戻る

このページは以下URLのキャッシュです
http://japanese.engadget.com/2014/03/26/toughpad-fz-x1/


TOUGHPAD FZ-X1レビュー: 防水防塵・耐衝撃・耐温のタフ仕様。実際に冷凍庫で冷やしてテスト(動画) - Engadget Japanese
パナソニック製5インチ頑丈(タフ)タブレット TOUGHPAD FZ-X1

パナソニックが発表した、とんでもなく頑丈な5インチタブレット TOUGHPAD FZ-X1 のレビューをお届けします。主だった特徴を紹介した前回に続き、今回は実際にタフな環境で使ってみた様子を動画で紹介します。なお、お借りしたモデルはあくまでも試作機で、実際の商品と異なる場合があります

通話機能

FZ-X1は、タブレットでありながら音声通話にも対応しています。タフな環境での通話のために、3つのマイクとノイズサプレッサーで雑音を抑え、さらに大口径のツインスピーカーも搭載。工事現場などの騒音環境下においてもハンズフリー通話ができるという100dBAの大音量を実現します。ただし、評価用の開発検証機ではモバイル通信を使用できなかったため、今回音声通話のテストは実施していません。


濡れたまま操作可能、手袋でも操作可能

端末が濡れている、また利用する手が濡れている、そんな環境でもWater Proof Touchモードにより、タッチ操作が可能です。しっかりと拾ってかなり快適なディスプレイ操作が可能ですが、大粒な水滴や、水道の蛇口から直接画面に水が流れ落ちてくるような場合は誤動作する場合があるようです。

パナソニック製5インチ頑丈(タフ)タブレットTOUGHPAD FZ-X1レビュー

また、作業用の厚手の手袋などで操作するシーンでも、Glove Touchモードでグローブをしたまま操作が可能です。ディスプレイは感圧式ではなく、静電容量式のタッチパネルですが、しっかりとタッチ操作に反応してくれます。

パナソニック製5インチ頑丈(タフ)タブレットTOUGHPAD FZ-X1レビュー

-20度〜60度対応、冷凍倉庫で利用可能


TOUGHPAD FZ-X1は、-20度の極寒な環境でも動作します。冷凍倉庫や業務用冷凍庫での利用を想定したものですが、残念ながら身近にはありません。そこで家庭用冷蔵庫の冷凍庫で冷やし続けてみました。

庫内に入れてから30分後に2.6度まで温度が下がり、さらに氷水で全体を2時間ほど冷やして2.4度まで下がったところでタッチパネルを操作。氷点下環境とはいきませんでしたが、特に問題なくタッチ操作ができました。飲食店などの業務用冷凍庫を使用すれば、もう少し低温環境が作れたかと思いますが、発売時期が真夏の8月ということで、涼みがてらに冷凍倉庫での動作チェックをぜひとも試したいところです。

落下テスト

パナソニックでは、高さ3mから前後・上下・左右の6方向のいずれの面がコンクリートに落下しても壊れないという衝撃テストを実施しています。(検証機ということもあり、約1mの高さからカーペット上に数度落下させるテストを実施したところ、正常に動作しました)。

さすがにガラス面に鋼球を落下させるテストは、実施できませんでした。



試作機段階ではありますが、プリインストールされているアプリは以下の通り。
パナソニック製5インチ頑丈(タフ)タブレットTOUGHPAD FZ-X1レビュー
パナソニック製5インチ頑丈(タフ)タブレットTOUGHPAD FZ-X1レビュー

フロント下部にある3ボタン(A1・A2・A3)および左サイドにボタンは、短押し、長押し、2ボタン同時押し、UMTSモードまたはCDMA2000モードの組み合わせによって、13通りの機能を割り当てられます。タッチ操作不要で機能を呼び出せる点は、特定目的で利用する際に最適でしょう。

パナソニック製5インチ頑丈(タフ)タブレットTOUGHPAD FZ-X1レビュー
割当可能な機能は以下の通り。
  • セキュリティモードに移行
  • Dashboardの起動
  • アプリケーションの起動
  • スクリーンショット撮影
  • Back
  • Home
  • Menu
  • Program1
  • Program2
  • Program3
  • 何もしない
  • Glove touch
  • Water Proof touch
  • Customized silent mode
  • Select SIM card slot
  • Barcode trigger
  • Push to talk trigger

パナソニック製5インチ頑丈(タフ)タブレットTOUGHPAD FZ-X1レビュー

あらゆるハードな利用環境で使える頑丈(タフ)タブ

以上、TOUGHPAD FZ-X1をチェックしてきましたが、5日間(実質12時間程度)の試用結果としては、Wi-Fiのみでの利用となりましたが、満足度の高い頑丈なタブレットでした。ただし、試作機ということで、懸念点もいくつかありました。

屋外での視認性については、ディスプレイのバックライト輝度が最大500 cd/m2 というスペックですが、試作機では十分といえるほどの明るさはありませんでした。カメラについては、直線がやや歪んでしまう現象がありました。8月の発売までまだ約4か月あるので、今後のチューニングに期待したい状況です。

パナソニック製5インチ頑丈(タフ)タブレットTOUGHPAD FZ-X1レビュー

落下試験クリアなど、タフに使うための耐性があるTOUGHPAD FZ-X1。もちろん無破損・無故障を保証するものではありません。3年間無償保証(Webオンライン登録した場合)でどこまで修理が可能なのか気になるところで、販売時には、携帯電話のように少額負担で修理・交換できるサービスの提供が期待されます。

今のところ、利用可能な通信事業者や、対応する周波数帯が未公開となっています。現行のTOUGHPADシリーズLTEモデルは、NTTドコモのXiに対応しています。

今回のFZ-X1では、3GがCDMA2000/1xEV-DO対応で、auでも利用できると想像できます。デュアルSIMで複数のキャリアに対応することで、より広いエリアで使用できたり、ネットワーク障害や災害時にネットワークへの切り替えが容易にできたりすることから、事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)において重要な役割を担うのかもしれません。

利用シーンを考えてみても、工場・工事現場・倉庫・冷凍室・フィールドサービス・車やバイクでの運送/配送などでの法人利用のほか、災害時などの劣悪な環境への備えが必要な自治体や官公庁、冬山での登山者や山小屋での利用を含む寒冷地や、ライフガードなどのビーチでの利用や船舶などでも有効活用できそうです。


すでに開発済みの業務用Windows系アプリケーションがある場合には、Windows Embedded 8 Handheldを搭載したFZ-E1のほうが、新たにAndroidベースのアプリを開発するよりも効率が良いかもしれません。

このほか、高耐久性のスマートデバイスとしては、海外メーカーではCaterpillar社 CAT B15、国内メーカーではカシオG'zOne Commando京セラTORQUE が先行しています。京セラのTORQUEは国内でも3月下旬より販売開始予定。今回、パナソニックが5インチクラスのTOUGHPADシリーズを投入することで、今後のタフネス端末分野での日本メーカーによる競争が楽しみです。