製品。ヘビーな自作PC派にとっては、むしろ自作の自由度を上げてくれるキットとしての価値がありそうです。